T2、自動運転トラックで国内最長の約500キロ走破に初成功

自動運転トラックの運用・開発を担うT2(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:森本 成城)は6月13日、神奈川県綾瀬市から兵庫県神戸市までの高速道路区間を走破する実証( ドライバーが乗車するレベル2自動運転で実施。安全確保が必要な状況や料金所、工事区間などではドライバーが一時的に運転操作)に初めて成功した。

距離は約500キロに達し、レベル2自動運転トラックとして日本国内で最長(公開情報をもとにしたT2調べ/2025年6月時点)となる。

更に幹線輸送で必要となる拠点の開発を本格化させるため、神戸市との連携も開始した。

T2は、「2024年問題」を背景にした物流危機に対応するため、2025年7月からのレベル2自動運転トラックによる幹線輸送の事業化に向けて、現在、多様な業界をリードする企業各社との実証を推し進めてきた。

そうしたなかで事業化を目前に控える段階に於いて、各社との実証でこれまで区間や環境を絞り込んで検証してきた自動運転技術の拡張性を確かめるべく、6月上旬、神奈川県綾瀬市にある東名高速道路の綾瀬スマートICから兵庫県神戸市にある阪神高速道路の魚崎出入口まで、自動運転で走行する実証を独自に実施し、走破に初めて成功した。

神戸方面へ向かうT2のトラック

先の通りで実証距離は約500キロに達し、2024年12月に実施した駿河湾沼津SA(静岡県)から豊田東JCT(愛知県)までの約180キロの記録を大幅に更新した。

更に夜間から明け方という視認性が悪い条件のもと、該当区間での自動運転率は99%に達したという。

自動運転トラックの技術開発を巡って海外勢が先行する中、T2では、国内有数の人口を誇る神戸市までの走破は、日本でこの先、自動運転トラックを社会実装する過程で画期的な進展と位置付けているとした。

レベル2自動運転(ドライバー乗車の上、手放し)の様子

T2は、自動運転トラックによる幹線輸送を実現するため、これまで、GPSが利用できないトンネルをはじめ、坂道やカーブなど不安定な状況でも走行レーン内を安定して走らせる技術を確立すると共に、各社との実証における多種多様な積載物・重量に耐えうる自動運転走行の達成、夜間や悪天候でも周辺の車両を正確に検出する精度の向上に努めてきた。

この結果、これまでの累計走行距離は25年1月以来、6万キロを超えた。

また最近では、更なる技術開発にも挑戦している。周辺車両が次々と走る間を自律的に判断した上で安全に車線変更できるようにした他、勾配や急カーブが存在するJCTを通過する際でも走行レーンから車体がはみ出ることなく安定して車両姿勢を制御する技術も開発した。

T2メンバー(神戸市「ポーアイしおさい公園」にて)

T2は今後、2025年の事業化を経て、2027年にはレベル4(特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態)自動運転トラックによる幹線輸送の開始を目指しており、これに向けて必要となる先進技術の開発を果敢に進めていくとしている。

更に今回の機会に合わせて、T2は、神戸市との連携も開始した。神戸市が整備中の「(仮称)神戸複合産業団地南地区産業団地」付近の市有地を活用し、自動運転トラックによる幹線輸送の実証で必要となる自動運転と有人運転の切り替えや車両の整備などにあたる拠点の開発を本格化させていくという。

なお今回の連携開始について、神戸市都市局は、「神⼾市ではSDGsの推進に向け、持続可能なスマート産業団地の整備に取り組んでいます。

自動運転トラックの幹線輸送サービスは、ドライバー不足などの物流課題の解決のみならず、温室効果ガスの排出抑制などにも寄与することから、神戸市としても高い関心を持っており、本連携を通じて、神戸市内における実証や西日本に於ける幹線輸送サービス実装に向けた取り組みが進むことを期待しています」とコメントした。

「(仮称)神戸複合産業団地南地区産業団地」のイメージ

「(仮称)神戸複合産業団地南地区産業団地」の予定地(地図はGoogleマップ*⁶より)

株式会社T2
本社所在地:東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 日比谷国際ビル1階
代表者:代表取締役 CEO 森本 成城
設立日:2022年8月30日
事業内容:自動運転システムの開発、レベル4 自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業、幹線輸送に付随した関連サービス事業、その他関連サービス事業
企業サイト:https://t2.auto/
公式X:https://x.com/t2_auto