アウディ、「A3」導入後初の商品改良。さらに新境地を切り拓いた「S3」は新7速搭載で燃費改善


自動ブレーキシステムを含めたアダプティブクルーズコントロール(ACC)を全車標準化して、300万円を切る価格を実現

アウディ ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:斎藤 徹)は、プレミアムコンパクトカーのAudi A3(SedanおよびSportback)及びそのスポーツバージョンであるAudi S3(SedanおよびSportback)に商品改良を施し、1月26日より全国の正規ディーラー(124店舗、現時点)を通じて販売する。※映像は2016年に於ける独本国向け仕様車の公開動画

手頃なサイズのボディの中にアウディならではのスポーティ&エレガンス、高品質、卓越した走行性能などを凝縮したAudi A3は、ヨーロッパではプレミアムコンパクトクラスの不動のベストセラーであり、日本でも重要な販売の柱のひとつになっている。

なおAudi A3/S3 Sportbackは、2013年9月以来3年4か月ぶりの、またAudi A3/S3 Sedanは2014年1月の初導入以来の改良となった。

いずれも新型モデルは、Audi A4シリーズなどから最新テクノロジーを移植することで、安全に関わるアシスタンスシステムや操作性、コネクティビティなどを充実させており、新エンジンや新トランスミッションも導入し、走行性能や燃費効率の面でもプレミアムコンパクトカーでトップランナーを目指すモデルに仕上がった。

その中でも、安全のためのアシスタンスシステムについては、ブレーキやアクセルをシステムが自動制御して車間距離と速度を一定に保つ「アダプティブクルーズコントール」を筆頭に、追突防止/歩行者保護のための自動ブレーキ機能を含めた「アウディプレセンス フロント」を全モデルに標準装備した。

さらに車線維持操作を助ける「アウディアクティブレーンアシスト」*、車線変更時の危険を減らす「アウディサイドアシスト」*、渋滞時のドライバーの負担を軽減する「トラフィックジャムアシスト」といった先進システムも選択(2017年夏以降の販売車両より「セーフティパッケージ」としてオプション設定として追加)できるようにした。

quattroに新開発のライトサイジングエンジン搭載。スポーティでスタイリッシュな“sport”モデルを新設定

走行性能の面では、前輪駆動モデルは従来の1.4TFSIエンジン(90kW/122ps)と7速Sトロニックのパワートレインを踏襲しつつ、quattroモデルには従来の1.8 TFSIに代え、アウディ独自の新しい燃焼方式「Bサイクル」技術を新採用した技術優位性の高いエンジン(140kW<190PS>を発揮する2.0 TFSI)を搭載した。

また、Audi S3用の高性能版2.0 TFSIのパワーについては、従来の210kW(285PS)から213kW(290PS)に引き上げ、組み合わせるSトロニック トランスミッションも、従来の6速から7速にグレードアップし、ドライバビリティと燃費効率をさらに改善している。

ドライビングプレジャーの爽快さ左右する操作性・機能性の面では、先にAudi TTやAudi A4などに採用されて好評を得ているフルデジタルの多機能ディスプレイ「バーチャルコックピット」がAudi A3シリーズとして初選択できるようになった。

既にアウディユーザーには、お馴染みのMMIコントロールユニットも操作ロジックが全面的に刷新され、より使い易くなっている。

コネクティビティ面では、オプションのナビゲーションシステムとの組み合わせで、「アウディ スマートフォンインターフェイス」が利用できるようになり、手持ちのスマートフォンを簡単につなぎ、車載のモニターで特定のアプリの操作などを行えるようになった。

ボディタイプは従来どおりで、5ドアのスポーツバックと4ドアのセダンの2タイプ。

今回から新たに、ホイールを17インチにサイズアップして車高を15mm下げた “sport” モデルが、前輪駆動の1.4 TFSI及びフルタイム4WD仕様の2.0 TFSI quattroの両方に設定される。

新型Audi A3/S3の個々搭載機能の概要は以下の通り

スポーティさがさらに鮮明に
エクステリアは従来のモデルからシングルフレームグリル、バンパー、ヘッドライト、リヤディフューザーなどのデザインが変更され、スポーティな印象がより鮮明になっている。

シングルフレームグリルは若干幅が拡げられ、六角形のテーマがより強調されるようになった。

フロントバンパーは、左右のエアインテークの部分を中心により立体的な造形となり、その上方のヘッドライトにもよりシャープな輪郭が与えられている。

ヘッドライトはバイキセノンが標準で、オプションでLEDヘッドライトを選択した場合は、リヤコンビネーションライトに「ダイナミックターンインディケーター」が組み込まれることになった。

