ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市、社長:柳弘之、以下、ヤマハ発動機)は6月9日、 1,297 cm3の水冷・直列 4気筒エンジンを搭載し、長距離ツアラー性能とスポーツ性を兼ね備えた「 FJR1300AS」および「 FJR1300A」を発表し、7月25日より発売する。
「 FJR1300AS」「 FJR1300A」は、ベテランライダーが “よりダイナミックに走りを楽しむためのパートナーとしての熟成 ”をポイントに開発した車両。
6速トランスミッション採用の他、ヘッドランプやテールランプまわりのデザイン一新し、より楽しく、より快適に走りを楽しむための新装備を織り込んだと云う。
新たな特徴は、 1) 6速トランスミッション、 2) A&Sクラッチ ※1、 3)立体感あるフロントビューと LEDヘッドランプ、4)コーナリングランプ ※2、5)新デザインマルチファンクションメーターなど。
なお、「 FJR1300AS」は、標準モデル「 FJR1300A」をベースに、クラッチ操作なしでシフトチェンジが可能な YCC-S(ヤマハ電子制御シフト)と、電動調整サスペンションなどを採用した上級モデルとなる。
【主な変更点】
1)セパレートドッグ構造、ヘリカルギア採用の6速トランスミッション
快適な高速巡航性のために、6速トランスミッションを新たに採用した。これは現行の5速にプラスした6速ではなく、ギア毎に効率よく駆動力を引き出すギアレシオを設定。全域での滑らかな繋がり感を支える。
このトランスミッションでは、同社のモーターサイクル初となるセパレートドッグ構造を採用。
ギアとドッグを別体として、ギアの噛み合い姿勢を高精度で維持する。さらに、各ギアは従来のスパーギア(平歯車)に替えてヘリカルギア(斜歯車)を採用。
平歯車に比べて噛合い率を十分に確保できることからコンパクト化が可能となった。これらの特徴により、現行サイズを維持しながら6速化を実現している。また、6速化による部品増にもかかわらず軽量化も図った。
2)A&Sクラッチの採用(「FJR1300A」のみ)
より快適なシフト操作を実現するため、アシストカムとスリッパーカムの2種のカムを設けた A&S(アシスト&スリッパー)クラッチを採用した。
これによりクラッチレバーの操作荷重を低減すると共に、減速時の穏やかな車体挙動により市街地での軽快な走りに貢献している。
3)一体感ある新デザインフロントビューと新型2眼ヘッドランプとフル LED照明
カウル及びヘッドランプのアウターレンズの形状は継承しつつ、ヘッドランプのデザインを一新した。
「FJR1300AS」と「FJR1300A」では、それぞれ異なるデザインアプローチにより、個性化を図った。
新型2眼ヘッドランプは、片眼内にハイビーム・ロービームをそれぞれ受け持つ LEDがあり、ロービームでは外側2灯、ハイビームでは内側2灯が追加点灯する。
またリアコンビネーションランプ、ライセンスランプ、ポジションランプにもLEDを採用し、先進性と高級感を演出した。
4)夜間のコーナーでライダー負担軽減を図るコーナリングランプ(「FJR1300AS」のみ)
ヤマハ初のコーナリングランプ(LED)を採用した。走行中、バンク角に応じて、イン側前方を照射する“コーナリングランプ”が順次自動点灯し、照射エリアを広げることで、夜間走行でのライダーの負担軽減を図る。
バンク角の検出は、搭載の「IMU」(Inertial Measurement Unit)の高速演算処理で行い、CAN通信による「コーナリングランプコントロールユニット」で作動する仕組み。
ロービーム、ハイビームいずれの場合も、浅いバンク角ではイン側のコーナリングランプの 1個が点灯、バンクが深くなるにつれて 2個目、3個目が追加点灯する。
5)新デザインのマルチファンクションメーター
3連独立マルチファンクションメーターは、ガンメタの枠で囲むデザインとして、落ち着いた高級感を一層際立たせた。
またメーターアッパーケース表面は低反射化処理を施した。タコメーター盤面には Rシリーズ系を思わせるスポーティーな新作の専用フォントを採用。
デジタル表示メーター液晶もアップデートし、液晶バー表示の燃料計はブロックバータイプに変更、見易い表示とした。
「FJR1300AS」「FJR1300A」主要仕様諸元【FJR1300A】