トヨタ自動車、中国の研究開発センターを拡張。2018年末以降の完成を目指す


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下 トヨタ)は、中国の研究開発拠点であるTMEC*1において、設立時の投資計画に基づいた既存実験棟の増強、新実験棟の建設、電池評価試験棟の新設およびテストコースの増強を実施することを公表した。具体的な増強官僚は、2018年末以降の完成を予定している。

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画像イメージは、同社が2011年10月21日に発表したもの。総面積234万m2(うち建屋面積:6.9万m2、テストコース面積:74万m2)

TMECは、2010年に「中国のためのクルマづくり」に向け、開発体制の現地化と強化を目的に設立された。

以来、中国産ハイブリッドユニット搭載車の中国市場への普及を目指し、取り組みを推進。

2012年には主要ハイブリッドユニットの現地生産会社として「トヨタ自動車(常熟)部品有限会社*2」(ハイブリッド用トランスアクスルの製造会社)、また、2013年には「新中源トヨタエナジーシステム有限公司*3」(ハイブリッド用電池製造会社)が設立。2015年10月、中国産ハイブリッドユニット搭載の「カローラハイブリッド」「レビンハイブリッド」の販売を開始した。

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画像イメージは、同社が2011年10月21日に発表したもの。総面積234万m2(うち建屋面積:6.9万m2、テストコース面積:74万m2)

トヨタは従来より、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車と、それぞれの特徴を活かしながら、全方位でエコカーの開発を進め、普及に努めている。

このスタンスは中国に於いても変わらず、中国政府の「省エネ・新エネ車発展企画」のもと、環境に優しいクルマを導入していく計画を立てて・実施している。

例えば、その一環として現在取り組みを進めているハイブリッド車の普及に加え、「カローラ」「レビン」のプラグインハイブリッド車の導入を予定。

また、燃料電池車の中国での実証実験開始に向けた準備を推進する他、中国市場への電気自動車導入についても検討している。

トヨタでは、中国市場の競争激化、および法規制の厳格化が進む中、中国における開発拠点であるTMECの施設を拡張し、技術開発機能を強化することで、中国での「もっといいクルマ」づくりをさらに推進していくと述べている。

トヨタの専務役員で、中国本部長である大西弘致氏(ひろぢ)は、広州モーターショーのプレスカンファレンスで「研究開発においても、長期的な視点から、中国での現地開発の強化に力を入れている。今後も多くの現地エンジニアを育成し、中国のお客様のニーズにこたえる、より多くのクルマを開発していきたい」と語っている。

*1 トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社/Toyota Motor Engineering & Manufacturing (China) Co., Ltd. 略称 : TMEC
*2 トヨタ自動車(常熟)部品有限会社/Toyota Motor (Changshu) Auto Parts Co., Ltd. 略称 : TMCAP
*3 新中源トヨタエナジーシステム有限公司/Sinogy Toyota Automotive Energy System Co., Ltd. 略称 : STAES

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TMEC会社概要

  • 名称:
    (日本語)トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社
    (中国語)豊田汽車研発中心(中国)有限公司
    (英語名)Toyota Motor Engineering & Manufacturing (China) Co., Ltd.(略称 : TMEC)
  • 所在地:
    江蘇省 常熟高新技術産業開発区内
  • 代表:
    董事長(会長)大西弘致(トヨタ自動車(株)専務役員)
    副董事長 伊勢清貴(トヨタ自動車(株)専務役員)
    副董事長・総経理(社長)奥平総一郎(トヨタ自動車(株)専務役員)
  • 資本金:
    2億3400万米ドル
  • 総投資額:
    6億8900万米ドルを予定(土地、建物、テストコース、試験設備等)
  • 出資比率:
    トヨタ自動車(株)100%
  • 土地面積:
    234万m2(うち建屋面積 : 6.9万m2、テストコース面積 : 74万m2)
  • 主要設備:
    高速周回路、悪路耐久路、特性路などのテストコースやシャシーダイナモメーターの他、様々な実験設備を計画
  • 従業員数:
    約400名(2016年11月現在)
  • 設立日:
    2010年11月17日
  • 事業開始:
    2011年4月~