ピレリ、ADIコンパッソ・ドーロ賞を獲得

現在、中国化工集団の傘下企業となっている伊・ピレリ(Pirelli & C. S.p.A.)の「P Zero E」が、権威ある工業デザイン賞の〝ADI国際コンパッソ・ドーロ賞〟を獲得した。この栄誉は、モビリティデザイン部門で初受賞を果たしたタイヤ製品ととなっているという。

なお授賞式は、今年で70周年を迎えるコンパッソ・ドーロ賞では、国外に於ける特別な舞台となった日本の〝2025年大阪万博( EXPO2025 OSAKA,KANSAI,JAPAN )〟で催された。

そんなコンパッソ・ドーロ賞は、イタリアンのデザインタイトルで最古かつ最も権威のある賞として先の通り1954年に誕生。その趣旨は、幅広い分野のイタリアン・インダストリアル・デザインに於ける優れた業績を称えることを目的としている。

その賞典として与えられるコンパッソ・ドーロの楯は、黄金の羅針盤(彫刻家が黄金比に基づいて調和のとれた比率を定義するために使用する道具)からインスピレーションを得てアルベ・シュタイナー(Albe Steiner)によって発案・作成されたもの。

賞典の運営は1959年にADI(工業デザイン協会)に委託され、以来、ADIはADI財団)(2001年設立)の活動を通じて歴史的コレクションを管理してきた。その後、イタリア文化遺産・活動省により同賞は政府の国家文化遺産の一部として認定されている。

そんな同賞を獲得したことについてピレリでエグゼクティブバイスプレジデント兼最高技術責任者を務めるピエロ・ミサーニ氏は、「この栄誉は、我々の製品の革新性を認め、称えて下さったものであり、今まさに進歩と持続可能性を推し進めようとしている当社にとって、モチベーションの源泉となるものです。

また今年のコンパッソ・ドーロ賞は、関西万博のテーマ〝いのちをつなぐ未来社会〟に着想を得ており、そうした趣旨は環境への影響を低減させていくことを目指している我々の想いを汲み取り、その考え方を、更に未来へと繋いでいくための新たな原動力となるものです。

そもそもP Zero Eは、特に高性能セグメント車をターゲットとするタイヤとして、これまでにない割合で天然素材とリサイクル素材を使用して設計・製造された世界初のタイヤです。

革新的な工業デザインと持続可能なイノベーションを融合させた存在として、当社にとっても業界にとっても、時代の転換点となった存在であると自負しており、そうしたなかでこの度得られた栄誉は、当社製品の革新性を選考委員から、お認め頂けた証となります。

製品としてのP Zero Eの概要をより具体的にご説明すると、リグニンなどを筆頭に55%を超えるバイオベースおよびリサイクル材料を使用し、濡れたアスファルトなどの厳しい条件でも性能と安全性を維持する世界初の超高性能タイヤとして2023年に発売されました。

そのプロダクトとしての絶対性能、効率、快適性の総合力は、ヨーロッパのタイヤ認証ラベルでウェットグリップ、転がり抵抗、ノイズの〝トリプルAスコア〟が証明しています。

そんな同タイヤは、電気自動車とプラグインハイブリッド車が持つ潜在能力を最大化できるように設計されており、パンク後でも走行を継続できるRunForwardタイヤテクノロジーなど、ピレリの最先端の独自技術も標準搭載しています。

これらの美点は、表面上は目に見えない能力でありますが、将来のタイヤ開発について新たな方向性を示唆するものとして2023年のAutomobile Club de France Awardsでも〝Tyre of the Year〟を獲得しています」と自社タイヤの先進性について詳しく説明した。

なお、そんなP Zero Eは、関西万博のイタリア館で展示された後、ミラノのADIデザインミュージアムの常設コレクションに収蔵される予定だ。

 
 




 
 

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