トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:佐藤恒治)は、先の7月31日の国土交通省による是正命令を踏まえた5月30日、国土交通省へ四半期報告の三回目として、再発防止の進捗状況を報告した。
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再発防止の具体的な進捗
トヨタでは、「基盤の強化」「ものづくり」「人づくり」を3つの柱とし、従業員一人ひとりが法令遵守の意識を高め、正しい仕事ができる仕組み・体制の見直しを進めてきた。
また、経営層が現場で、異常に対して適切なアクションを迅速にとる「現場経営」を推進している。そんな上記の取り組み姿勢を前提に同社は、トヨタは以下の、優先順位と活動計画を設定して全社で推進しているとした。
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基盤の強化
– 経営層が認証業務の現場を回って困りごとを把握、対応策を即断即決する体制を継続。
– 現場の苦労や頑張りを把握し、経営として動くべきことを認証関連の役員級ミーティング(毎週実施)で継続して議論する。
– 車両開発過程での異常管理、社内審査官による認証業務の監査、これら異常管理・監査業務に対する第三者監査を継続する。
– 認証関連部署の現場実態を把握し、計画的な人材育成と共に、認証業務負荷に応じた適切な人的・物的リソースの充当を推進する。
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ものづくり
– 開発中プロジェクトに対し、再発防止策を織り込んだ新運用を継続する。
– 適用される法規と認証業務の規模、認証日程や認証車台数の確保状況など、認証業務への影響を節目ごとに確認し経営判断する仕組み(2025年5月現在、のべ83プロジェクトを推進)を推し進める。
– 開発と認証に携わる従業員が安心して正しい業務を行い、また、困った時等に基本に立ち戻れる“拠り所”として基本事項を定義する。
– 経営層による現場課題への対策議論を前回の報告以降10回実施(計32回)、適時、取締役会に報告する運用を継続する。
– デジタル技術を活用した転記作業等の削減による現場負担の低減させる。
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人づくり
– 経営層と従業員の対話を開発や認証に加え、企画や生産、販売など認証に関連する様々な現場で継続中。
– 継続的な社長メッセージの発信を実施(計16回)。
– 認証試験中であることを周囲が認識し、適切な支援が図れるよう認証試験実施者が着用する専用ユニフォームを制作し、2025年5月より着用開始。
– 認証業務に関する社内教育を継続。2025年4月に新入社員を対象とした、法令順守の重要性と業務を実施する上で遵守すべき基本事項の理解浸透を実施する。
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最後にトヨタでは、「昨年2月より、グループの責任者であるトヨタ会長 豊田章男が中心となり、グループ会社に呼び掛け、法規認証TPS自主研をスタートさせました。
目指したのは改善を通じた、より良い仕事の仕組みづくりです。
引き続き、認証工程につながる企画、開発、設計、生産、販売等、さまざまな現場に社長以下経営層が日々現場に入り、各工程の停滞要因を明確にし、異常がわかる仕組みづくりに取り組んでおります。
ステークホルダーの皆様にあらためて信頼いただけるよう、今後も全社一丸となって、正しい認証を実施するための改善を継続してまいります」と結んでいる。