NTN株式会社(本社:大阪府大阪市西区、代表取締役社長: 大久保 博司、以下、NTN)は、先の2017年5月24日(水)から26日(金)までの期間、横浜市西区みなとみらい地区・パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2017」に於いて『New Technology Transforms the Next ~世界をなめらかにする仕事~』をテーマに出展した。
来る2018年に創業100周年を迎える同社が、今回、展示した製品群は、電動モータ・アクチュエータシリーズをはじめとした自動運転や、昨今の低燃費化に対応する電動モジュール製品。
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そして自動車の高出力化に伴う負荷の増加や、軽量化されたハウジングの剛性低下に伴う偏荷重の増加など、近年過酷さを増すトランスミッション&デファレンシャルの動力伝達部に利活用される「自動車用ULTAGE円すいころ軸受」が初出展となったほか、「リア用軽量ドライブシャフト」。
さらに「EV・HEV駆動用モータ向けグリース潤滑高速深溝玉軸受」、「ISG搭載エンジン用可変ダンパ式オートテンショナ」など多彩な独自製品の展示を行った。
会期中は、9万人を超える来場者の多くが同社のブースを訪問し、自動車のなめらかな走りを支える次世代技術に注目した。
なお大阪に本社を置く精密機器メーカーである同社は、特にベアリング製品で世界トップクラスのシェアを配しており、その技術を活かしたハブベアリングは世界シェア第1位、等速ジョイントは2位を誇っていると云う。
そうしたなか同関連製品では、独自形状の超低フリクションシールを採用することで、従来の接触タイプシールより回転トルクを80%低減した最新のトランスミッション用「超低フリクションシール付玉軸受」が出展されていた。
近年、こうしたトランスミッション用の軸受では、自動車の省燃費化に伴い、長寿命に加え、さらなる低トルク化が求められている。
また併せて、トランスミッション内に発生するギアの摩耗粉など、硬質異物の軸受侵入による軸受寿命の低下を抑制するため、従来一般的だった接触タイプシールでは、シール部が軸受内輪に接触することで、回転時に引き摺りトルクが発生するという課題があった。
さらに近年のEVやHEVといった高速回転が必要とされる用途においては、シール部の周速限界の制約により、接触タイプシールの適用はそもそも困難でもあった。
そこで同社は、シールリップのすべり接触部に円弧状(半円筒状)の微小突起を、等間隔に設けた新開発の接触タイプシールを採用することで、回転トルクを従来品比で80%低減し、同製品で非接触タイプシールに匹敵する低トルク効果を実現した。
回転時には、微小突起によるくさび膜効果によって、シールと内輪の摺動面の間に油膜が形成され、接触タイプシールでありながら、シールの引き摺りトルクを大幅に低減する。
加えてシールリップの突起は微小なため、潤滑油を通しても軸受に有害な硬質異物の侵入は防ぐことができ、軸受寿命も確保していると云う。
最後に同社は、「パラレルリンク型高速角度制御装置」技術に加え、独自設計のアーム部を加えた自社開発の産業用ロボットも参考出品として出展。こちらも多くの来場者の注目を集めた。
なお同社製品は、今年6月28~30日に開催される「人とくるまのテクノロジー展 名古屋」(名古屋市・ポートメッセ名古屋)にも出展される予定だ(建石 修)。