「売れない空き家」が秘密基地のようなライダー宿に

静岡・浜松市二俣で空き家再生×地域活性の新モデルが始動

空き家買取専科を運営するSweets Investment(本社:静岡県静岡市駿河区下川原、代表取締役:玉木潤一郎、静岡ガスグループ)は5月2日、静岡県浜松市天竜区二俣の駐車場のない築56年の空き家をフルリノベーションし、ライダー向け宿泊施設〈152INN(イチゴーニイン)〉をオープンさせた。

同社は、これまでにも空き家の買取・再生・再販事業に取り組んできたが、今回の宿泊施設は、同時期に静岡市葵区音羽町にオープンした〈タイムトリップOTOWA〉と並ぶ「空き家民泊活用プロジェクト」となる。

社会課題である空き家問題の解決を目指すと同時に、地域経済の活性化にも貢献する“空き家再生の新モデル”として注目されている。

 一日一組限定、愛車と泊まる“ライダーのための宿泊施設”

「世界のHONDA」の創業者・本田宗一郎氏が生まれ育った地、浜松市天竜区二俣。その歴史ある町・二俣に、一日一組限定、バイク旅を楽しむ人のための宿泊施設〈152INN〉が誕生した。

築56年の古家を再生したこの施設は、国道152号線沿いというロケーションを活かし、“走る、遊ぶ”をテーマに開発された一棟貸しのツーリングホテル。屋内に専用ガレージを完備し、愛車とともに宿泊できる設計がライダーたちの心をくすぐる。

 ライダーの夢を叶える「秘密基地」のような空間設計

〈152INN〉最大の魅力は、バイクと共に過ごせる“秘密基地”のような非日常空間。一階には、愛車をガレージ越しに眺めながら食事や語らいを楽しめるダイニングを設置。床をあえて約10cm下げることで、着席時の目線とバイクの高さが合い、より深くバイクと繋がれる演出となっている。

昭和レトロな雰囲気を残した2階の宿泊空間には、懐かしさと温もりが共存。畳や障子、襖や欄間がノスタルジックなムードを醸し、長距離移動の疲れをやさしく癒す。

また、一日一組の完全貸切スタイルにより、気の合う仲間や家族と周囲を気にせずプライベートな時間を楽しむことができる。

「走る」と「泊まる」を繋ぐ、ライダー目線の工夫が満載

ツーリングの楽しみを支える「快適性」と「安心感」も充実。愛車を守るためのインナーガレージは防犯性も考慮されており、雨の日でも安心して利用可能。

更に地元のライダーと連携して制作する「おすすめツーリングルートマップ」も設置予定。国道152号線を軸に、奥浜名湖や天竜川沿い、本田宗一郎ものづくり伝承館、秋野不矩美術館など、自然・文化・歴史を感じられるスポットを巡ることができる。

 空き家に込めた、新しい“役割”と“希望”

空き家というとネガティブなイメージを持たれがちだが、今回のプロジェクトではそれを「地域に人を呼び込む装置」として捉え直した。

当該物件は、もともと駐車場がなく、築年数も古く床の傾きもあったため、再販が難しい空き家だった。

またそもそも天竜木材や繭の取引で栄えた地域ではあるが、現在は人口減少や高齢化が進み、昔ながらの賑わいが減少しつつある。

そこで通過点ではなく、滞在し地域との交流できる「ライダーが喜ぶ宿をつくる」という新たな目的を与えることで、地域に新しい人の流れと笑顔を生み出す“希望の場所”に生まれ変わることを目指した。

秋野不矩美術館

二俣城跡

クローバー通り商店街 〈包商店〉

本田宗一郎の精神が息づく町「二俣」の魅力

〈152INN〉が誕生した浜松市天竜区二俣は、「ものづくりの町」としても知られている。世界のHONDA創業者・本田宗一郎氏が生まれたこの地では、今なおその精神が地域文化に息づいている。

施設周辺には、宗一郎氏の足跡を辿る「本田宗一郎ものづくり伝承館」をはじめ、二俣城跡、秋野不矩美術館など見どころが多数。また、アニメ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の舞台にもなった「天竜二俣駅」や、レトロとモダンが融合するクローバー通り商店街も、町歩きの楽しみを深めてくれる。

 地域とつながる「宿泊体験」へ

〈152INN〉では、単に宿泊するだけでなく、地域の人々や文化と自然に繫がる体験を大切にしている。ゆえに地元商店街や飲食店と連携し、宿泊者限定の「ライダー歓迎特典」や町歩きマップを展開予定。泊まることで、自然と地域と交わることができる“交流型の宿”を目指す。

中谷氏と西村氏

なお施設の企画・運営には、地域に根差した宿づくりで定評のある駅舎ホテル〈INN MY LIFE〉を手がけた中「山ノ舎」(代表・中谷明史)が参画。

空間デザインは、家具デザイナーであり、クローバー通り商店街の人気クラフトアイス店〈包商店〉オーナー西村紀彦氏が担当し、施工は空き家買取専科の物件を数多く手がけるZERO CANVASが担った。地元クリエイターたちによるチーム体制が、暖かくもユニークな空間を実現している。

 空き家から始まる「次の旅」、あなたが主人公に

〈152INN〉は、「空き家のその先」にある地域の未来を見据えたプロジェクト。
この宿に泊まり、愛車や仲間と語らい、地域とふれあいながら、自分自身の“新しい物語”を紡いでほしい 。そんな想いが込められている。次に生まれ変わるのは、もしかしたら、あなたの街の空き家かも知れない。

施設概要
名称:152INN(イチゴーニイン)
所在地:静岡県浜松市天竜区二俣町二俣1560-5
アクセス:天竜浜名湖鉄道「二俣本町駅」徒歩6分
駐車場:車1台分(バイク複数可)、近隣駐車場に駐車可
定員:最大10名(9名以上はお問合せください)
宿泊開始日:2025年5月1日〜
料金目安:1泊4名で38,000円前後(曜日・時期により変動)+清掃費10,000円
予約:公式サイト・今後Airbnb・Booking.comなどにて受付予定
許可番号:浜松市指令健浜第151号
運営:山ノ舎(やまのいえ)
企画:株式会社Sweets Investment(空き家買取専科)
公式サイト:https://152inn.com
宿泊に関する問い合わせ先:053-925-1721  山ノ舎(やまのいえ)

株式会社Sweets Investmentについて
株式会社Sweets Investmentは、静岡ガスグループの一員として、空き家問題解決に向けた再生事業「空き家買取専科」を展開している。静岡県の空き家を買取り、リノベーションをし、次世代へつなぐ不動産買取専門店です。売却が困難な空き家の新たな活用として宿泊事業をスタートさせた。

会社概要
社名:株式会社Sweets Investment
所在地:静岡県静岡市駿河区下川原6丁目26-14
代表取締役社長:玉木潤一郎
設立:2013年12月27日 (2024年10月29日 静岡ガスグループ 静岡ガスリビングに参画)
資本金:1000万円
従業員数:10名
事業内容:中古住宅の買取・再生・販売 / 分譲宅地の開発
TEL : 054-204-0850
WEBサイト:https://akiya-kaitori.jp/