ジュネーブモーターショー(3月)でフォーミュラEのカラーリングを発表
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)及びニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(本社:神奈川県横浜市鶴見区、社長:片桐 隆夫)は2月12日、EVモータースポーツ「フォーミュラE」へのデビューやSUPER GTの体制変更など、日産/ニスモの2018年モータースポーツ活動を発表した。
以下は各体制の概要となる。
1. フォーミュラE選手権
日産は、日系自動車メーカーとして初めて、2018年12月ごろから開幕するシーズン5から「ABB FIA フォーミュラE選手権」にデビューする。
3月に行われるジュネーブモーターショーで車両のカラーリングを公開し、ドライバーやチーム体制などの詳細については今年後半に発表する予定となっている。
シーズン5以降、同選手権では、新たなシャシーとバッテリーのコンビネーション、そして新規に公認されるパワートレインを使うことになるため、これまでのようなレース中の車両の乗り換えはなくなる。
電気自動車(EV)技術のグローバルリーダーである日産の参戦は、同選手権の新たな技術規則導入のタイミングと重なる。
また、クルマがエネルギーをどのように使い、どのように走り、そして社会とどのようにつながっていくのかを変えていこうとする日産のアプローチ、『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』を高いパフォーマンスで表現していきたいとしている。
SUPER GT GT500クラスのチャンピオン奪還を狙い、チーム及びドライバー体制を強化
2. SUPER GT GT500
日産/ニスモは、SUPER GT GT500クラスのシリーズチャンピオン奪還を狙って、日産系チーム体制及びドライバーラインアップの強化を行った。
具体的には、NISMO、TEAM IMPUL、KONDO RACINGに加え、NDDP RACING with B-MAXがGT500クラスに参戦を開始する。
これを踏まえドライバー体制は、どのチームもチャンピオン争いができるよう、布陣を見直した。
2014年、2015年と2年連続でシリーズチャンピオンを獲得し、2017年はわずか2ポイント差で2位となったNISMOは、松田次生とロニー・クインタレッリに再び日産のエース車両である23号車を託す。
また、GT500クラスに新規参戦するNDDP RACING with B-MAXには、コンビを組んで3年目となるベテランの本山哲と千代勝正を配した。
TEAM IMPULには今季、佐々木大樹が移籍し、GTアカデミー卒業生でIMPUL2年目のヤン・マーデンボローと共に戦う。
KONDO RACINGは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが、昨年全日本F3選手権でチャンピオンを獲得しGT300クラスからステップアップした高星明誠と組んで、更なる上位進出を狙っていく。
最後に日産系チームの総監督は、ニスモ常務執行役員の田中利和が引き続き務めていく。
No:23
チーム:NISMO
監督:鈴木豊
ドライバー:松田次生/ロニー・クインタレッリ
車両名:MOTUL AUTECH GT-R
タイヤメーカー:ミシュラン
No:3
チーム:NDDP RACING with B-MAX
監督:長谷見昌弘
ドライバー:本山哲/千代勝正
車両名:CRAFTSPORTS MOTUL GT-R
タイヤメーカー:ミシュラン
No:12
チーム:TEAM IMPUL
監督:星野一義
ドライバー:佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー
車両名:カルソニック IMPUL GT-R
タイヤメーカー:ブリヂストン
No:24
チーム:KONDO RACING
監督:近藤真彦
ドライバー:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠
車両名:フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R
タイヤメーカー:ヨコハマ
また、車両規則が変わって2年目となる2018年型NISSAN GT-R NISMO GT500は、以下のような進化を遂げた。
車両中央部の空気の流れの最適化をはじめ、更なる空力性能向上
エンジンの更なる出力と耐久性向上を図ると共に、ドライバビリティを向上させた。
性能向上した空力及びエンジンを中心に、変更可能な部位は全て見直してトータルで車両性能を引き出すように最適化した。
さらにシーズンオフテスト初期から新部品を投入して鍛え上げ、4台のNISSAN GT-R NISMO GT500が4月に岡山で行われる開幕戦からトップ争いできる車両を目指す。
