日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、代表取締役社長:イヴァン エスピノーサ)は10月22日、「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」(一般公開日:2025年10月31日(金)~11月7日(金)、場所:東京ビッグサイト)の主催者プログラム「Tokyo Future Tour 2035」FUTURE CITY LIFEゾーンにプロトタイプモデルを出展する。
展示されるのは、軽EV「日産サクラ」に車載用電動スライド式ソーラーシステム「Ao-Solar Extender(あおぞら エクステンダー)」を搭載したモデルとなる。
「Ao-Solar Extender」は、日産が開発した電動スライド式のソーラーシステム。 同車は、車両保有ユーザーのEV充電に係る手間を減らすべく、年間最大約3,000km相当の走行に必要な電力を太陽光発電でまかなうことを目指すもの。
こりコンセプトモデルは、経営計画「Re:Nissan」の二つめの柱である“革新を通じて、顧客へ更に魅力的なソリューションを提供する”取り組みを加速させるという。
同社では、環境性能と利便性を両立する新たなモビリティの価値を提案し、軽EV市場における日産のリーダーシップを更に強化させていくと話している。
2025年4月段階で3年連続国内EV販売台数No.1を獲得した「日産サクラ」は、日常利用に最適な航続距離とEVのためガソリンスタンドに行く必要がなく、自宅充電か可能な点などが大きなアピールポイントとなるクルマだ。
そんな同車に「Ao-Solar Extender」を搭載することで、太陽光発電が可能となって、自動でEVのバッテリーに充電されまるようになる。
日産に於いて、サクラの利用方法を分析した結果、買い物や送迎など近距離利用が中心に利用するユーザーが多く、年間約3,000km相当の発電量があれば、外部からの充電がほぼ不要となるケースもあるとした。
これにより、自宅充電時の手間や充電費用の節約、容量不足によるブレーカー作動、充電忘れなどのストレスが大幅に低減する。また、「Ao-Solar Extender」は太陽光で発電するため、災害時の電源としても使うことができる。
走行中は車体の屋根に搭載されたメインパネルが最大約300Wの電力を生成し、停車時には収納されていた可動パネルが前方にスライドして展開、ソーラーパネルの表面積を拡張させることができる。
これにより、発電能力は合計約500Wに達っする。また、展開したソーラーパネルがフロントガラスに照射する太陽光を遮断することで駐停車時の車室内の温度上昇をおさえ、エアコンの消費電力の抑制に繫がる。
ソーラーパネルの格納時はサクラ本来のデザインと調和するフォルムになるよう腐心しており、空気抵抗を抑えると共にソーラーパネルの存在を感じさせない自然な外観を実現したと謳っている。
なお日産が用意した4ケースに於ける説明では、異なる天候下の白い日産サクラEVが描かれている。個別には晴天ではソーラーパネルを展開することで最大の充電量(500W)を確保。
強風の場合はメインパネルにゆる充電量、雨の日の場合の充電量、更に夜間ではパネルを閉じる様子(300W、80W、0W)が見て取れる。
最後に同車の開発プロジェクトは、2021年度の日産社内アイディアコンテストで最優秀賞を受賞した構想をもとに発足されたものだとしている。
「Ao-Solar」は日本語の「青空(あおぞら)」と「ソーラー」に由来し、太陽光活用を象徴するとともに、開放感や自然との調和を表現したものであると説明されている。