東京大学、タイヤ内給電技術の共同開発に成功


東京大学大学院新領域創成科学研究科は1月26日、デンソー、日本精工、ブリヂストン、ロームと共に、公共性の高い課題を民間外部機関から受け入れる経費等を活用して設置した社会連携講座「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」にて、タイヤ内給電技術の共同開発に成功したと発表した。( 坂上 賢治 )

この走行中給電システムに係る研究は東京大学に於いて、モビリティの電動化に伴う、搭載蓄電池の大容量化による高価格化、蓄電池製造による温室効果ガスの排出量増加、航続距離確保の問題、充電による系統負荷の課題を解決するべく、EVの走行中給電システムの研究を予てより行ってきた。

走行中給電システムの例

当初、藤本博志准教授らの同研究グループは、磁界を利用した電力伝送を行うために送電コイルと受電コイルのコイル間ギャップを短くする研究に腐心して来ており、今回のタイヤの中にコイルを配置するタイヤ内給電システムの検討を重ねて成功に至った。

成功したタイヤ内給電に於いては磁界を中継するコイルを使用。タイヤ内とホイール内に配置した中継コイルに給電し、更に中継コイルからハブに取り付けられた受電コイルに非接触で電力を送る。

タイヤ給電の原理(左:正面図、中央:断面図、右:拡大図)

タイヤ内の中継コイルと、ホイールの内の中継コイルは電線で繋げているため、金属製のホイールでも電力が送れる仕組みだ。この結果、送電コイルと受電コイルの距離を現状のEVの動力構造上でも極限まで近くでき、電力伝送の効率も高めて、より大きな電力を送る事が可能となった。

なお今後は、開発に成功したタイヤ給電のみならず、EVのドライブシステムの研究へ注力する予定。引き続きSDGsを実現する多様なモビリティ技術の先進的な研究開発を続けていくと結んでいる。

タイヤ給電システム(左:タイヤ未装着状態、中:タイヤ装着状態、右:車両搭載状態)

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藤本・清水・藤田研究室

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