CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)は8月24日、日野自動車の認証試験不正を踏まえ、CJPTからの日野の除名を決めた。(坂上 賢治)
CJPTは2021年4月に立ち上がった後、トヨタ・いすゞ・日野・スズキ・ダイハツの5社連合により、商用車産業全体を捉え「ドライバーや作業者の皆様の負担を軽減」を出発点に「自動運転などの先進技術の共同開発」「カーボンニュートラル実現」「CASE技術の普及」への取り組みを進めてきた。
しかし今回、日野が起こした不正行為は、CJPTが共有する想いや目指す道とは相入れないものであり、このまま日野を含めて活動を進める事は、顧客やステークホルダー並びに社会からの理解を得る事が出来ないのではないかと言うトヨタ自動車の豊田章男社長からも投げかけがあり、結果、CJPT内での議論を経て日野を除名する結論に至った。
具体的には、共同企画契約等全ての契約から日野を除外すると共に、日野がCJPTへ出資している株式(10%)をトヨタに譲渡する。
但し先に公表済の福島・東京での社会実装など、現在CJPTが先行して取り組むプロジェクトについていは、顧客やステークホルダーに迷惑を掛ける事が無い様、日野も必要最小限の役割を果たしていくとしている。
今経緯についてトヨタの豊田章男社長は「今回日野が起こした認証試験不正は、お客様を始め全てのステークホルダーの信頼を大きく損なうものであり、日野の親会社としても、株主としても、極めて残念に思います。
長期間に亘り、エンジン認証における不正を続けてきた日野は、550万人の仲間として認めて頂けない状況にあります。
CJPTは、日本のCASE技術をベースに、皆で未来を作るプロジェクトです。現状では日野がいることで皆様にご迷惑をお掛けしてしまう考え、CJPTから日野を除名することが適当であると判断し、関係各社とも協議のうえ、今回の結論に至りました。
パートナーの皆様とは引き続き、輸送業が抱える課題の解決や、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する事を目指して、プロジェクトを進めてまいります」と話している。
一方の日野では、「Commercial Japan Partnership Technologies 株式会社に於いて、認証不正問題を踏まえ当社を除名するという意思決定がなされ、本日公表されました。当社として、今回の決定を大変重く受け止めています。
当社はこれまで、社会課題の解決への貢献を掲げ、様々な取り組みを進めて参りました。しかし、エンジン認証に於いて長期に亘る広範な不正を行ったという事実に鑑みると、そのスタート地点にさえ立てていなかったと言わざるを得ません。
まずは、起こした不正の深刻さおよびその真因を正面から受け止め深く反省し、正すべきを正して参ります。そして、人流や物流を支えるという商用車メーカーの原点に立ち返り、社会から再び必要として頂ける企業として生まれ変わるための変革に、強い覚悟を持って取り組んで参ります」と結んでいる。