仏・ミシュランの2018年度上半期業績。純現金収支の安定確保を目指す


ミシュランの株式合資会社であるコンパニー・ジェネラル・デ・ゼタブリスマン・ミシュラン(CGEM、本社:フランス・クレルモン=フェラン市、取締役会長:ミシェル・ロリエ、CEO:ジャン=ドミニク・スナール)は仏時間の7月23日、2018年度(6月30日)の上半期業績を公開した。

その実績数値は以下の通りとなる。純利益は、6%増の9億1,700万ユーロ。通常業務による営業利益では、まず為替レートの変動影響除外が1億5,200万ユーロ。通常業務による営業利益は、都合11%増の13億2,700万ユーロとなった。

個別要素では、まず販売量が第2四半期に入って2.6%増となったものの、上半期全体では前年同期の数値との比較から横ばいとなっている。しかし個別には、鉱山・農業・建設機械用タイヤ市場は活況に支えられたことで好調に推移。特に特殊製品事業は持続的かつ力強い成長を示している。

この経緯でこの第2四半期は、18インチ以上の乗用車用タイヤ販売成長が加速(14%増)。これによって乗用車用・トラック用直需販売は市場に沿った順当な成長を見せている。

但しいずれの市場も、激しい市場内競争が続いていることから、今後も引き続き乗用車用・トラック用市販セグメントでは現状に甘んじず、あくまでも利益率に重点を置いた地に足をつけた経営を続けて行くと云う。

また価格ミックスの正味影響と原材料コストの影響は、今期に関して同社ブランドには有利な環境を創り出すことになって、この結果2億6,400万ユーロのプラス効果を得た。併せて先の通りの厳格な価格管理、18インチ以上の乗用車用タイヤの市場シェア拡大に加えて、特殊製品事業の非常も現在の安定した業績を支えている。

但し製品販売面の好調の一方、国際的な為替効果は事業成績に不利に働いた。この結果、事業収益上は合計で2億1,800万ユーロのマイナスとなった。

タイヤ以外の事業領域では、まず特殊製品事業としてのベルトコンベヤー事業Fennerに加えてカムソ買収プロジェクト。さらにハイテク素材(Fenner)及び市場アクセス(住友商事とのTBCジョイントベンチャー)上の戦略に関して比較的順調な成長を刻んでいる。

以上を踏まえ、買収考慮前のフリーキャッシュフローは、通年目標に沿ったマイナス7,900万ユーロで落ち着いた。これにより格付会社による評価では、2018年度に計画されている買収考慮後も同社グループの財務ポジションは堅調であることを確認しているとも云う。

上記を前提に最高経営責任者のジャン=ドミニク・スナール氏は、「全チームのコミットメントのおかげで、ミシュランは2018年上半期に新たな、よりお客様に寄り添う組織を展開しただけでなく、為替レート変動の影響を除外して1億5,200万ユーロの営業利益の改善という特筆すべき成果を上げました。

2018年は、Fennerの買収、住友商事との提携による大手北米卸売業者の設立、およびオフ・ザ・ロードモビリティのワールドリーダーを設立するカムソ買収プロジェクト等、グループの戦略展開を加速していきます」と述べている。

最後に今後の見通しについてスナール氏は、「下半期、市販市場は冬の気候状況にかかわらず、引き続き上昇トレンドになると予想されます。

直需市場のタイヤ需要は建設機械用セグメントでは引き続き好調が見込まれますが、乗用車用およびトラック用セグメントでは勢いを失うと思われます。鉱山用タイヤ販売も力強い成長が続くと見込まれています。

ミシュランは通年で、世界市場トレンドに沿った販売量の成長、2017年の数値を上回る通常業務による営業利益(為替レート変動の影響を除外した場合)、及び11億ユーロを超える構造的なフリーキャッシュフローという当社目標を確認しております」と結んでいる。