AGC旭硝子、地球温暖化を抑制する冷媒新グレード「AMOLEA®yd」を開発


AGC旭硝子(旭硝子株式会社・本社:東京千代田区、社長:島村琢哉、以下、AGC)は、『冷媒や溶剤としての性能はそのままに、GWP*1を大幅に低減』をコンセプトとする次世代冷媒・溶剤ブランド AMOLEA®(アモレア)の冷媒新グレード「AMOLEA®yd」の開発に成功した。

本製品は、ターボ式冷凍機、バイナリー発電機、排熱回収ヒートポンプ等を主要用途とする冷媒で、他社製品を上回る省エネ性能も確認されている。

同社は2017年の商業生産開始を目指すとともに、今後もAMOLEA®ブランドの下、地球温暖化を抑制する冷媒の開発を進めていく。

「AMOLEA®yd」は、HCFO*2-1224yd(Z)を単一成分とする不燃性の冷媒。同社は早くからこの化学物質に注目し、NEDO*3の助成事業の一環として物性評価や生産技術開発を進め、今般、従来冷媒に置き換わる「新しい冷媒」の開発に成功した。

同用途に使用されている従来冷媒HFC-245faと比較した際の特徴は以下のとおり。
・冷媒性能と安定性:同等以上
・地球温暖化係数(GWP):100分の1以下
・沸点及びその他物性:極めて近い
高い性能に加え、「AMOLEA®yd」は従来設備に対するレトロフィット性にも優れているため、顧客は大掛かりな投資なしで、地球温暖化抑制に貢献する環境技術を導入することができる。

また、他社製品を上回る省エネ性能も確認されており、今後、国内外で開催される国際学会等を中心に、逐次、開発進捗を発表していく予定。(製品の性能比較詳細は、2月下旬に開催予定の国際展示会『HVAC&R Japan2016』で発表する。

AGCグループは、経営方針AGC plusの下、環境問題に先進的に取組まれている機器メーカー様と実用化に向けた取組みを加速し、地球にやさしい冷凍・冷蔵・空調機器の早期実現に貢献していく。

なお現在、空調機器や自動車などの冷媒に使用されているハイドロフルオロカーボン(HFC)はGWPが高く、環境負荷が大きいことから、世界的に使用が見直されている。

日米欧等の先進国では既に独自のHFC規制が始まっており、新興国を含めた規制の導入が国際的にも議論されている。

同社はこれまで、自動車空調用低GWP新冷媒HFO-1234yfや、
空調機器用低GWP新冷媒AMOLEA®HFO-1123の開発等の取り組
みを進めてきましたが、今後も本分野の開発を更に加速させていく構え。

(本文の注釈)
*1: 地球温暖化への影響を示す係数
*2: ハイドロクロロフルオロオレフィン。二重結合に特徴を持つフッ素化合物であり、GWPがフロンや代替フロンより
圧倒的に低い
*3: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

参考情報
■HVAC&R Japan 2016~冷凍・空調・暖房展~
会期:2016年2月23日(火)~26日(金)
場所:東京ビッグサイト
URL:http://www.hvacr.jp/

同社セミナー:2月25日(木)10時~10時30分「低GWP冷媒”AMOLEA®”の開発」