豊田通商、車載用電池部品製造の冨士発條へ出資契約

豊田通商(本社所在地:名古屋市中村区、代表取締役社長:貸谷 伊知郎)は5月16日、冨士発條の第三者割当増資を引き受け34%の株式を取得する出資契約を締結した。

これにより、冨士発條は6月30日をもって豊田通商の持分法適用会社となった(株式の譲り受けは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する独占禁止法に定める手続きの完了を前提条件とし、同手続きの完了後に実施予定)。

1.出資の背景
冨士発條は、主に精密部品や金型の設計・製造を行う。

特に車載用電池のセルケースおよびセルカバー(まずセルケースは車載用電池のセルを保護し外部環境からの影響を防ぐための外装部品。そしてセルカバーはセル開口部を密閉し内部構造を保護するもの)製造に於いて日本トップクラスのシェアを有する。

豊田通商は、車載用電池関連ビジネスを次世代に向けた成長の柱として位置づけており、両社は、2023 年 7 月に米国の現地法人を通じて、車載用電池セルケースおよびセルカバーの製造・販売を行う FUJIHATSU & TOYOTSU Battery Components, North Carolina LLC(以下:FTBC)を設立するなど、バッテリーの分野で協業を進めていることが出資へと進む契機となった。

2.出資の目的
今回の冨士発條への出資は、多様化する電動車のニーズに柔軟に対応し、電池サプライチェーンをより強固なものにしていくために、両社の連携を深めることを目的としている。

現在両社で進めている米国のFTBC事業では、製造体制の更なる強化と、車載用電池のニーズに応じた生産規模や製品ラインナップの拡大に対応していく。

加えて今後、日本国内でも豊田通商の商社としての機能を活かし、冨士発條の車載用電池部品の製造・調達・販売面での連携を深めていく構え。

将来的には、両社がFTBCや国内で培った製造ノウハウ・技術と、豊田通商のグローバルなネットワークを活かし、国内外の新たな地域への製造拠点の展開を目指していく。

また豊田通商は、冨士発條への出資を通じて、電動車の普及に不可欠なセルケースおよびセルカバーの安定供給に貢献すると共に、グローバルでの電池サプライチェーンの強靭化に貢献していく考えという。

————————————————————-

冨士発條 概要
会社名:冨士発條株式会社
所在地:兵庫県朝来市
設立:1960年2月
代表者:藤井 啓
事業内容:車載電池用セルケースおよびセルカバーの製造・販売

 

参考:FTBC 概要
会社名:
FUJIHATSU & TOYOTSU Battery Components, North Carolina LLC
(フジハツ・アンド・トヨツウ・バッテリー・コンポーネンツ・ノースカロライナ)
所在地:ノースカロライナ州グリーンズボロ
設立:2023年7月
代表者:段 則之
出資比率:
FUJIHATSU TECH AMERICA, INC.(フジハツ テック アメリカ)60%、
Toyota Tsusho America, Inc.(豊田通商アメリカ)40%
事業内容:車載電池用アルミセルケースおよびセルカバーの製造・販売

————————————————————-