マツダは5月9日、2027年以降に国内で販売するバッテリーEV(BEV)の充電ポートに北米充電規格(North American Charging Standard 以下、NACS)を採用することをTesla, Inc.(テスラ)と合意した。
これによりマツダのEVユーザーは、テスラが日本国内で展開する「スーパーチャージャー」を利用できるようになる。これは充電時の選択肢を増やし利便性を高めることを目的だという。
さて現段階で 、日本国内の日本向けBEVで、NACS方式を採用しているのは、ソニーホンダのアフィーラ(AFEELA)に次いで2例目だ。
その他の日本国内メーカーは、「CHAdeMO(チャデモ)」規格を採用している。但し、後述するがマツダではアダプターを利用することにより、CHAdeMOの充電器の選択できるとしている。
ちなみに、そもそも日本国内の自動車メーカーのスタンスは、生産車両(EV)の充電規格採用に於いて、日本国内向け車両はCHAdeMO、北米向けはNACS、欧州向けはCCS2、中国ではGB-Tとなっており、これを統一させる動きは見えていない。
そのなかでマツダが日本・北米統一で先陣を切った格好だ。これによる将来影響をあえて考えると、マツダがNACS規格に舵を切ったことで、NACS規格の充電器が今後、テスラ単独のものではなくなる点にある。
以下は、早々にそうなるとは考え難いが、一般の充填施設にNACS規格のスーパーチャージャーが、今後長い時間を掛けて新たに設けられる可能性は有り得るかもしれない。
もしくはより現実的には、現段階で一部の充電器に見られるようにCHAdeMO規格とNACS規格併用のハイブリッド型の充電器が登場する可能性だろう。また長い目で見ると日本国内での将来的なCHAdeMOの立ち位置の行方も気になるところだ。
マツダでは、「今回の採用は、充電時のお客さまの選択肢を増やし、利便性を高めることを目的としています。
NACSの採用により、マツダのBEVにお乗り頂くお客さまは、テスラが国内で展開するスーパーチャージャー(急速充電設備)の利用が可能となる他、アダプターにより、NACS以外の充電規格もご利用頂ける見通しです」と話している。