小樽市とマクニカ、バス路線維持を視野に自動運転EVバス実証

北海道小樽市(市長:迫 俊哉)とマクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将)は8月8日、バス乗務員の不足がより深刻化してもバス路線を維持していく手段として、自動運転EVバス導入の可能性を検討するぺく実証運行を行う。

今回、運行の舞台となる小樽市は、北海道西海岸のほぼ中央、後志地方の東側に位置していることから寒暖の差が小さい海洋地域で札幌市など4市町村に接している。区域は東西約36キロメートル、南北約20キロメートルで、市街地の一方が日本海に面し、他の三方を山々に囲まれた坂が多い。

海岸線は約69キロメートルで、その中央には天然の良港である小樽港があり、西側の勇壮な海岸は「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に指定されている。

自動運転EVバスを運行させるマクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして最新のテクノロジーをトータルに取り扱うサービス・ソリューションカンパニー。

世界28か国/地域91拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けている。

今取り組みで自動運転EVバス導入の可能性を検証する

今回、小樽市とマクニカは、自動運転EVバスの社会実装を実現させる構想を背景に、公道上での試運転・試乗会を行い、運行上の課題や地域の受容性について検証する。

今実証は、自動運転レベル2いで運行する。従って車両にはオペレータが乗車し、その監視下での運行となる。

そのなかで基本的に自動で運行。障害物を車両が検知するなど危険な状況と判断した場合は、オペレータが手動で運行をサポートする。

実証車両はマクニカが、カメラやセンサー、GPSの位置情報システムなどを踏査した自動運転EVバス「NAVYA EVO(ナビヤ エヴォ)」を導入しての運行となる。

同車両は、マクニカと芙蓉総合リース及び芙蓉オートリース共同で構築した「自動運転実証実験支援サービスプログラム」によって提供される。

なお、自動運転EVバスEVO(Navya Mobility社製)は、自動運転システムを搭載した自動運転シャトルバス。EV(電気自動車)であり、1回の充電で約9時間(100km)の自動走行が可能。

搭載した各種センサーを介して周囲の状況を認知し、自動運転システムが予測・判断を行い、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作をするもの。なお同車両は、ハンドル・アクセル・ブレーキペダルを持たないが、オペレーターがジョイスティック等の操作を介して自動運行のサポートができる仕組みとなっている。

その仕様は以下の通り

全長:4,780mm
全高:2,670mm
全幅:2,100mm
重量:2,600kg
車両総重量:3,450kg
乗客人数:最大15人(今回は乗客定員8名で運行)
動力源:電動モーター
最高速度:25km/h(運行時は平均速度15km/h程度)
自動運転レベル:レベル2(技術的にはレベル3相当)
その他:緊急時は同乗のドライバーが手動介入

車両は〝北科大(ほくかだい)〟の学生のラッピング仕様

今回、小樽市と連携協定を結んでいる北海道科学大学
との連携で自動運転EVバスのラッピングデザイン行った。ヨリ具体的には、学内ニ於けるデザイン公募の結果、9名の応募があり、関係者による選考及び小樽市職員の投票により1名のデザインを採用した。

その造形はガラス工芸「小樽切子」をモチーフに波や灯台
を表現している。なお、それらわ含む応募作品のパネル展を実証運行中の期間に於いて開催される。
期間:8月18日(月)~8月31日(日)
場所:小樽国際インフォメーションセンター

車両運行を担うマクニカは、AIやIoT、自動運転など世界最先端のテクノロジーを使い、パートナー企業、研究機関、自治体などと協業して、様々な社会課題に取り組んできた。

その取り組みのひとつとして、自動運転EVバスの実証実験などを入口に、安全安心で住みよい未来のまちづくりを、全国の自治体と進めている。

運行ルートは小樽運河や小樽堺町通り商店街周辺を巡回

今運行の実証ルートについては、小樽国際インフォメーションセンターから小樽運河や小樽堺町通り商店街周辺を循環する3.7kmのルートで1日7便が運行される。

この運行ルートは、公共交通空白地帯での導入を視野した設定であり、実運行にあたっては路上に停めた車など障害物がある中でも安定した運行が可能かを確かめる。

また車両の走行データを、マクニカ製遠隔運行管理システムの「everfleet(エバーフリート)」と連携させて、自動運転EVバスの走行情報をリアルタイムに離れた場所で確認する。

自動運転EVバスを監視・管理する安全システムも実装

上記、everfleetとは、自動運転を実用化に結びつけるため、車室内の乗客や車両周辺の状況を遠隔地から監視するシステム。

everfleetでは、モビリティの位置情報や車内外のカメラ映像に加え、車速・ステアリング・バッテリー残量などの車両データを一元的に可視化。信号機などの交通インフラと協調した外部データとの連携も可能だ。

これにより運行状況を遠隔地からリアルタイムに把握し、安全・安心に自動運転モビリティを運用することができるようになる。

更に複数地域の多種多様なモビリティを同時に群管理することや運行時の異常をシステムによって自動的に検出・通知することができることから、ひとりの遠隔監視者によって効率よく自動運転モビリティを運行管理することでオペレーションの省人化を実現。交通採算性の改善にも貢献する。

体験試乗会の運行概要は以下の通り

・運 行 日 :2025年8月18日(月)~8月31日(日) 計14日間
・運行時間:9:00~16:40(1日7便/時間運行、約40分)
・乗車料金:無料
・乗車方法:市民は奇数便で予約が可能。
<予約サイト: https://reserva.be/otaruev
偶数便は当日先着順(予約不可)。予約便でも空きがあれば乗車可能。
* 予約は国際インフォメーションセンターからの乗車のみ受け付ける。
* 乗車の際、住所が市内にあることを証明する書類提示を求めることがある。
・対 象 者 :乗車の対象者は限定しない
・乗車定員:1便当たり8名
・時刻表:

・運行ルート:小樽国際インフォメーションセンター~色内大通り・堺町本通り
(下図参照) ~道道17号小樽港線通り(臨港線)~小樽国際インフォメーションセンター



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