ストリートスポーツブレーキパッド追加設定。アテンザ(GJ)/CX-5、マイナーチェンジ後車用
マツダ車専門のチューニングパーツメーカーである株式会社オートエクゼ(本社:東京都中央区勝どき、代表:寺田陽次郎、以降、オートエクゼ・AutoExe)は、「ストリートスポーツブレーキパッド」の設定車種を拡大し、全国のマツダ販売会社、有名カー用品店、オートエクゼ商品取扱店などを通じて発売する。
この「ストリートスポーツブレーキパッド」の開発では、ストリートユースを前提に“意のままの減速”を具現化した。
つまり単に止まるためだけの性能ではなく、連続したブレーキング時の安定した効きと、減速の過程におけるコントロール性を重視した仕様としている。
開発においては、踏力や速度、温度などの諸条件により常に変化する摩擦係数(μ)の変化量や変化のさせ方に着目。スポーツ志向のドライバーが求める「μの過渡特性」により、感性にシンクロした“効き味”を目指した。
今回は特に、電動パーキングブレーキを採用する、アテンザ(GJ)とCX-5のマイナーチェンジ後車用を追加設定。新旧マツダ車に幅広く対応するラインナップを一層充実させた。
開発の狙いは「意のままの減速」にあった。そこでストリートベストの実現に向けて、AutoExeブレーキシステムでは、感性チューニングに拘っている。
具体的には、ブレーキの最終的な目的は止まることだとしても、走りを愉しむドライバーにとっては「減速」も重要な意味を持つからだ。特にコーナーの入り口で踏むブレーキは、まさに車体の姿勢をコントロールし、次の加速への準備が目的である。
そこで、まずはその機能を果たすブレーキパッドの構成部材に着目した。ブレーキパッドは、キャリパーに装着するための「バックプレート」とローターとの間に摩擦を生み出す「摩擦材」で構成される。
バックプレートは、ピストンの圧力に屈しない強度が求められ、摩擦材は効き味を担い様々な原材料を混ぜ配合させた複合材で成り立っている。
この際、効きは絶対要件であるから、味付けとして初期制動力やコントロール性、ダスト、鳴き、摩耗、攻撃性などの目標に向け、素材や配合率を変えて開発した。その際のテーマは、摩擦材の摩擦力の度合いにある「摩擦係数(μ)」のチューニングにある。
同一車両においては、概念的には、制動力は「ブレーキ圧力(踏力)×μ」の比例と考えることができるので、踏力が一定ならμが大きい方が効きへの優位性が高まり、μが一定なら制動力は踏力だけに比例するので、コントロール性が向上し人馬一体の運転感覚が得られる。
しかし、たちの悪いことにμは、踏力や速度、温度などの諸条件によって常に変化してしまう。
例えば、Rが異なるカーブが複合しているワインディングでは、2回、3回と連続したブレーキペダルの操作を強いられる。その都度、μが変化していては、コーナー毎にどのぐらい踏力を加えたらよいか?が予測出来ず、「意のままの減速」を楽しむことは出来ない。
これを踏まえ同社では、単にμの大小だけでなく、その変化の仕方をできるだけ少なくすることに着目した。
特に着目したのは、過酷なベンチテストによって摩擦材の変化度合(特性)にある。
上記A図は、開発テスト時の試験データで、▲は一回(走行状態→停止)あたりの制動試験で計測されたμの平均値、横軸が時間経過である。
試験は、新品状態のすり合わせ前のチェックから始まり、通常の使用過程に至るまで400回以上のデータを連続して収集。
新品の摩擦材は、熱フェードを起こすとμの特性が変化してしまうため、正確な判断ができない。このため2回の熱フェードを経て特性が安定した第3効力試験(赤色枠内)に注視した。
こうしたテストを重ねることで、新品から使い終わるまでの効き味の変化を抑える開発ができたと云う。
構成素材には、スチールや銅以外の原材料も選択した。配合率や粒子の結晶レベルでの大きさと組合せ方法にも工夫を凝らし、分子の結合を強めるためセラミック系の摩擦調整材も加えている。
また、組成安定化を図るために、原材料及び、製造過程での温度管理も徹底している。その効き味の代償として、万人向けにバランスを求める量産ブレーキパッドに比較するとダスト、ライフ、鳴きについては許容できるレベルまでマージンを削った仕様に割り切っている。
オートエクゼ:http://www.autoexe.co.jp/