京都でEV量産を行うGLM、独ソフトウエア会社との協業で次世代のEVスーパーカー開発を目指す


「つながるEVスーパースポーツカー」の開発技術を東京ビッグサイトで開催中の「コネクティッド・カーEXPO」で初披露

京都大学発のベンチャー企業で、スポーツカータイプの電気自動車(EV)量産化に日本で初めて成功したGLM株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:小間 裕康、以下GLM社)は、IoT技術でインターネットに常時接続する「コネクティッド・カー(つながる車)」の開発でドイツの自動車向けソフトウエア会社との協業を始動する。

同社が協業を検討しているのは独ベルリンに本社を構える「ATS Advanced Telematic Systems」。

ATS社が持つ無線通信(OTA/オーバー・ジ・エアー)技術を、2019年の量産開始を目指しているGLMの次世代EVスーパーカー「GLM G4」に搭載する方向で検討する。

ちなみにATS社は、世界中の自動車メーカーやサプライヤーによる共同プロジェクトで、コネクティッド・カー向けソフトウエアのオープンソースを開発する取り組み「AGL(Automotive Grade Linux)」を主導していることから、同分野で高い技術力を有している。

具体的には、無線通信で電子制御ユニットのソフトウエア更新を高速、安全に行う、同社のOTAのソフトウエア更新ソリューションと合わせて、次世代車両に組み込むことを想定していると云う。

組み込みを検討する車両は、パリモーターショー2016(9月-10月)で世界ローンチを果たした「GLM G4」のコンセプト車両。

特徴はクーペスタイルの外観ながら4ドアかつ4シーター(4人乗り)を実現している点と、ハサミのように跳ね上がるシザーズドア方式を前後ドアに採用したインパクトのあるデザイン。

仕様想定は、加速力0-100km/h=3.7秒、最高出力540馬力、最高時速250km/h、航続距離400km。

現在、2019年の量産化に向けての開発技術を東京ビッグサイトで開催中の「コネクティッド・カーEXPO(2017年1月18日(水)~20日(金))」で初披露した。

この今協業の披露にあたって、GLMの代表取締役社長、小間裕康氏は「自動車開発においてソフトウエア開発が占める領域は非常に大きく、もはや切り離せないものです。

ソフトウエア開発ならびにそのアップデートを続けることが、様々に発展する技術をいち早く取り込むことを可能とします」とその未来への進化に期待を覗かせている。

※パリモーターショー2016での「GLM G4」コンセプト

一方、ATS社のCEO Armin G. Schmidtは「コネクティッド・カー向けのソフトウエア・アップデートの提供や重大なバグ修正の提供には、OTAアップデートは必須です。

さらに重要なことは、OTAアップデートは顧客関係の構築、リアルタイムでの顧客体験のモニター、顧客へ直接付加価値サービスの提供を実現できます。

当社は、Automotive Grade Linux (AGL)の世界共同プロジェクトでOTA開発をリードしています。

AGLは自動車向けのアプリケーションをオープンソース・ソフトウェアとして開発するLinux Foundationのワークグループで、日本からもトヨタやホンダ、日産といった主要な自動車メーカーも参加しています。

これを踏まえ当社は、GLMに高い技術を提供できると信じています」とコメントしている。