日本ゼオン、植物原料由来の原料製造プロセス研究開発棟を新設

日本ゼオン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:豊嶋 哲也 )は6月9日、ゼオンケミカルズ米沢(山形県米沢市、代表取締役:渡邉 和紀)敷地内に、植物原料由来の原料製造プロセス開発を行う研究棟を新設した。

同設備では、合成ゴムの主原料であるブタジエンやイソプレンを植物原料から直接生産するバイオ技術の開発を推進し、資源循環型社会の実現を目指す。

ゼオンでは、中期経営計画 STAGE30 の全社戦略1に「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」を掲げ、2030年に全グループに於けるCO2排出量を2020年度比で42%削減することを目標値に設定している。

今回、化学反応やバイオ発酵のプロセス開発をまとめて行える研究設備を整備し、原料転換に主眼を置いたものづくりを進めることで循環型社会の実現を目指す。

この取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/CO2 等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」事業(ゼオンと横浜ゴム株式会社(代表取締役会長兼 CEO:山石 昌孝/以下、横浜ゴム)が実施) の一環。

上記グリーンイノベーション基金事業は、「2050 年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国が掲げた目標の達成に向け、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの加速を目指し、経済産業省により設置された制度。

この目標に経営課題として取り組む企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援するもの。

ゼオンと横浜ゴムは、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人東京科学大学(旧国立大学法人東京工業大学)、および国立研究開発法人理化学研究所の協力の下、2 つのテーマに取り組んでおり、今回の取り組みはその内の「植物原料からのバイオブタジエン・イソプレン製造技術の開発」に基づくものとしている。参考:https://www.zeon.co.jp/news/assets/pdf/220221.pdf

ゼオンは、当該施設で研究開発を加速させることにより、2034年に植物原料からブタジエンとイソプレンを直接生産するバイオ技術の事業化を目指す。なお、本施設は山形県企業立地促進補助金の助成対象として認定を受け、山形県より建設費の一部補助を受けている。

研究棟概要
1.施設概要 建屋延床面積:590.34 ㎡(2 階建)
2.所 在 地 〒992-1128 山形県米沢市八幡原 3-446-13(ゼオンケミカルズ米沢内)
3.竣 工 2025 年 5 月 23 日
4.主要設備 実験室、事務室・会議室等