アウディにとって独自のバッテリー組立施設を持つ最初の工場に
Audi Q6 e-tronシリーズは、独アウディによると2023年の後半に生産が開始されて以来、インゴルシュタットのアウディ本社で大量生産されている初めての完全電動のモデルだとしている。
併せてアウディは2024年1月1日以降、インゴルシュタットの本社拠点でネットゼロ排出での生産を行っているモデルシリーズでもあるという。
そんな初めてのPPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)構想に基づく生産体制の重要性についてAUDI AGのゲルノート デルナーCEO(Gernot Döllner)は、「PPE、そしてそれを採用するAudi Q6 e-tronシリーズは、後続のアウディ電動モデルの基盤となります。
私たちは中期的にすべての主要セグメントで電動モデルを提供するべく、Audi Q6 e-tronシリーズの製造でその第一歩を踏み出したのです」と述べた。
これに続いてAUDI AGで生産およびロジスティクス担当取締役を務めるガード ウォーカー氏(Gerd Walker)は、「この取り組みは、私達にとって大変重要な節目と見なしています。
この先10年で、私たちはアウディのすべての拠点を、電動モビリティに向けて段階的に対応させていきます。私たちは電動化によって、既存の工場を包括的に変革しているのです。
Audi Q6 e-tronシリーズの生産により、インゴルシュタット工場は、全く新しい時代へ向かうステップを踏み出しています。我々アウディは将来の生産に対して、明確なビジョンを持っていのです。
この包括的で持続可能なアプローチの一環として、アウディは既存の工場を近代化、デジタル化し、変革しています。
Audi Q6 e-tronシリーズ、ならびにその拠点で製造されるすべての他の車両は、2024年以降、ネットゼロ排出で製造されています」とこれまでの歩みについて説明した。
新しいバッテリー組立施設における最先端の生産技術
更にウォーカー氏は、「PPEモデル用の新しいバッテリー組立施設は、アウディが既存のシステムをいかに近代化し拡張しているかの好事例となっています。
約30,000m²の敷地で、300人の従業員が3交代制で働き、PPEベースのモデル用の高電圧バッテリーを1日最大1,000個を組み立てているが、その自動化率は約90%に到達しています。
このようにして、私たちは製造の垂直統合範囲を広げると同時に、新たなスキルと技術をこの拠点にもたらしています。
この新しい施設は、インゴルシュタットの物流・貨物輸送センター(GVZ)にあるバッテリー組立専用のホールに位置しており、グリーン電力のみで稼働しています。
これによりアウディは新しい建物のために新たな土地を用意することなく、生産においてさらに高い柔軟性と効率性を実現することができます。
インゴルシュタットは、新しいPPEテクノロジープラットフォーム用の電動モーターを、ハンガリー・ジェールにある世界最大のパワートレイン工場から調達しています。
アウディ ハンガリーは、新たに設置された3本の生産ラインで、PPE用の電動モーターを製造しています。
これらのモーターは、その後、輸送・物流企業のDBカーゴ社によって、ゼロエミッションでインゴルシュタットへ輸送されます。
結果、我々は2020年以降、ジェールの拠点でネットゼロ排出で生産を行い、将来にわたって持続可能なカーボンフリー生産を続けており、それは未来へと向かう我々にとっては、不可欠な一歩でもあるのです」と結んでいる。