日本自動車輸入組合(JAIA)が2月5日に実施した「第39回 輸入車試乗会」にて、アウディのフラッグシップサルーン「A8」の最新モデルに試乗した。
フルモデルチェンジにより4代目となったA8。国内では2018年10月よりアウディジャパンから販売されている。試乗したのは、338kW(460ps)を発揮する4.0L V型8気筒直噴ツインターボの60 TFSIクアトロ(250kW/340ps の3.0ℓV型6気筒直噴ターボを搭載する55 TFSI クアトロもラインアップ)。ベルト駆動式オルタネータースターター (BAS) を採用した48Vマイルドハイブリッド(MHEV)ドライブシステムとの組み合わせで、2119kgもの車重ながら出足はとてもスムーズ。アクセル開度に応じて、高級サルーンらしい上質な加速感を味わえる。
同モデルには、55-160km/hの間でドライバーがアクセルを離しコースティング(惰性走行)をすると、エンジンが停止し燃費を向上させるシステムを採用するが、エンジン音が元々静かなためか、その切り替わりが分からないほど自然。再びアクセルを踏んだ時も、非常に静かにエンジンが始動するため、意識してエンジン音を聞かない限り分からないほどだ。
前後不等分トルク配分のクワトロ(フルタイム4WD)や、路面状況や速度に応じ適度な車高や減衰力特性を自動制御するアダプティブエアサスペンションを採用した足回りは、コーナーリング中にオーバーステアやアンダーステアなどの挙動が出にくく、安定した走りを実現する。
同モデルは、ドライブモードの切り替えが可能だが、モードを「コンフォート」に設定すると乗り心地自体は快適だが、タイトコーナーなどでは車体のロールがやや大きめな感じ。一方、モードを「ダイナミック」に切り替えると、同じ速度で曲がってもサスペンションがグッと踏ん張り車体が安定、路面からの突き上げ感もなく軽快な走りが楽しめる。
ちなみに、同モデルは多くのスイッチがタッチ式となっており、センターコンソールにあるドライブモードスイッチもワンタッチでモード切り替えが可能。スイッチの位置が身長165cmの筆者の体格ではやや遠く感じたが、これは慣れの問題かもしれない。
レーザースキャナーやミリ波レーダー、カメラセンサーなどを装備しレベル3の自動運転も可能(日本仕様は法規の問題で封印)、それらによる様々な運転支援システムなどが話題となった同モデルだが、アウディが持つ先端技術は走行性能にも十分生かされている。価格(税込)は60 TFSI クアトロで1510万円(55 TFSI クアトロは1140万円)。