さらに今回からAudi A3/S3の全モデルに標準搭載されることになった「アウディプレセンス フロント」は、レーダーセンサーにより前方の交通状況を常時監視し、緊急時には自動ブレーキを発動するなどして事故の危険を減らす。

より具体的には、約10km/h~65km/hで歩行者を、約10km/h~250km/hでほかの車両を検知。接触する可能性があると判断されたときは警告が発せられるとともに、必要に応じてブレーキ操作への介入が行われる。

さらに状況に応じ、フルブレーキを発動し衝突スピードを抑えるため、最大限の減速、衝突の回避、衝撃の緩和を図る。さらに、アダブティブクルーズコントロールも全車標準装備し、上級モデルと同等の安全装備を備えている。

加えて2017年夏以降の販売車両からは「アウディアクティブレーンアシスト」「アウディサイドアシスト」「トラフィックジャムアシスト」などの先進システムを組み合わせた「セーフティパッケージ」が提供される。

これらはいずれもコンパクトクラスでは初採用となる、最新のセンサー&運転制御テクノロジーを用いた高度なアシスタンスシステムだ。

そのうち「アウディアクティブレーンアシスト」は、ドライバーの車線維持操作をサポートするシステム。ウインカーを使用しない状況でクルマが車線を逸脱しそうになると、警告を発すると同時にステアリングにも介入し、クルマを同一車線内に維持する。

「アウディサイドアシスト」は、レーダーとカメラにより後方及び側方の運転状況を監視することで、車線変更時の事故の危険を減らす。

「トラフィックジャムアシスト」は「アダプティブクルーズコントロール」(全モデルに標準装備)の拡張機能のひとつで、約0km/h~65km/hで渋滞した高速道路などを走行中、アクセル、ブレーキだけでなくステアリング操作も一部代行し、ドライバーの負担を軽減する。いずれも将来の本格的な自動運転につながるテクノロジーとして注目されているシステムである。

デジタル化された操作系とアウディ スマートフォンインターフェイス
Audi TT、Audi A4、Audi Q7といった上級モデルに採用され評判を呼んだ、フルデジタルの多機能ディスプレイシステム「バーチャルコックピット」がAudi A3シリーズでも選択できるようになりました。アウディを代表する先進テクノロジーのひとつであるMMIコントロールユニットも全面的に刷新され、さらに使い易くなっています。ヒエラルキーを最小限にした新しい操作ロジックは、スマートフォンのそれにならったものです。もうひとつ注目すべきは、オプションのナビゲーションシステムとの組み合わせで、「アウディ スマートフォンインターフェイス」が利用できるようになったことで、iPhone、Androidの両方のスマートフォンに対応し、車載のインフォテイメントシステムとの接続、特定のアプリの共有(スマートフォンと車載インフォテイメントシステム間の)が可能になっています。

ライトサイジングのコンセプトを具現化した新開発の2.0 TFSIエンジン
Audi A3のquattroモデルには、従来の1.8 TFSIに代わり「Bサイクル」と呼ばれるアウディ独自の燃焼方式を採用した新しい2.0 TFSIエンジンが搭載される。

Bサイクルという呼称は、発案者のDr. ラルフ ブダック(AUDI AGのエンジニア)にちなんだもので、バルブタイミングの設定により低~中負荷領域で吸気工程を短縮する、いわゆる「ミラーサイクル」の原理を取り入れ、燃料消費を減らしている。

その一方で、高負荷運転時ではバルブタイミングを一般的なものに戻し、2ℓ排気量とターボチャージャーによる過給をフルに活かし、大きなパワーを発揮させる。

圧縮比を11.6と、過給エンジンとしては異例に高く設定したことも高効率に貢献しており、結果として140kW(190PS)/ 320Nmの出力 /トルクと、JC08モードで16.0km/ℓ(前モデル比8%向上)という良好な燃費を両立させることに成功した。

大きめの排気量を逆に利用し、効率とパワーの融合を図るこの技術コンセプトは、アウディとして今後も「ライトサイジング」と呼び、採用するエンジンを拡大していく方針である。

新しい7速Sトロニックとquattroフルタイム四輪駆動システム
Audi A3 quattro及びAudi S3は、電子制御油圧式のマルチプレート(多板)クラッチによりエンジントルクを前後輪に振り分けるquattroフルタイム四輪駆動システムを採用した。

