日産のローランド、東京E-Prix第9戦で今シーズン4勝目

ABB FIAフォーミュラE世界選手権2024/25・東京ラウンド第9戦の決勝が5月18日、東京・江東区の東京ビッグサイトの特設コースで行われ、日産のオリバー・ローランド選手が勝利を収め、日産の母国開催に華を添えた。

ちなみにローランド選手は、昨年のフォーミュラE東京大会を含む日本での3レースで通してポールポジション3回、表彰台2回の実績を持っていたが、遂に母国レースで優勝を果たした。

なお今季のローランド選手の勝利数は、この第9戦を含めると通算4勝目。ランキング暫定トップの地位を保ったまま、次回ラウンドの上海に向かう。

そんなローランド選手は、予選で獲得したポールポジションを活かし、スタートで勢い良く飛び出したのだが、昨年度チャンピオンのパスカル・ウェーレイン選手(ダグ ホイヤー ポルシェ)からプレッシャーを受けて守勢に回る走りとなった。

この間、テイラーバーナード選手(ネオム マクラーレン)、アントニオ フェリックス ダ コスタ選手(ダグ ホイヤー ポルシェ)、ジェイク ヒューズ選手(マセラティMSG)、ダン ティクトゥム選手(キロ レース Co)がコース上で鍔迫り合いを繰り広げ、迎えた8周目のターン1でティクトゥム選手がリードポジションを奪う。

これにウェーレイン選手が続き3位に浮上。ローランド選手は4位に後退するというシーソーゲームを繰り返された。

12周目には、マヒンドラ レーシングのニック・デ・フリース選手がクラッシュしてフルコースイエローに。

フルコースイエローが空けた直後に、ティクトゥム選手が猛ダッシュ。これにウェーレイン選手、バーナード選手、ローランド選手、エドアルド モルタラ選手(マヒンドラ レーシング)、ルーカス ディ グラッシ選手(ローラ ヤマハ)、ノーマン・ナト選手(日産)、バード選手、ジャン エリック ベルニュ選手(DSペンスキー)、ヒューズ選手が続いた。

続く17周目のターン15で、ウェーレイン選手がティクタム選手を抜いてトップに立つ。この時、ローランド選手は初のアタックモード始動させたのだが展開は芳しくなく、チャンスを活かせずに終わり、一時期6位に後退した。

対してスタート時点で後方(グリッド13番手)にいたキャシディ選手はアタックモードを上手く活かし18周目5位に浮上。

次にアタックモードを活かしたジェイク デニス選手(アンドレッティ フォーミュラE)で、5位・4位と順位を上げることに成功した。レースも佳境となる終盤の22周目、ローランド選手は50kWブーストを僅か1分弱だけ発揮させて2位に浮上。

そして迎えたレース終盤、更にローランド選手は残された最後の数秒間だけ使えるブーストのチャンスを活かし、自分の前を走っていた現チャンピオンのパスカル・ウェーレイン選手をかわしてトップに立つ。この際、当のウェーレイン選手は、自車のエネルギーロスもあり2位に甘んじざるを得ない状況に陥る。

しかもその直後のターン3で、モルタラ選手がバーナード選手の進路を妨害した形となりセーフティカーが発動。そのセーフティカーがピットに戻ったのは残り1周。最終周にローランド選手は、後続に首位を譲ることなくゴールラインを潜った。

ウェーレイン選手に続き、ティクトゥム選手が3位。デニス選手 がスタート時のグリッド 14 位から順位を上げて4位。

ローラ・ヤマハABTのルーカス・ディ・グラッシ選手は予選での好成績を活かして5位でフィニッシュ。ベルニュ選手はトップ6入りを果たした。

2024/25シーズンABB FIAフォーミュラE世界選手権は、ようやく折り返し地点を迎えたが、ローランド選手は、さらなる活躍を見据えている。

現在、彼は161ポイントを獲得し、ウェーレイン選手の84ポイントを大きく上回っている。これは、折り返し地点時点でフォーミュラE史上最大のチャンピオンシップリードとなっている。

次回のフォーミュラEは5月31日と6月1日に中国上海でダブルヘッダーを開催。日産はチームおよびメーカーの世界選手権の両方でポルシェをリードしている。