ユーグレナと千代田化工建設、バイオジェット・自動車ディーゼル燃料製造実証プラントを建設へ


2020年迄にバイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を目指す「国産バイオ燃料計画」を推し進める

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)と千代田化工建設株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役副社長:中垣啓一、以下「千代田化工建設」)は、横浜市の京浜臨海部における日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの建設に向けた工事等請負契約を2月10日付で締結した。

同契約締結により、実証プラントの建設スケジュールが2017年6月着工、2018年10月完成で確定し、2019年前半に予定しているバイオジェット・ディーゼル燃料の生産開始に向けて大きく前進した。

ユーグレナ社は、2015年12月1日付で横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日本空輸の協力のもと、2020年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画(以下、「国産バイオ燃料計画」)の始動を発表し、バイオジェット・ディーゼル燃料実証プラントの建設に向けた基本設計、関係各所への届出・申請、建設予定地の整備等を進めてきた。

締結した工事等請負契約では、実証プラント建設の完成期日を2018年10月31日で予め確定しており、千代田化工建設は、完成期日を遵守するよう実証プラントの設計・調達・建設という一連の業務を遂行していく構え。

契約金額も固定額で確定しており、ユーグレナ社は同契約金額を含む投資総額の全てをすでに公募増資や手元資金で確保していると云う。

また、この工事等請負契約の締結と、同日付で旭硝子株式会社との間で事業用定期借地権設定契約を締結した。
このため、今工事等請負契約締結をもって、2020年迄の国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向けた製造面の体制整備は完了したとしている。

バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの概要

最新完成イメージ図(2017年2月10日段階)①事務棟 ②反応装置棟 ③用役設備 ④貯蔵タンク ⑤出荷場

その他の状況
・ バイオ燃料の原料に関しては、2016年9月1日付で三重県多気町に国内最大級の燃料用微細藻類培養プールを建設するプロジェクトを公表するとともに、伊藤忠エネクスとの間で原料調達に関する協議・調査を実施中。

・実証プラントの運用に関しては、運用に必要なプラント統括責任者がユーグレナ社に参画し、その他の実証プラントの運用人員の採用も順調に進んでいる。

・ バイオジェット燃料の実用化に向けた環境整備に関しては、「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けたバイオジェット燃料の導入までの道筋検討委員会」への参加や関係各所との協議を通じて、実証プラントで製造したバイオジェット燃料の品質評価、混合、貯蔵、輸送、空港での給油などの一連のロジスティクスについて検討を進めると共に、全日本空輸との間で有償フライト実現に向けた調査・情報交換を実施している。

・バイオディーゼル燃料の実用化に向けた環境整備に関しても、いすゞ自動車との間で次世代バイオディーゼル燃料を用いた公道走行の実現に向けた検討に着手済。

・航空会社への供給の際にバイオジェット燃料が準拠する必要のある米国のASTM規格に関しては、実証プラントで採用するバイオ燃料製造技術である「バイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術」のASTM規格化に向けたプロセスを、同技術のライセンス元である米国のChevron Lummus Global & Applied Research AssociatesがASTM規格化を進めている。

なおユーグレナ社では、「様々なパートナーや関係各所からの協力のもと、2020年迄のバイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向けて、引き続き『国産バイオ燃料計画』を推進してまいります。

国産バイオ燃料計画の完了後は、商業プラント建設の検討・準備に着手いたします。

日本におけるバイオジェット・ディーゼル燃料の普及、そして日本の温暖化ガス排出削減に貢献するべく、研究開発と事業推進に努めてまいります」と述べている。