一般的な走行条件では、エンジントルクの大半は前輪に向けられるが、必要が生じるや否や、電子システムが状況を感知し、後輪にもトルクが分配されるようになる。

これらのモデルに組み合わされる湿式クラッチを用いたSトロニック トランスミッションは、従来の6速仕様から、トルク容量も高めた新しい7速タイプにグレードアップされた。

同トランスミッションにはそれだけではなく、新しい機能も付加されており、Audi A3 2.0 TFSI quattro sportとAudi S3の両モデルでは、標準装備の「アウディドライブセレクト」で “efficiency” のモードを選択したとき、巡航中のアクセルオフ時にクラッチが切り離され、ギアがニュートラルな状態となる「フリーホイーリング」の機能が働き、燃料消費を削減する。

なお、1.4 TFSIエンジンを搭載した前輪駆動モデルは、従来どおり乾式クラッチを用いた7速Sトロニックを採用している。

新型Audi S3 Sportback & S3 Sedan
A3の高性能バージョンであるAudi S3には、213kW(290PS)、380Nmを発揮する2.0 TFSIエンジンが搭載される。

パワーは従来のモデルから、3kW(5PS)アップした。駆動方式は全モデル、quattroフルタイム四輪駆動システムを採用し、同じく標準設定のSトロニックは、従来の6速から7速に進化しました(フリーホイーリング機能が備わっている点は前述のとおり)。

サスペンションは、通常のAudi A3と比べると大きく固められており、それに伴い車高が25mm(新しく設定されたsportと比べても10mm)低くなった。

敏捷性と安定性を高度に両立させるため、切り角に応じてレシオが代わる「プログレッシブステアリング」を全モデルに標準化したほか、電子可変ダンパーシステムの「アウディマグネティックライド」をオプション設定した。

エクステリアは、専用デザインのバンパーとルーフスポイラー、18インチホイール、リヤの両側に設置された迫力あるデュアルエグゾーストなどにより、通常のAudi A3よりもアグレッシブな印象になっている。

ヘッドライトはLEDが標準で、オプションでマトリクスLEDヘッドライトも選択可能、その場合はリヤだけでなくフロントにも「ダイナミックターンインディケーター」が備わる。

インテリアにはファブリックとレザーを組み合わせたスポーツシート、専用デザインの3スポーク革巻きマルチファンクションステアリングホイール、ナビゲーションシステムなどを標準で装備。

そのうちシートについては、アウディデザインセレクションによるファインナッパレザーを使った特別な仕様(エクスプレスレッド)も選択することもできる。

Audi A3シリーズについて
ちなみにAudi A3は、プレミアムコンパクトカーの先駆け的なモデルとして、1996年のパリ モーターショーでデビューを飾った。

当初販売されたものは、3ドアハッチバックの1ボディタイプのみで、全モデル前輪駆動方式を採用していた。日本でも翌1997年春から販売が始まり、その後、1998年秋にquattroモデルが追加され、1999年からは5ドアモデルも選択できるようになった。

現行のシリーズは、2012年春のジュネーブ モーターショーで初お披露目され、2013年秋から日本での販売が始まった3世代目で、Audi A3シリーズとして初めて4ドアセダンがラインナップに加えられた。

また5ドアモデルは、2004年発表の2世代目からショートワゴン的なキャラクターを備えるようになり、Sportback(スポーツバック)という独自の名称が与えられることになった。

Audi A3 Sedanは2013年に発表され、2014年1月から日本で販売が始まった。全幅1.8m以下のコンパクトなセダンモデルとして、発売以来安定したデリバリーが続いている。

Audi S3は、quattroドライブシステムとハイパワーエンジンを搭載したAudi A3のスポーツバージョンとして、1999年にヨーロッパで初代モデルが発売された。

ボディタイプは当初3ドアだけの設定でしたが、2006年デビューの第2世代から5ドア“Sportback”のAudi S3がラインナップに加わり、さらに、第3世代の現行シリーズでは4ドアセダンも選択可能となっている。

2011年には、Audi S3よりもさらに高性能なAudi RS 3を投入し、コンパクトクラスのスーパースポーツモデルという独自のセグメントを切り開いた。

また、2014年に発表したAudi A3 Sportback e-tronは、アウディブランド初のプラグインハイブリッドモデルであり、優れた環境性能と実用性、運動性能を融合したオールマイティなコンパクトカーとして話題を呼んだ。

日本で2015年秋に発売。1996年の初代発売以来、Audi S3、Audi RS 3を含めたAudi A3シリーズの世界累計販売台数は400万台を突破している。