日本自動車殿堂、イヤー賞にホンダ軽EV「N-ONE」を選定

特定非営利活動法人 日本自動車殿堂( JAHFA /ジャファ、所在地:東京都千代田区、代表:藤本隆宏 )は11月5日、2025−2026年度の自動車殿堂カーオプサイヤーに「ホンダN−ONEe:」を選出した。

また併せて同インポートオプザイヤーに「ID.Buzz」を。同カーデザインオブザイヤーは「ホンダ プレリュード」。カーテクノロジーオブザイヤーには「サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ:SUBARUフォレスター」を選出した。

 

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日本自動車殿堂によるイヤー賞
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日本自動車殿堂 カーオブザイヤー2025-2026 ホンダ N-ONE e:
この年次に発売された国産乗用車のなかで最も優れた乗用車としてホンダ N-ONE e: を選定した。

日常生活に安心な軽EVとして十分な航続距離。レトロとモダンを融合した優れたデザインイメージ。軽自動車枠ながら安全運転支援機能を充実。数々の優れた特徴をそなえた車である。ここに表記の称号を贈り開発グループの栄誉を称えて表彰する。

日本自動車殿堂 インポートカーオブザイヤー2025-2026 フォルクスワーゲン ID.Buzz
この年次に発売された輸入乗用車のなかで最も優れた乗用車としてフォルクスワーゲン ID.Buzzを選定した。

オリジナルワーゲンバスをEVでオマージュフラットで広い車内空間と多彩なシートアレンジ、多人数が乗車可能なミニバンEV、数々の優れた特徴をそなえた車である。ここに表記の称号を贈りインポーターの栄誉を称えて表彰する。

日本自動車殿堂 カーデザインオブザイヤー2025-2026 ホンダ プレリュード
この年次に発売された国産乗用車のなかで最も優れたデザインの車としてホンダ プレリュードを選定した。

近未来を感じさせる新スポーティクーペ、低くてシャープなフロントノーズと流麗な造形、広くて実用的な空間と洗練されたインテリアデザイン、数々の優れた特徴をそなえた車である。ここに表記の称号を贈りデザイングループの栄誉を称えて表彰する。

日本自動車殿堂 カーテクノロジーオブザイヤー2025-2026 サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ:SUBARU フォレスター
この年次に発売された国産乗用車のなかで最も優れた技術としてサイクリスト対応歩行者保護エアバッグ:SUBARU フォレスターを選定した。

世界初のサイクリスト対応エアバッグを実用化、エアバッグの展開領域をAピラー後方まで拡大、死亡交通事故ゼロへの取り組みをさらに進化、数々の優れた特徴をそなえたシステムである。ここに表記の称号を贈り開発グループの栄誉を称えて表彰する。

 

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2025日本自動車殿堂 歴史遺産車
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日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定し、日本自動車殿堂に登録して永く伝承するべく選出した2025日本自動車殿堂 歴史遺産車には、「SUMINOE フライングフェザー」「UDトラックス ミンセイ6TW12」「ダイハツ シャレード」を選定。それぞれの選出理由は以下の通り。

SUMINOE フライングフェザー
戦後の国産自動車黎明期に軽自動車規格として1954年に登場したフライングフェザー。同車は、1953年に上野公園で開催された全日本自動車ショウの予行で初めて展示され、翌1954年の第一回全日本自動車ショウで一般公開された。

フライングフェザーは、元日産自動車所属の富谷龍一氏の設計により「最少の資材と燃料で事足りる自動車を」という思想を具現化したもので、その設計には数多くの新機軸を包含し、時代の先端を行くものも多かったが、当時の日本では、適正な発展が望めないまま約200台の生産をもって終了となった。

富谷の構想は時代の先を走りすぎた面もあり、商業的な成功には至らないまま製造中止となったが、その構想と先進性は1960年代に一大ブームとなった軽自動車の嚆矢といえるもので、日本の歴史遺産車として相応しいものである。

UDトラックス ミンセイ6TW12
同車搭載のUD6型エンジンは、スーパーチャージャーと頭上排気弁によるユニフロー掃気の自社開発2サイクルディーゼルで、コンパクトな外形は6気筒230馬力にもかかわらず900㎏以下に抑えられ、馬力当たり重量3.82kg/psは国内トップレベルであった。

2サイクル機関は燃費、騒音などの点で不利な面もあったが、民生デイゼル工業/日産ディーゼル工業は、1970年代半ばまで小型軽量・高出力などの特徴を持つ国産大型車唯一の2サイクルエンジンを採用、その集大成ともいえる6TW12は、11トンの積載量を誇り、人気を博した。

高度成長期の初期段階、一般道路も高速道路も未発達の当時の日本において、物流の長距離高速移動と大量輸送がおとずれることを念頭に置いて開発され、各地で活躍した後輪2軸駆動の超大型高速トラック ミンセイ6TW12は、歴史遺産車として相応しい1台である。

ダイハツ シャレード
同車は1977(昭和52)年10月4日、ダイハツは「広くて 小さい 快適な経済車」のシャレード(謎解きの意)を発表。小さいながらもそれらの特徴が認められ、発売同年に「’77カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。

約1年後の1978(昭和53)年9月、Jラインのサイドウインドウとマリンウインドウを採用した3ドアクーペを発売し、新たな顧客層を開拓した。また、翌1979(昭和54)年からはそのフレキシブルな走行性能と耐久性を実証すべく、モンテカルロ・ラリーやサファリ・ラリー等の国際格式ラリーにも出場し、優れた成績も残している。

近年は小型車に4サイクル3気筒エンジンが広く採用されつつあるが、シャレードは、近年の小型車にも通用する「広くて 小さい 快適な経済車」の先駆者であり、歴史遺産車として相応しいクルマである。

 

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2025 日本自動車殿堂 殿堂者 (殿堂入り)
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最後に国内自動車産業の発展に寄与・貢献した偉業を讃え、永く後世に伝承していくことを主活動とする同団体(平成13年11月14日に法人登記)ゆえの「日本自動車殿堂 殿堂者」を今年も選定した。

1.2025日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り) 1名

株式会社三栄書房元代表取締役社長
株式会社三栄取締役 相談役 鈴木 脩己氏

 

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2.2020日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り)3名

評論家(比較都市史、人間の移動史)
朝日新聞社元編集委員・静岡県立大学元教授 岡 並木氏

初代ロードスター開発責任者
大分大学工学部生産システム工学科 元講師 平井 敏彦氏

日産自動車 R32スカイライン開発主管
オーテックジャパン元常務取締役技術本部長 伊藤 修令氏

 

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なお「2.2020日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り)3名」は、2020年に新型コロナ感染拡大により表彰式典が中止となったため、今年2025年に2020殿堂者(殿堂入り)を表彰する運びになったと説明されている。



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