東京高速道路、KK線再生に取組むプロジェクト名称を発表


東京高速道路(本社:東京都中央区、取締役社長:加藤 浩)は、先の4月5日20時に東京高速道路(KK線)を廃止(東銀座出口を除く)した。

併せて今後、KK線を歩行者中心の公共的空間に再生する取組みを本格化するにあたり、4月18日に開催した車のための空間から人のための空間への交代式「KK線リボーンセレモニー」に於いてプロジェクト名称「Roof Park Project」、プロジェクトコンセプト「みんなでゆっくりつくる未来」も明らかにした。

「Roof Park Project」の概要は以下の通り

KK線の再生に取組む「Roof Park Project」には、以下のような特徴がある。

(1)都市の既存インフラを再生し、新しい価値を提供する。
KK線の再生によって生まれる新たな空間が周辺のまちを繋ぐことで、横のつながりと共に上部と地上が一体化させ、賑わいが広がっていくようなまちづくりを実現させる。

(2)民間と東京都の公民連携によって事業を推進する
事業主体であると当社と東京都が「共創的公共」の在り方を模索しながら、連携して事業を推進することで、東京の新たな価値や魅力を創出する「世界から注目される観光拠点」を目指す。

(3)計画・整備の段階から多様な人々と関わり、共創する
これまでにない新しい公共的空間の在り方を企画・検討するため、事業デザインの企画・実装を提案する仕組みとして「共創プラットフォーム」を組成。計画検討の初期段階から、事業者だけでなく、多領域の専門家を交えながら、新たな価値について議論を行うプラットフォームとなるような、多くの人が様々な形で関われる仕組みを元にプロジェクトを推進する。

(4)プロジェクトの発信や会話を常に行い「ゆっくりつくる」を実装する
車が走る速さから、人が歩く速さへ。ヒューマンスケールで丁寧なまちづくりを行う。

「Roof Park Project」というプロジェクト名称に込めた思い
KK線の施設は、1959年の開業当時から、商業施設の「上」に道路があるという構造が特徴だった。KK線の再生は、既存施設を活用し、道路下の商業施設や周辺のまちの営みを壊さずに、施設の上部を車から人への空間に再整備する取組みを行っていく。

プロジェクト名称は、上部空間に限定されないものにしたい。そんな発想をもとに、下部に空間・営みがあることを示す「屋根=Roof」という言葉に対し、大切にしたい思いを込めた。

屋根に上り、いつもと違う開けた景色を目にした時のワクワク感を、訪れるたびに感じられるような、楽しく、みんなに愛される空間を目指す。

プロジェクトコンセプトに込めたまちづくりの理想
プロジェクトコンセプトの策定にあたり、まず人中心のウォーカブルなまちづくりが重視される時代に於けるプロジェクトの意義を考え、スピードや効率を優先したプロセスで進めて良いのかを問いかけることから始まった。

60年以上の長い歴史を積み重ねてきたKK線の既存施設を再生する当該プロジェクトは、様々な人と関わり、会話を重ね、解像度の高い計画・デザイン・実行というプロセスを踏みながら丁寧に進めていくべきであると考える。

そして供用開始後も完成形はなく様々な人の手垢をつけてつくっていくことにより、愛着をもって進化し続ける、そんなまちづくりの理想を「ゆっくりつくる」という表現に込めている。

東京高速道路(KK線)再生に向けた利活用方針に基づく先行実証実験を実施へ
2025年4月に東京都・東京高速道路株式会社は、「東京高速道路(KK線)の再生に向けた利活用方針」( PDF1.9MB )を公表した。この方針は、KK線再生に向けたまちづくりの基本的な考え方や、計画・整備段階に於ける東京都と弊社の連携内容や利活用の在り方等について取りまとめたもの。

今後、この方針に基づき、一部区間の供用開始までの期間に於いて、沿道の地域、様々な人々、企業等、多岐にわたる主体との対話や試行等を行う「先行実証実験」に取組んでいく。

プロジェクトサイトのリニューアル
プロジェクト名称の発表に合わせて、プロジェクトサイトをリニューアル。同サイトは、プロジェクトに関する情報や活動状況を提供するだけでなく、様々な視点、分野から、多くの人にプロジェクトに関わって頂き、一緒に考えるためのプラットフォームを目指していくという。

なお今後、「Roof Park Project」については、プロジェクト専用サイトで詳しく説明していくと話している。