ロンビー、スズキと共に「7NOW」自動ロボ配送の実証開始

「セブンNOW」が自動走行ロボで届く時代がやってくる

東京都品川区でラストワンマイルを担う自動配送ロボットの開発を手掛けるLOMBY( ロンビー )は5月19日、セブン – イレブン・ジャパン並びにスズキと協業し、お馴染みの商品配送サービス『7NOW』で、自動走行ロボットを使用した配送実証を本格始動させた。

より具体的には、東京都八王子市の南大沢エリアを実証の舞台に据えて、『7NOW』を介して注文を受けた商品を、屋外型の自動走行ロボット〝LOMBY〟で届ける実証実験を開始した。

なお今実験では、あえて配送先地点を指定せず、対象のセブン – イレブン2店舗を中心とした南大沢エリア全域の個人宅( 集合住宅の場合はエントランス周辺 )まで配送する。

従って、国内に於ける屋外型の自動走行ロボットを使った配送実証としては、配送可能エリアも、対象戶数も、LOMBY社の調べでは、過去最大規模になるという。

実証地域の協力も得て、丁寧な実証実験を重ねていく構え

この自動配送実証は、少子高齢化や将来的な配送員不足など様々な社会課題を背景に、買い物が難しいエリアや対象者、配送が困難な環境下に於ける顧客サービス実現の一方策として、自動走行が可能なロボットによる配送を検討するものとしている。

なお将来に於いて有効かつ、当たり前で、ごく実用的な配送手段として確立させるべく、セブン – イレブン店舗の約3,000アイテムを配送できる 『7NOW』との密接な連携。信号や横断歩道等も自動認識して配送できる実力を持たせている。

併せてスズキの電動車いすの開発から生まれた電動モビリティベースユニット(台車)を活用した安全安心な走行についても、丁寧に最終確認していく予定としている。

また、そもそも南大沢エリアは、丘陵地の多摩ニュータウンに位置するために階段や坂道が多く、また入居開始から40年以上が経過していることから地域の高齢化も進んでいる。

そこで今実証実験の実施にあたっては、南大沢スマートシティ協議会の協力も仰ぎ、地域顧客が心から望み、期待する利便性の高いサービスの実現と、買い物に伴う移動時の負担軽減に繋げていきたい考えだともいう。

スズキの開発技術とロンビーについては以下の通り

なお今実証は、顧客本位のサービス実証であるため、顧客側がロボットでの配送を希望しない。もしくは混雑等でロボットでの配送ができない場合などは、配送業者へ迅速にマッチング依頼が入り、通常配送に切り替わるなどの配慮も尽くしていく。

最後に先の説明通りで、電動モビリティベースユニットは、スズキがこれまで培ってきた電動車いすの技術を応用した電動台車となっている。

ゆえに、この台車を足回りとして、パートナーとなる多様な企業がAIなどを駆使して取り込むことで、多種多様な分野の課題解決を、様々なパートナーと共に目指していきたいとも話している。

またLOMBYは、先の2022年4月に設立された自動配送ロボットの開発・提供・サービス運用を手掛けるスタート アップ企業。平素より鋭意、配送ラストマイル領域に於ける課題解決に取り組んできた。

そんなスズキとLOMBYの両社は、2022年から、スズキの電動車いすの技術を活用した自動配送ロボットの可能性について検討を開始。翌2023年に共同開発契約を締結した。

今回に至るプロジェクトに於いてスズキは、電動モビリティベースユニットの設計・開発を担当。対してLOMBYは自動配送ロボットの 試作、配送システムの開発、実証実験等を行ってきた。

そんなLOMBYの研究開発に係る取り組みは、NEDO( 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 )の助成事業「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」の支援を受けて開発を進めてきたもの。

また都内での検証では、東京都スタートアップ社会実装促進事業( PoC Ground Tokyo )として運用コストの検証なども重ねてきている。今後・両社は、いよいよ自動配送ロボットの量産に向けて、NEDOディープテック・スタートアップ支援事業の支援を受け、更なる研究開発を進めていくことになると結んでいる。