競争力を高めたGT-R GT3エボルーションモデル(2018年型)を供給開始
3.カスタマーレーシングプログラム
1)カスタマーレーシング – GT3 プログラム
NISSAN GT-R NISMO GT3は、SUPER GT GT300クラスやブランパン耐久シリーズでチャンピオンを獲得するなど、グローバルなレースシーンで活躍してきた。
同車は、日本、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、中国など、FIA GT3規定車によるレースシリーズに出場し、オーストラリアのバサースト12時間レースでも優勝している。
– 2018年モデルでの参戦
今シーズン、日産/ニスモはGT3オフィシャルパートナーチームであるGAINERとKCMGに進化した2018年型NISSAN GT-R NISMO GT3をそれぞれ2台ずつ供給する。
GAINERは、SUPER GT GT300クラスに参戦し、11号車(GAINER TANAX GT-R)は平中克幸/安田裕信、10号車(GAINER TANAX triple a GT-R)は星野一樹/吉田広樹がドライバーを務める。
また、KCMGは、2台の2018年型NISSAN GT-R NISMO GT3でブランパンGTアジアシリーズに参戦する。
– 2015年モデルでの参戦
2015年型NISSAN GT-R NISMO GT3で、DIJON RacingとTOMEI SPORTSがSUPER GT GT300クラスに参戦する。
スーパー耐久シリーズST-Xクラスには、KONDO RACING、ENDLESS SPORTS、GTNET MOTOR SPORTSから、計3台のNISSAN GT-R NISMO GT3(2015年型)が出場する。
さらにモータースポーツ活動を通じて人材育成を図るプログラムを立ち上げた日産自動車大学校は、引き続きKONDO RACINGとともに「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」でST-Xクラスに参戦し、シリーズタイトルの奪還を目指す。ドライバーは藤井誠暢がドライバーとして参加する。
FIA WEC、IMSA、LM P3のプロトタイプカー用レースエンジン供給を継続
なお同シリーズのST-3クラスには、OKABEJIDOSHA motorsportからFAIRLADY Z NISMO RCが出場予定だ。
日産/ニスモは、NISSAN GT-R NISMO GT3及びFAIRLADY Z NISMO RCで参戦するチームに、今年も引き続き技術支援を行う。
2)カスタマーレーシング – エンジンサプライプログラム
日産/ニスモは、プロトタイプカー向けのレースエンジンを供給し、技術支援を行う。
米国IMSAのウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦するエクストリーム・スピード・モータースポーツに、GT3仕様をベースとしたDPi車両向けのVR38エンジンを引き続き供給する。
またドイツを拠点とするプライベーター バイコレスレーシングは今年もFIA世界耐久選手権(WEC)のLM P1クラスにVRX30A evo.を使用して参戦する。
さらに、世界各地で開催されるLM P3カテゴリーに参戦する全車にVK50エンジンを継続して供給していく。
開発を進めてきたGT3の2018年モデルもいよいよデビューへ
4. その他の活動
カナダでは、今年で4年目となるマイクラ(日本名:マーチ)カップが開催される。
また、オーストラリアで行われるスーパーカー選手権には、日産アルティマでリック・ケリー、マイケル・カルーソ、シモーナ・デ・シルベストロと、新たにアンドレ・ハイムガートナーが参戦する。
今季のチーム体制について、片桐隆夫 ニスモ社長 兼 最高経営責任者は、「我々の活動の核となってきたSUPER GTでは、車両、チーム、ドライバーと多くの見直しを図りました。
今年は開幕戦から好スタートを切り、日産系全チームが、GT-Rの名にふさわしい力強いレースをお見せするシーズンにしたいと思います。
開発を進めてきたGT3の2018年モデルもいよいよデビューしますので、その活躍を期待しています。
また、NISMOロードカーを使ったNISMOドライビングアカデミーの拡充や、全日本ラリーをはじめとしたグラスルーツカスタマーへの支援も行い、NISMOロードカーの支援も行ってまいります。
さらに新たなチャレンジとなるフォーミュラEへの参戦は、『ニッサン・インテリジェント・モビリティ』をNISMOがサポートする機会となります。大きなチャレンジですが、観る人を魅了する走りができるよう、こちらも全力で準備を進めてまいります」と述べている。