光岡、現行ビュート有終の美。年内の後継車を示唆


光岡自動車 『Viewt』(ビュート)愛され続けて発売から30年

光岡自動車は1月19日、コンパクトセダン「ビュート(Viewt)」が発売30周年を迎えた事を周知した。また併せて年内の後継モデルの発表を示唆した。(坂上 賢治)

ビュートは1993(平成5)年1月20日に誕生。当時はコンパクトな車体に英国車風のデザインを施した事で世代を問わない人気を獲得。求め易い価格帯である事をひたすら守り続けて30年。結果、累計1万3,000台を売り上げた。

この間、一貫して基本的なデザインテイストは変更せずに日産マーチをベースに使用。これまではマーチのモデルチェンジが実施される度に改良を重ねて、3代目に至る現行モデルも独自の製品力を磨き続けている。

ビュートが発売30年を迎えた事について光岡自動車は「私たちがオリジナルデザインの車を創り出す切っ掛けとなったのは、創業者の光岡進(現・代表取締役会長)が、1980年代にアメリカで目にしたDIY精神溢れる自由で、乗る人々を飽きさせないワクワクするクルマ達でした。

その出逢いが、それまで事業の柱としていた手軽に乗れるゼロハンカーシリーズから乗用車開発にシフトした大きな原動力となりました。

そうしたアメリカの大らかなレプリカ文化に共感。1987年から〝BUBU Classic SSK(ブブ クラシック エスエスケー)〟や〝BUBU 356 Speedstar(ブブ356スピードスター)〟の開発を通してオリジナルカーの製造技術を培いました。

その後バブル崩壊の只中に於いて、当時200万円台を目標にジャガー・マーク IIをモチーフとした英国車風コンパクトカー、ビュートの誕生に至りました。

このビュートの製作・販売を足掛かりに欧米諸国のコーチビルダーに倣い、ゼロからのクルマづくりに挑んだオリジナル車のZero1(ゼロワン)を開発・発売。

その一方で、日本のコーチビルダーとしての原点であるビュートは昭和・平成・令和の3つの時代を超えて、今もなお受け継がれています。

このビュートが30年間、お客様に愛された理由は誰もが不可能だと思われた田舎の小さな工場から始まった自動車メーカーへの挑戦や、自由な発想によるモノ作りスピリッツに共感下さった皆様方のご厚情の賜物と改めて感謝致します。

そんなビュートも、一部販売店が所有する在庫を筆頭に新車でお届け出来る台数が残り僅かとなりました。そうした中、良質な中古車から製造するメイクアップ車は今後も継続して受付を行う予定です。

また既に多くのお問い合わせを頂いております次期モデルの投入については、年内にお披露目できる予定です。

今後も、どこか懐かしいスタイルを踏襲しつつも、使い勝手もよく、先進の安全装置を備えた令和に相応しいビュートを目指します。これからも愛され続けるビュートの新しい物語にご期待下さい」と結んでいる。