Synapticsと村田製作所、次世代自動車向け無線接続技術で提携

Synaptics® Incorporated(カリフォルニア州サンノゼ)と村田製作所は6月2日、ティア1自動車部品サプライヤーおよびOEM向けの次世代無線接続用ターンキーモジュールを共同開発するための提携を発表した。

この提携により、Synapticsの高集積RFフロントエンドを搭載したVeros™ Wi-FiおよびBluetoothコンボSoCが、村田製作所と共同で開発されるモジュールに設計統合していく。

こうして完成されたSynapticsの無線SoCは、パフォーマンス、システム設計コスト、低消費電力のバランスを最適化しつつ、自動車用途で求められる高温環境下でも、優れたスループットを維持する。

もとより、自動車市場向けのソリューションには、過酷な動作条件下での堅牢性、様々な環境下での相互運用性、そして長寿命が求められる厳しい条件がある。

それを受けてSynapticsは現在、数十年に亘るフィールドでの運用実績に基づいたテクノロジーとIoTコネクティビティの専門知識を集約したVerosポートフォリオを適用し、自動車メーカーに長期的なサポートを提供してきた。

今回のSynapticsのSYN4383 Wi-Fi 6EとSYN4384 Wi-Fi 7車載製品は、ピン互換で、ソフトウェアのアップグレードが可能であり、SYN4390はこのアプリケーションに高スループットのWi-Fi 7をもたらす。

そうしたなかで昨今の買収は、次世代の自動車技術革新の要件を満たすために、Wi-Fi 8を含むSynapticsの堅実なワイヤレスロードマップ構築を目指しているためだ。

Synaptics SYN4384
Triple Combo with Wi-Fi, Bluetooth/BLE, and IEEE 802.15.4 with extensive system BOM integration
System Block Diagram

今回の協業に際して、村田製作所で通信・センサ事業本部 通信モジュール事業部 事業部長を務める橋本 征朋氏は、「村田製作所は、次世代システムに最適な統合を実現する高性能かつ小型の無線モジュール設計を推進しています。

Synapticsは、当社と同様に高品質な製品とエンジニアリングへのこだわりを共有しており、Veros SoCと村田製作所のコンパクトで信頼性の高いモジュール設計の専門性を組み合わせ、自動車市場向けの革新的な無線モジュールを共同開発できることを嬉しく思います」と語った。

なおVeros Seamless Intelligent Connectivityは、Synapticsの実績ある無線ソリューションを網羅したポートフォリオで、性能、相互運用性、共存性、省電力性、部品表(BOM)最適化を目的とした各種機能を備えており、Verosは、SynapticsのAIネイティブIoTコンピューティングプラットフォームAstra™を標準サポートしている。