米GM、自車オーナーに個人間カーシェアの積極利用を促す


GM、カーシェアサービス「Maven(メイヴェン)」を拡大。オーナーにカーシェア(車両貸し出し)ビジネス参加を提案

米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)は2018年7月24日、GM車オーナーに向けて、自らが展開してきたカーシェアリングブランド「Maven(メイヴェン)」の利用を積極的に呼び掛けている。

GMは、今発表から遡ること2年以上前の2016年1月21日、アプリを通じた個人間での車両の貸し借りを可能にするピアツーピア(P2P)型カーシェアリング「メイヴェン」の展開を発表していた。

これは2016年以前にシカゴとニューヨークで展開していた「レジデンシャル」や、フランクフルトとベルリンで展開していた「ピアツーピア(P2P)」、大学構内で車両をレンタルできる「キャンパス」などの同社が試行していたカーシェアリングプログラムを統合したものだ。

当時のスタートした時点の利用料金は、小型車は1時間6ドル、中型車は8ドル、大型車は12ドルで、1日利用の場合は42ドル、56ドル、84ドルであった。

プログラム利用者は、スマートフォン向け専用アプリを使って事前に使用したい車種を検索・予約。その後に最寄りの駐車ステーションで予約した車をピックアップ。料金精算後に最寄りのステーションに車両を返却するという流れ。

2016年のサービス開始発表当時、GMのダン・アンマン社長は「全世界でカーシェアリングやライドシェアリング(相乗り)の利用者数は(2016年時点)、500万から600万人に達していますが、2020年までには2500万人以上に達するでしょう」と話していた。

ただそれから2年を経た現在時点に於いても利用可能な地域は、2016年9月から開始していたミシガン州アナーバーとデトロイトに加え、追って開始されたイリノイ州シカゴの3都市に限られる。

GMとしては今秋以降には、他の米国市場での展開を予定しているため、いずれは全米のGM車のオーナーは、自分の車をメイヴェンに登録して利益を得ることが可能になるとしている。

GMアーバンモビリティ並びにメイヴェンでバイス・プレジデントを務めるジュリア・スタイン氏は「メイヴェンはカーシェアリングプラットフォームを拡大し、GM車のオーナーと条件にあったGM車のリース契約者の個人間取引、ピアツーピアを可能にします。

現在カーオーナー様が所有する自動車は、ご自身が所有されているものの中で最も高額なもののひとつです。何もしないでいては、宝の持ち腐れ。今こそ、ご自身の自動車を活用するときです。この新しいピアツーピア方式を活用すれば、GM車のオーナー様は、自分が車両を使用していない時に、その車両で手間なく収入が得られます。

貸与の対象となる車両は、2015年型以降のシボレー、ビュイック、GMC、キャデラックの乗用車およびピックアップトラックです。

現段階は本稼働前のベータ版サービスを展開していますが、追って実行されるベータ版とメイヴェン公式アプリとの統合により、GM車のオーナーが提供するピアカー(Peer Cars)は、他のメイヴェンに登録されている車両と同様に、15万人を超える現行会員による利用が可能となります。

結果、GM車のオーナー様は、ウェブサイト上での自らの車両をアプリ上に登録することにより、メイヴェンのリストにご自身の車両を掲載できるようになります。

我々は2016年のサービス開始からこれまでに3億マイル(約470万km)以上の走行距離を実現させ、会員数15万人から18万件以上の予約を受け付けた経験から、カーシェアリングを成功させる要因は顧客の信用であると考えています。

従って利用車両を予約する際は、すべての車両にGMから100万ドルの保険契約が保証されています。また、すべての会員に対して、サービスの利用を許可するにあたり、徹底した審査が行われます。

また車両貸し出しを行われるGM車のオーナー様へのサポートは365日24時間利用可能としており、もしもの際はメイヴェン及び車載情報ネットワークシステム「OnStar」のトレーニングを受けたアドバイザーが対応します。

メイヴェンのチームは、今秋の米国の他の市場での展開拡大に向けて、今回のベータ版サービスから有益な情報を収集する予定です。

メイヴェンはカーシェアリングのために設計されたプラットフォームであって、需要の実績は証明されています。私たちはGM車のオーナー様の方々にこうしたニーズを利用して頂く切っ掛けとして、お手持ちの自動車をリストに掲載し、収入を得て頂く機会をご提案できることに大きな喜びを感じています」と結んでいる。