ボッシュ、ソフトウェアとハードウェアの強みで次世代を牽引

独・ロバート・ボッシュGmbH傘下の日本法人、ボッシュ(本社:神奈川県横浜市都筑区、代表取締役社長:クリスチャン・メッカー)は、Japan Mobility Show 2025で「ソフトウェア ドリブン モビリティ(Software-driven Mobility)」をテーマに、ハードウェアからソフトウェアまで包括的なソリューションをブースで紹介していく。

代表取締役社長のクリスチャン・メッカー氏は、ボッシュがブースにて展示する、ソフトウェア主導で開発した最新技術から、それを実現するハードウェアまでの幅広いソリューションについて以下のように説明した。

「ボッシュは、ソフトウェアとハードウェアの双方に於いて、他に類を見ない専門性と経験を有しています。この強みを最大限に活かし、お客様のニーズにこたえ、引き続き未来のモビリティを形成していきます」

ボッシュはJapan Mobility Show 2025で、バイワイヤブレーキアクチュエータを日本で初めて一般公開。

同社は完全に電気信号だけでブレーキ動作を実現するバイワイヤシステムに加え、バイワイヤブレーキアクチュエータと横滑り防止装置ESCで構成する油圧式ブレーキバイワイヤシステムも開発している。

ブレーキ ペダルとブレーキシステム間の機械的な接続は不要で、ドライバーからのブレーキ要求は、冗長な電気信号線を介して、電子ブレーキペダルからバイワイヤブレーキアクチュエータと横滑り防止装置ESCに送信される。

万が一異常が発生した場合でも、バイワイヤブレーキアクチュエータと横滑り防止装置ESCはどちらもそれぞれ単独で、4つの車輪ブレーキすべてに必要なブレーキ圧を生成できる。

またドライバーのブレーキ要求を電子的に伝達するため、ハンドル位置が右でも左でも仕様変更が不要で、アクチュエータの搭載位置の自由度が上がり、車室内デザインに新たな可能性が生まれるという。

更に油圧式のブレーキバイワイヤシステムは、市場で実績のある技術に基づいているため、バイワイヤ化によるメリットを最大限に引き出しながら、信頼性が高く、軽量かつエネルギー効率が高いという特徴があるともいう。そんなボッシュのバイワイヤブレーキシステムは2026年初頭にアジアの自動車メーカーの量産車に搭載予定とした。

「ビークルモーションマネジメント」は、ブレーキ、ステアリング、パワートレイン、サスペンションなど、車両制御のためのさまざまなアクチュエータを統合制御する、包括的なソフトウェアソリューションだ。

同社では既にドライバーによる指示のもと、個人の好みや走行シーンに応じてパーソナライズ化された運転を可能にする技術として実現されている。

ボッシュでは、この技術をさらに発展させ、事業部間の連携を通じて顔認証でドライバーの好みの走りを自動認識し、ソフトウェアが自動的に最適な走行モードを設定する新機能の開発を進めてきた。

これは、高精度な顔認証技術とAIによる走行分析を使い、ドライバーの個人を特定。するとシステムがドライバーの過去の運転データや設定履歴、さらに走行中の行動パターンを認識して、ドライバーが意識することなく、その時々の気分や意図、そして継続的に学習された運転スタイルに合致した走行モードをクルマが自動的に提供できるようになる。

また同じ「ビークルモーションマネジメント」のソフトウェアでは、新機能の「イージーターンアシスト」も開発した。

これはUターンや急カーブなど車両が急旋回する際に内側のタイヤに軽くブレーキをかけ、モーターの力配分を調整することで、より小さな回転半径で曲がることを可能にするもの。

こり「イージーターンアシスト」機能により、ドライバーは容易な操縦が可能となり頻繁なハンドルの切り返しが不要となるため、狭い駐車場からのスムーズな発進などを実現する。

最後に同社は日本におけるボッシュの強みとして、ソフトウェア主導の開発と、それらを実現する高度なハードウェアの開発、そして製造能力にあるとした。

ボッシュは、2026年初頭より栃木工場で第10世代の横滑り防止装置ESCの生産を開始し、日本の自動車メーカーへの供給を順次進めていく予定。

それに先立ち、2025年10月には本製造ラインの導入が完了しており、現在は生産開始に向けて最終準備を進めている。

同社では最新のソフトウェアの開発と、それらを実現する高度なハードウェア開発、双方の強みを活かし、今後もソフトウェア ドリブン モビリティ時代をけん引していきたいと結んでいる。

 
 




 
 

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