ゼロエネルギーで貸し切りバス冷やす「放射冷却素材」の実証開始

放射・冷却効果を持つ新素材ラディクール( Radi-Cool )の開発・製造を担うラディクールジャパン、そのラディクールの販売代理店の出光エナジーソリューションズ、ラディクール施工会社の城東安全硝子、西日本ジェイアールバスサービスの4社は今夏、全くのゼロエネルギーで貸し切りバスを冷やすべく、ラディクールを利用した貸切バスの運行実証を開始した。

これは西日本ジェイアールバスサービス所有の貸切バス車両7台の天井部分に、放射冷却素材のディクールを塗布することで、乗客のバス車内に於ける快適性を高めると共に、空調設備の消費エネルギー低減効果を探る実証実験を実施。今期・夏シーズン全体を通して、その効果と経済優位性を検証するというもの。

今回4社が、貸切バス7台を使う実証を行う背景には、近年、地球温暖化の影響により気温が上昇。特に夏季には暑熱対策が重要な課題となっていることがある。

近年の酷暑により、そもそも快適な車室内環境を維持するためには、どうしても従来の車載エアコン設備に依存せざるを得ず、その結果、多くのエネルギーを消費するというトレードオフを受け入れなければならない。

そこで放射冷却素材ラディクールの販売代理店の出光エナジーソリューションズは、エネルギー効率の向上と快適な室内環境の確保を同時に実現することを目指して、西日本ジェイアールバスサービスに実証協力を要請。

これにより、バス車内への放射冷却素材の施工を城東安全硝子が担い、今夏の実証環境が整った。

ちなみに放射冷却素材のラディクールは、2017年に米・コロラド大ボルダー校の研究チームにより、世界トップの科学誌「サイエンス」で、その技術が発表されたことで誕生した新技術だ。

近年では、日産自動車が「自動車用自己放射冷却塗装の実証実験」を実施。羽田空港に於いて2023年11月から1年間の実証実験を実施し、放熱評価を行っている。また同じ羽田空港では、2021年にプライベートジェットターミナルでの施工実績も持つ。

ラディクールは、日射を跳ね返すだけでなく、高い放熱技術を併せ持つため、日光があたる表面の蓄熱を防ぎ、なおかつ素材に吸収された熱を放射もしてくれることから、ゼロエネルギーで物体を冷やることができる製品となっている。

今夏、4社はラディクールの恒久的な絶対性能を確かめた後、バス業界を皮切りに製品導入を推し進めていく意向だという。また今夏・実施した結果を基に、更なる技術開発だけでなく、バス以外の領域への市場浸透を図っていく構えとしている。

ラディ クール ジャパン株式会社
代表者:代表取締役社長 何 軍
所在地:東京都中央区日本橋室町4-4-3 喜助日本橋室町ビル5F Nano Park
業種:Radi-Cool 放射冷却素材の開発・製造・販売
電話番号:03-3527-9551
資本金:1億円
URL:https://www.radi-cool.jp/
オンラインショップ:https://radi-cool.shop/