ゲスタンプ、人とくるまのテクノロジー展で自社最新技術を紹介

安全で効率的なモビリティを実現する新構造製品群、Ges-Gigastamping®

金属自動車部品の設計・開発・製造に特化するGestamp(ゲスタンプ/本社:スペイン・マドリッド)は、5月21~23日に横浜で開催の自動車産業イベント「人とくるまのテクノロジー展 2025」にブース出展した。

同社ースでは、日本市場との深いリレーションシップの成果を示すと共に、車両の軽量化、構造性能の向上、生産プロセスの最適化を目指す自動車分野での最新の技術イノベーションや技術開発を紹介。「Ges-Gigastamping®」製品群や先進的な「Highpertube」シャーシソリューションを展示した。

より具体的には、独自の溶接技術「Ges-Wire®」と「G-Weld Overlap」を紹介。これは様々な板厚に対応し、部品軽量化、部品性能を向上させる最適なデザインを可能とするもの。

特に力を入れて紹介するのは、Gestampが掲げている戦略的3本柱に係るイノベーション、安全性、持続可能性が主たるキーワードだ。

Gestampは、自らのイノベーションを、より一層加速させることで、自動車の乗員の保護、排出量の削減、時間とコスト両面をにらみ、生産性を重視した製品の開発と製造を推し進めている。

例えばホットスタンプ技術と独自にカスタマイズした技術を組み合わせて業界をけん引してきた実績を背景に、より軽量で安全で効率的なソリューションを開発して、新たなモビリティ産業の課題に対応する。

それらを踏まえて自社ブースでは、複数の車体部品を1つのユニットに統合した「Ges-Gigastamping®」を提案。これは効率性の向上、材料の重量と厚さの低減、生産と組み立て工程の簡素化、全体的な安全性の強化を目的とした製品群となる。

この構成部品は、他のモジュールの組み立ての基礎となり、その構造は、各OEMの組み立てラインに合わせることができるもの。

この他にも、衝突性能を強化し、組み立てを簡素化する一体型フロアパネル「Ges-One Piece Floor」や、側面衝突時のエネルギー吸収を最大化し、変形を制御する「Wave Rocker」といった製品も提案した。

併せてシャーシの最新イノベーションも展示している。そのひとつとなる「Highpertube」シャーシは、高強度のチューブ状素材を使用した製品で、衝突時の車両安全性と性能を向上させると共に大幅な軽量化を可能にし、ハイドロフォーミングなどの最先端技術を用いて製造されており、最適な品質とコスト効率を実現されるという。

また軽量でありながら優れた耐久性を備えた高強度鋼製シャーシ部品の新型「Control Arm」も初披露した。これは効率的な設計により、最大15%のCO2排出削減が可能とし、持続可能なモビリティづくりに貢献する。

加えてGestampのグループ会社のEdscha Gestamp(エドシャゲスタンプ)が、EV用に開発したシステム「Active Frunk」も発表した。これは、ボンネットの自動開閉機能と歩行者保護システムを組み合わせた機構で、日本のメーカーの戦略的パートナーとしてのGestampの地位を強化するものだとした。

溶接技術では、溶接板厚の分布を最適化、構造の軽量化、部品性能の向上を目指して開発した独自のレーザー溶接技術「Ges-Wire®」が公開された。これらの技術は、部品点数の削減と組立時間の短縮が実現し、製造の効率化と競争力の向上に繋げられる。

特に「Ges-Wire®」では、専用のフィラーワイヤを使用することで、材料の被膜を除去することなく高品質な接合を実現でき、これにより耐久性が向上し、中間プロセスを最小に抑えられる。

更にパッチワークやオーバーラップパッチのブランクに用いられてきた従来のスポット溶接に取って代わる新技術となる「G-Weld Overlap」は、最大5倍の溶接速度を実現し、組み立てを簡素化、プロセスコストを削減できる。

これら同社のソリューション群は、持続可能性に対するGestampの強い意志を示すもの。Gestampは、生産工程の電動化、2030年までの再生可能エネルギー100%の使用、工場全体の継続的なエネルギー効率向上などの取り組みを通じて、2050年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成を目指しており、今後も、より効率的で、より環境に優しいモビリティの実現への寄与していきたい構えだ。