マツダ、北米戦略の頂点モデルとなる3列クロスオーバーSUV「CX-9」を世界初公開


マツダ株式会社(本社:広島県安芸郡府中町、社長:小飼雅道、以下、マツダ)は11月19日、ロサンゼルスオートショーにて、SKYACTIVシリーズ初のターボエンジンを搭載した新型3列ミッドサイズクロスオーバーSUV「マツダ CX-9」を世界初公開した。

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新型「CX-9」は、新世代技術「SKYACTIV技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を全面的に採用した新世代商品群のハイエンドモデルである。

年間約5万台のグローバル販売計画台数の約8割を北米市場が占める北米戦略モデルとして、2016年春より、北米から順次販売が開始される。

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同社によると、新型「CX-9」は、主に成熟したファミリー層を対象にしており、機能やスペックを超えた上質な心地よさを提供することで「人生のさまざまな側面を、スマートに輝かせる新しいクロスオーバーSUV像」を提案するという。

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よりプレミアムな世界観を追求した最新の「魂動」デザイン、上質さを高めた「人馬一体」の走り、優れた燃費性能、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」や新世代4WDシステム「i-ACTIV AWD」、使いやすく快適な室内空間などで、現代の家族のニーズに応えていく。

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また、パワートレインには新開発の2.5L直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」をマツダ車として初搭載する(後述)。

車両発表にあたって小飼 雅道(こがい・まさみち)代表取締役社長兼CEOは、「マツダはミッドサイズSUVセグメントへの新型CX-9の投入により、新世代商品のラインナップ強化を図り、北米における継続的な成長と更なる飛躍を目指してまいります。

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今後もマツダは、商品ラインナップ全体の進化に挑戦を続けていくとともに、マツダブランドのより一層の魅力向上に努め、お客さまとの特別な関係、強い絆を築いていきます」と語った。

新型「マツダ CX-9」に搭載する「SKYACTIV-G 2.5T」は、厚い中低速トルクと優れた実用燃費を両立するSKYACTIV-Gシリーズの最上位エンジンとして同社が位置付けているもの。

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搭載は2016年春の「マツダ CX-9」の北米販売車が皮切りとなる。SKYACTIVエンジンは、シリーズを通じ、カタログ上の数値だけでなく、実際の使用シーンで優れた動力性能と燃費性能を両立することを追求した。

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開発・搭載にあたってのポイントは、搭載車両の車格に応じた最適な排気量であること。また最もシンプルな構造でパワーユニットを提供することにあるという。

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「SKYACTIV-G 2.5T」は、同コンセプトに基づき、「SKYACTIV-G」シリーズ初のターボエンジンとして開発された。

アテンザなどに搭載されている自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.5」をベースに改良を加えることで、卓越したカタログ燃費・実用燃費とともに、新型「CX-9」の使用シーンの9割以上*1を占める中低速領域でのリニアで力強い加速感、ターボラグ*2のない良好な応答性を実現させていると同社では述べている。

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このために特に重要となる最大トルク値は、4LV8自然吸気ガソリンエンジン並みの310ft-lbを確保した。

従来型のターボエンジンには、「ターボラグに代表される低速領域での動力性能の悪化」と「実用燃費の悪化」という二つの問題点があったが、「SKYACTIV-G 2.5T」は、運転条件に応じて排気の脈動状態を変化させる世界初の機構を持った「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」と、理論空燃比領域*3を拡大する「クールドEGR」の活用などによって、これらの問題の克服を目指した。

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■「SKYACTIV-G 2.5T」の特長
– 高圧縮比
ボアサイズ89mmのレギュラーガソリン対応型直列4気筒ターボエンジンとして最高レベル*4の高圧縮比10.5を実現。

– ダイナミック・プレッシャー・ターボ
運転条件に合わせて排気の脈動状態を変化させる世界初の機能を持たせた。

1620rpm以下の低速域では、タービンの手前に設置したバルブを絞ることで、各排気ポートからの排気が互いに干渉することを抑制し、排気圧力の脈動を活用して高いタービン駆動力等を獲得する。

一方で、十分な排気エネルギーを得られる高速域では、バルブを開き、通常のターボと同様の脈動の少ない状態で稼働。タービンに流れ込む排気の流速や方向を調整する従来の可変ターボとは異なり、排気脈動の制御に着目した独自の新技術となる。

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– クールドEGR (Exhaust Gas Recirculation)
燃焼後の排気ガスの一部を取り出し、EGR クーラー後の低温不活性ガスとして再度吸気することで、燃焼温度を低減させてノッキングの発生を防止し、理論空燃比領域の拡大と点火タイミングの最適化によって燃費を改善する。

– SKYACTIV-Gの高効率燃焼の踏襲
ベースとなる自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.5」とボア、ストローク、ボアピッチなどの基本諸元およびインジェクターや燃料ポンプなどの燃料系部品を共通化して「SKYACTIV-G」の高効率燃焼を踏襲。ターボ化にもかかわらず軽量コンパクト化を実現している。

■「SKYACTIV-G 2.5T」の主要諸元(社内測定値)
直列4気筒2.5L直噴ガソリンターボエンジン
排気量: 2.488L
ボアxストローク: 89.0mm x 100.0 mm
圧縮比: 10.5
最高出力(ネット): 227HP〈169kW〉/5,000rpm*5
最大トルク(ネット): 310ft-lb〈420Nm〉/2,000rpm

*1 2015年11月時点、マツダによる計測値
*2 ターボエンジンにおいて、加速時にコンプレッサーが機能するまでの遅延時間
*3 混合気中の酸素と燃料が過不足なく反応する時の空気と燃料の割合で、ガソリンの場合は14.7
*4 2015年11月時点、マツダ調べ
*5 レギュラーガソリン(AKI 87)使用時。プレミアムガソリン(AKI 93)使用時は250HP〈186kW〉/5,000rpm