自動車サイバーセキュリティに於けるマイルストーンを確立
パナソニックASヨーロッパ( PASEU / Automotive & Industrial Solutions Europe GmbH、本社:ドイツ・ランゲン、社長:ウィルヘルム・スティーガー)は、ドイツのオートモーティブサプライヤーとして、初の自動車サイバーセキュリティー認証「ISO/SAE 21434」を取得した。
近年、車載システムのデジタル化とネットワーク化が急速に進むなか、クルマを狙ったサイバー攻撃のリスクが急激に高まっている。
実際、自動車との通信に使われるワイヤレスインターフェースには、攻撃者からの車載システムネットワークへのアクセスを安易に許してしまう危険性が潜んでおり、それは自動車の乗員だけでなく、更には道路利用者の全体の安全が脅かされる恐れがあるという。
そこでPASEUは、自動車領域に関わる全ての電気及び電子システムの安全性を、クルマのライフサイクル全域を通して保証するための国際規格「ISO/SAE 21434」を導入を進めた。
ちなみにこのISO/SAE 21434とは、自動車のCSMS(Cyber Security Management System)を構築するために必要な要求事項を定義した国際標準規格を指す。
更にCSMSとは、製品のライフサイクル(開発されてから廃棄されるまでの製品寿命を包括した領域)を通じて、自動車がにハッキングされてもサイバーセキュリティーが確保され続けられるようにするための仕組み(マネジメントシステム)を示している。
パナソニックにとっては、消費者がクルマを買い、それを長く利用している時も、サイバーセキュリティが確保されるような製品づくりをして、条件を満たしているものづくりをしていくという訳だ。そうでないと製品を半端する認可が与えられないことになる。
しかし自社事業を同規格に準拠させるにあたっては、包括的かつ個別の目的毎に、きめ細かく適合させる精緻な「サイバーセキュリティ管理システム」を正しく確認・構築していくことが求められる。
そこで今回PASEUは、この「ISO/SAE 21434」に準拠したサイバーセキュリティ管理システムの構築と、その検証にあたり、ドイツの国家認定機関DAkkS( Deutsche Akkreditierungsstelle )から認められた国際技術サービスプロバイダー「TÜV NorD ( テュフノルド / 本社:ハノーバー、 社長:Wolfgang Wielpütz)」の協力を仰ぎ、「ISO/SAE 21434」を取得した。
このTÜV NorDでグローバル・プロダクト・マネージャーを務めるChristian Woelk氏は、「事業活動をグローバルに展開する自動車業界では、DAkkS認証に対する需要は高まる一方です。
メーカーやサプライヤーの間では、最高レベルの統一基準が求められています。そうしたなかでDAkkS認証を取得する最初の企業として、我々がPASEUをサポートできたことは、とても光栄だったと思っています」と述べた。
対してPASEUのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)のHassan Haidar氏は、「この認証は、パナソニックがサイバーセキュリティ対策の新機軸へコミットメントするものであると同時に、自動車業界に於けるセキュリティ対策での事業の信頼確保を目指す道にスポットをあてるものとなります」と応えている。