日産、2025年度上期決算。26年度末までに5,000億円の削減目指す

日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は11月6日、2025年度の上期決算と通期見通しを発表した。それによると通期の営業利益の見通しは、関税影響を除くと、損益均衡となる見込み。

上期のグローバル販売台数は148万台、連結売上高は5兆6,000億円となり、営業損失は277億円となった。

当期純損失は2,219億円で、主に持分法適用会社の利益減少や構造改革費用が影響している。自動車事業の流動性は2.2兆円の現金及び現金同等物(9月時点)を含めて3.6兆円を確保している。

2025年度上期財務実績
中国合弁会社に持分法を適用した2025年度上期の財務実績は次の通り
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(東京証券取引所届出)中国合弁会社に持分法を適用(注2)
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2024年度 上期
売上高 5兆9,842億円
営業利益 329億円
売上高営業利益率 0.5%
経常利益 1,161億円
当期純利益 (注1) 192億円
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2025年度 上期
売上高 5兆5,787億円
営業利益 -277億円
売上高営業利益率 -0.5%
経常利益 -779億円
当期純利益 -2,219億円
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増減(対前年)
売上高 -4,055億円
営業利益 -606億円
売上高営業利益率 -1.0ポイント
経常利益 -1,940億円
当期純利益 -2,411億円
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*2025年度上期の平均為替レートは、1USドル146円、及び1ユーロ168円。

2025年度第2四半期3か月財務実績
中国合弁会社に持分法を適用した2025年度第2四半期3か月の財務実績は次の通り。
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(東京証券取引所届出)中国合弁会社に持分法を適用 (注2)
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2024年度 第2四半期 3か月
売上高 2兆9,858億円
営業利益 319億円
当期純利益 (注1) -93億円
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2025年度 第2四半期 3か月
売上高 2兆8,718億円
営業利益 515億円
当期純利益 -1,062億円
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増減(対前年)
売上高 -1,140億円
営業利益 196億円
当期純利益 -968億円
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*2025年度第2四半期3か月の平均為替レートは、1USドル148円、及び1ユーロ172円。

2025年度の業績見通し
日産は、10月30日に2025年度通期の業績見通しを発表した。売上高は11兆7,000億円を見込んでいる。関税の影響がなければ、2025年度の営業利益は損益均衡になると想定。

関税影響を織り込むと、営業損失は2,750億円となる見通し。親会社株主に帰属する当期純利益および1株当たり当期純利益については、現在もRe:Nissanの取り組みについての検討を重ねている段階のため、見通しは未定としている。

また中国の合弁会社に持分法を適用した2025年度通期予想を下記の通り修正し、東京証券取引所に届け出た。
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(東京証券取引所届出)中国合弁会社に持分法を適用 (注2)
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前回見通し
売上高 12兆5,000億円
営業利益 –
当期純利益 (注1) –
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今回見通し
売上高 11兆7,000億円
営業利益 -2,750億円
当期純利益 –
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増減(対前回見通し)
売上高 -8,000億円
営業利益 –
当期純利益 –
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*2025年度通期見通しの為替レートは、通期平均1USドル=146円、1ユーロ=168円。

Re:Nissanアップデートの進捗状況
日産はRe:Nissanの取り組みを着実に推進し、2026年度末までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化を目指している。

変動費の削減は、これまでに数千件のアイディアが検証段階、実行段階へと進んでおり、2,000億円分の効果を見込んでいる。これらのアイディアは、品質や安全性、性能を犠牲にすることなく、持続可能な方法でコスト削減を実現していく。

固定費の削減も順調に進んでいる。上期は800億円以上を削減しており、年度末までに1,500億円以上の削減を目指す。2026年度までには2,500億円以上の固定費削減を達成できる見込み。

グローバル生産体制の再編も進んでおり、計画していた7拠点のうち6拠点が決定している。時間当たりのエンジニアリングコストの低減は目標値の20%に対して12%進捗しており、部品種類の削減も着実に進んでいる。

さらに、ノンコア資産の最適化として横浜本社ビルのセールアンドリースバックを実施する。20年間のリースバック契約により、従業員や事業運営へ影響を与えることなく、今後も横浜で事業運営する。調達した資金は、設備の刷新やRe:Nissanの今後の成長を加速させるために活用する。

今後は、Re:Nissanの次フェーズとして商品・市場戦略の再定義や戦略的パートナーシップの強化に注力する。

リーフやルークスなど新モデルの市場反響も好調であり、2027年度までにさらなる新型車の投入を予定している。主要市場でイノベーションと顧客への魅力ある商品の提供を推進し、持続的な成長を目指す。

CEOのイヴァン エスピノーサ氏は「上半期の業績は私たちが直面する課題を示していますが、同時に日産が確実に回復の道を歩んでいることも表しています。

下半期も課題はあるものの集中力と規律、そして現在進めている施策により、より良い結果を出せると確信しています。Re:Nissanのもと、前向きな姿勢を維持しながら慎重なリスク管理を徹底し、将来に向けて新車の投入、主要市場への取り組みと革新的な技術の開発を加速させていきます」と述べた。

注1)親会社株主に帰属する当期純利益
注2)2013年度から中国の合弁会社 東風汽車有限公司の連結方法が変わり、持分法が適用されている。当該会計基準では、連結当期純利益に変化はないものの、連結売上高と連結営業利益には東風汽車の数値は含まれなくなる。
*業績予想については、現時点で入手可能な情報に基づいておりリスクと不確実性を含んでいる。実際の業績は現状の業績見通しと異なる可能性がある。

日産の財務実績の詳細については、https://www.nissan-global.com/EN/IR/FINANCIAL/も参照されたい。

 
 




 
 

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