シボレーコルベット、生誕70年の節目に電動AWD車を披露


シボレーは米国・東海岸時の1月17日、NYモトラマショーでデビューしたコルベットが70周年を迎えた今年、6.2リッターLT2スモールブロックV8エンジンに電動AWDシステムを組みあわせた史上初のモデル「コルベットE-Ray」の2024年型モデルを発表した。(坂上 賢治)

GMのマーク・ロイス社長は「1953年に初披露された〝シボレーコルベット〟は、その後70年もの歴史を刻み、電動AWDの〝E-Ray〟は、そんなコルベットブランドの可能性を大きく広げる存在でもあります。

E-Rayはルーフを取り外せるクーペと、ハードトップコンバーチブルの2モデルがあり、AWDならではの力強い直進性と信頼性を持ち合わせ、電動グランドツーリングカーとして孤高のドライビングエクスペリエンスを提供します。

それはパワーユニットにV型8気筒の自然吸気エンジンと電動AWDを組み合わせた唯一のスポーツカーであり、それは他に類を見ない存在でもあります」と述べた。

またシボレーのスコット・ベル、グローバル・バイスプレジデントは「コルベットは1953年以来シボレーの栄光の象徴です。

E-Rayは過去に例のない信頼とラグジュアリーなパフォーマンス、洗練性とスタイルが融合したモデルで、より多くの方々にコルベットを体験して頂く新たなきっかけを提供する事になるでしょう」と語っている。

加えてコルベットのチーフエンジニアを務めたタッジ・ジェクター氏は「E-Rayは、0-60mphを2.5秒、1/4マイルを10.5秒で駆け抜ける史上最速の量産コルベットです。

もとよりコルベットは舗装されていない道に於いても、また極限性能が求められるサーキットコースでも、優れたドライビングエクスペリエンスを実現しなければなりませんが、E-Rayはそれを同時に可能にします。

特に電動化技術は、あらゆる走行状況下に於いて操舵のコントロール感を高め、安定した走りが可能となりました。

なかでも低速トルクからの素早い推進力は、コルベットのドライビングエクスペリエンスの中核であり、それはこのE-Rayにも備わっています。

6.2リッター LT2スモールブロックV8エンジンで発生した495馬力と470lb.ftのトルクをリアアクスルに伝達。

これにシート間のフロアトンネルに設置された電気モーターが、1.9kWhのバッテリーパックを介して前輪に160馬力と125lb.ftのトルクを供給。

E-Rayは、この電気モーターとスモールブロックV8エンジンの両方からの合計で最高出力655馬力を発揮する事になるのです」と話す。

そんなE-Rayの電動AWDシステムは、路面状況を検知しつつドライバーの求めに応じてシームレスな動きを見せるという。特にトラクションの低い路面や急発進の際には前輪への駆動力を高め車両の安定性を維持する。

なおバッテリーシステムはプラグイン充電の必要はない。バッテリーは通常走行時だけでなく、惰性走行や制動時の回生エネルギーによっても充電されるからだ。

機能と車載装備に関わる情報では、まず街乗り用の電気駆動モードであるステルスモード(最高速度は45mph/約72km/h)を備えている。

制動装備ではブレンボ社製カーボンセラミックブレーキシステムを標準搭載。3種類のサスペンション設定が可能なマグネティックライドコントロール4.0も備えた。

ホイールは、20インチと21インチのスタッガードホイールにミシュラン・パイロット・スポーツ・オールシーズンタイヤを装着。

スタイリングは、現行コルベットよりも3.6インチワイドかつ低いボディを持ち、E-Rayの存在感を具現化する臨場感溢れるサウンド体験でドライビングプレジャーを演出する。

そんなE-Rayの車体デザインに関してグローバルシボレー・エグゼクティブ・デザインディレクターを務めるフィル・ザック氏は「E-Rayのようなコルベットは、これまで存在しませんでした。洗練されたデザインがそのことを物語っています。

それはE-Rayのエキゾチックなプロポーションを印象づけるボディのカラートリムから始まります。

更にインテリアは、洗練された雰囲気やダイナミックなスポーツ感を演出するカラーを選ぶ事で、お客様一人ひとりの個性を反映させる事が出来ます。

また新しいアルテミスディップドインテリアも採用。これは内装の仕上げの大部分に深いグリーンの色調を補完的に配色したもので、2024年型コルベットのみに導入されます。

これらのインテリアは、2種類のカーボンファイバー・トリムパッケージ、3種類のシート、7色のインテリアカラーなど、複数のオプションから選ぶ事ができ、パーソナライズが可能です。

コンソールには、〝Charge+〟と〝Stop/Start〟のボタンを追加し、インフォテイメントシステムとインストルメントクラスターを刷新して、より一体感のある外観を実現しています」と説明している。

なおレーンキープアシスト(レーンディパーチャーウォーニング付き)、フォワードコリジョンアラート、オートマチックエマージェンシーブレーキングなどのドライバーアシストテクノロジーも強化され、標準搭載のアクティブ・フューエル・マネジメント・システムは、様々な運転状況で電気モーターを活用し4気筒状態で走行距離の延長にも応える。

E-Rayの電動アシストは、ドライバーが切り替え可能なツアー・スポーツ・トラック・ウェザー・マイモード・Zモードの6モードの走りが愉しめる。また、バッテリーの充電状況を最大限に高める「Charge+」機能を選ぶ事も可能だ。

そんな2024年型コルベットE-Rayは2023年に発売。1LZクーペが104,295ドル(希望小売価格)、1LZコンバーチブルモデルが111,295ドル(希望小売価格)。いずれも米国およびグローバルに調達した部品でケンタッキー州のGMのボウリンググリーン組立工場で生産される予定となっている。なお日本導入時期は未定だ。