ヘッドアップディスプレイの認知度を高め普及・拡大へ繋げる
車載計器などを手掛ける大手自動車部品メーカーの日本精機(本社:新潟県長岡市、代表取締役社長:佐藤浩一)は5月12日、昨年末に製品概要を発表した後付けヘッドアップディスプレイ(HTD)の 「LumieHUD(ルミエハッド)」 の正式発売日を5月23日(午前10時から)に決めた。
製品ブランド枠は予定通り、新BtoCブランドの「moado(モアド)」からの販売となる見込み
。
ちなみに昨年の時点では、公式ECサイトやカー用品店などを介して2025年2月下旬に2万2000円(税込)で発売するとしていたのだが、若干遅れての発売となった。但し価格も変わらず2万2000円(税込)。
当該製品について、昨年12月18日の新製品発表会で登壇した佐藤浩一社長は、後付けHUDについて「通常のHUDと同じく、運転者が前方を向いたまま必要な情報を認識できる。
従ってHUDが未搭載のクルマでも後から置くだけで手軽にHUDが体験できるため交通事故防止に役立つ」とし、「同製品の投入を通じてHUDの有効性を広く交通社会に浸透させたいと語っていた。
光学機器の技術ノウハウをシンプルな製品づくりへ結実
主なターゲットユーザーは、今の段階で使用車両にHUDを持たないユーザー層に加え、小型車や軽自動車を運転していて元々、HUDに関心が薄かった層にダライバー、なかでも特に女性層への浸透を図るとしていた。
製品サイズは、幅121ミリ、奥行き111ミリ、高さ113ミリというコンパクトサイズで、女性ユーザーを意識した丸みを帯びたデザインを採用している。
気になる光学構造は、表示器から出た光が補正鏡と呼ぶ凸面鏡で1回だけ反射させて、コンバイナと呼ぶ透明な部品上に精緻な虚像を投映させるもの。
HUD専業メーカーである同社の独自技術が活かせる光学系メカニズムを駆使しつつ、あえて専用設計としたことで小型軽量でも虚像の位置を運転者の視点から1500ミリの前行方向へ鮮明に投映できるのが大きな強みとなっている。
表示機能自体は、HUDに関心が薄かった層の認識度を高める狙いから、シンプルかつ直感的な車速表示だけに拘った。速度検知自体は製品に内蔵したGNSSで受信を担い、輝度は5段階で設定できる。
同製品は、前を見たままスピードが分かって安心、小さな車にもピッタリ手のひらサイズ、USBのみの簡単接続、速度表示の単機能だけとシンプルさに拘り抜いたつくりは、むしろ清々しさを感じられるものとなっている。