ニフコ(本社:神奈川県横須賀市、代表取締役社長:柴尾雅春)は4月21日 、ゴムパッキンなしで止水性能を持つパッキンレス・バンパーリテーナーを開発し、トヨタ自動車向けに量産を開始した。
気候変動が世界各地に大きな影響を与えている昨今、自動車業界でもカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に向けた取組みが進められており、自動車のリサイクル性向上もそのひとつ。
バンパーリテーナーとは、自動車のバンパーをボデーに取付けるための部品で、ニフコの製品は電動工具を使わず樹脂製ピンによってワンタッチ締結できることが特長。
従来は、ボデーとリテーナーの締結部(グロメット)との間にゴムパッキンを介在させて締結部からの水漏れを防止していたが、新開発したパッキンレス・バンパーリテーナーは、ゴムパッキンの代わりに、グロメットと一体成形の薄肉フランジによって止水性能を成立させた。
これにより、締結に使用する樹脂製ピンも含めた単一素材化(モノマテリアル化)が可能になり、リサイクル性が向上、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する。
また、ゴムパッキンの組付け工程が不要になることからリテーナー製造工程の省人化、自動化にも寄与する製品となる。なお同製品は、トヨタ自動車の新型 CROWN ESTATEなどに搭載される。
製品の特長は以下の通り
・締結部(グロメット)の四方を取囲むように配置されたボデー着座面により、狭小スペースでも安定してボデーに取付き、グロメットと一体成形の薄肉フランジによって止水性能を確保 ※特許出願中
・ピン押込み時のグロメットの引込み力を活用して薄肉フランジをたわませることで止水性能を安定化
・ゴムパッキン不要な構造により、リテーナー製造工数を削減し、製品コストを低減
・電動工具レスのボデー締結方式による易解体性の向上と、リユース可能な設計により製品の高寿命化を実現
・単一素材化(モノマテリアル化)によるマテリアルリサイクルの促進。ボデーの締結穴にグロメット部分を合わせ、ピンを押込んで締結する。
会社名:株式会社ニフコ
本社所在地:〒239-8560 神奈川県横須賀市光の丘5-3
設立:1967年2月13日
事業内容:エンジニアリングプラスチック製品(工業用ファスナー、精密成形製品)他
URL:https://www.nifco.com/