トヨタ、新型プリウスに採用される先進技術を公開


トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、社長 : 豊田章男、以下、トヨタ)は、新型プリウスの発売時期を12月予定とし、採用する主な技術内容を公表した。

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初代プリウスは、次世代環境車の先駆けとして1997年に誕生。2代目で燃費向上を推し進めると共にトライアングルシルエットを採用。

3代目で、JC08モード走行燃費32.6km/Lを実現し、ハイブリッドカーを広く普及させたクルマとして環境意識の高まりに貢献してきた。

そして今回4代目となる新型プリウスの開発コンセプトは、「Beautiful Hybrid(美しい地球・美しいクルマ)」。

プリウスのDNAともいえる優れた燃費性能の進化はもちろんのこと、感性に響くスタイルやヒト中心のインテリア、運転の楽しさ、先進の安全性能、そして災害時には電源供給のためのエネルギー機器になるという「社会との共存への配慮」を念頭に開発を進めてきた。

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加えてToyota New Global Architecture*2(以下、TNGA)によるクルマづくりの構造改革を実施。40km/L(一部グレード)の低燃費の実現とともに「走りの良さ・乗り心地の良さ・静かさ」といった基本性能の大幅向上を目指している。

これらの実現により、新型プリウスは、人や社会にやさしい存在として時代を先駆ける「プリウス*3」であることの存在意義を改めて問うクルマとなった。

なお、新型プリウスは、2015年10月28日より開催の第44回東京モーターショー2015*4への出展される。

*1 開発目標数値(JC08モード)、社内測定値
*2 トヨタが全社を挙げて取り組む、クルマづくりの構造改革。パワートレーンユニットとプラットフォームを刷新し、一体的に新開発することにより、クルマの基本性能や商品力を飛躍的に向上させることを目指す。
*3 プリウスの名前は「先駆け」の意を持つことから命名
*4 プレスデー : 10月28・29日、特別招待日 : 10月30日、一般公開日 : 10月30日~11月8日

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参考プロトタイプモデル主要諸元(トヨタ内測定値)

主な特徴
– 低重心パッケージによる走りの良さを訴求するスタイル、先進的で温かみを持たせたインテリア。

– 「ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)*5」をコンセプトに、人の記憶や直感でわかる、先進機能に遊び心を融合させた一目でプリウスとわかるユニークなデザイン。

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エクステリア
– プリウスの象徴でもあるトライアングルシルエットに、TNGAによる低重心パッケージを融合させた先進的でエモーショナルなデザイン。

– トヨタマークからサイド、リヤへと抜ける低い軸をボディに通すことで、低重心を強調し、ロッカー部の光を受ける上向き面の造形でもさらなる低い構えを強調。また、ベルトラインを前傾させ、エモーショナルな躍動感を表現。

– 従来型に対し全高を20mm下げ、ルーフピークを170mm前に出しさらに空力性能を高め、クラス世界トップレベルのCD値0.24を実現。

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– ノーズ先端を70mm、フード後端を62mm低くした低重心パッケージのかっこいいスタイルは、前方視界の向上にも貢献。

– ヘッドランプには、一眼でハイビームとロービームの機能を持たせたBi-Beam LEDヘッドランプを採用し、精悍な目つきの個性的なデザインを採用。また、三角形状の輪郭を持たせシャープな印象を与えるLEDクリアランスランプを採用。

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– リヤビューは、空力の良さをエモーショナルにデザインし、リヤスポイラーからリヤコンビネーションランプ、リヤバンパーサイドのコーナーエッジへとつながる、ユニークな線使いをしながら高い空力性能を実現。

– ボディカラーは、スポーティな存在感を強調する鮮やかで透明感のあるエモーショナルレッド、車体表面の温度上昇を抑える機能を持つサーモテクトライムグリーン、先進性とプレミアムな印象を併せ持つスティールブロンドメタリックの新規開発色3色をはじめ、全9色を設定。

インテリア
– 歴代モデルが継承してきた“人にやさしいデザイン”を基本に、先進感と温かみのある空間を表現。

-「表示系遠方・操作系手元配置」を基本に、インストルメントパネルを低い位置で薄く造形し、開放感を付与しつつ乗る人をやさしく包み込むような一体感のある空間を表現。

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– ステアリングホイールとフロントコンソールトレイにホワイト加飾を設定。

– 先進的なプリウスにインパクトと人のぬくもりを付与。

– シートは、長時間ドライブでの負担を軽減し、快適性を追求。

– 特にフロントシートは、シート内のバネ特性の最適化を図り、腰や筋肉への負担が少ない骨盤角度を実現。さらにシート内のクッションパッドの素材や厚みの工夫により、坐骨部に集中しがちな圧力を周囲に分散し、包み込まれるようなフィット感を実現。

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– 一方リヤシートは、クッション性の最適化や着座時の接触面積の拡大により、フロントシート同様の優れた座り心地を実現。

また全高を下げながらもゆとりのスペースを確保するため、天井の形状を工夫し従来型同等以上の頭上のゆとりを確保。

– 目標燃費40km/L(一部グレード)を実現するために進化したハイブリッドシステム。

  • エンジンは、排気量1.8Lの改良型2ZR-FXEで、クラストップレベル*6の最大熱効率40%を実現。

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– 吸気ポートやピストン形状の改良により、燃焼室内の気流を強化。加えて点火の高エネルギー化により、燃焼速度を向上させ大量のEGR(排気再循環)ガスを導入することで燃焼効率を向上。

冷却水通路の改良によるエンジン内部温度の最適化、各摺動部品のフリクション低減や低粘度オイルの採用によって熱効率を向上。

– エンジン冷却水流量切り替えバルブを追加し、エンジン暖機を早めるシステムを初採用することで冷間燃費も向上。

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– モーター、トランスアクスル、パワーコントロールユニット、駆動用バッテリーの小型・軽量化、低損失化を図り、スペースの有効活用と燃費向上に貢献。

– トランスアクスルは、モーターの複軸配置やリダクションギヤの平行軸歯車化(プラネタリギヤから変更し低損失化)などにより、従来型に対して小型化、かつ約20%の損失低減を実現。

– 新巻線方式を用いた高回転モーターを新開発。小型化や高出力密度化を実現。

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– パワーコントロールユニットは、低損失素子を採用し、約20%の損失低減を実現。また、小型化したことでトランスアクスル直上搭載を実現。

従来ラゲージスペースに設置していた補機バッテリーのエンジンルームへの移動を可能とした。また、駆動用バッテリーをリヤシート下に配置することによりラゲージスペースの拡大(従来型446L→新型502L)に貢献。

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– 駆動用バッテリーは、リチウムイオン電池(上段)、ニッケル水素電(下段)池共に新開発し、高性能・小型化を図りリヤシート下への搭載の実現と燃費向上に貢献。

– 暖機状態に合わせてシャッターを自動開閉する「グリルシャッター」の採用や、エンジンの排気熱を回収して冷却水の早期昇温に再利用し、エンジンの暖機に利用する「排気熱回収器」の小型化・回収性能の向上など、暖機性能の向上技術で低燃費に貢献
進化した安全性能の上に、いつまでも乗り続けたくなる「走りの楽しさ・乗り心地の良さ、静かさ」。

– 新たな安全性評価をクリアした、衝撃吸収ボディと高強度キャビンからなる最新のGOAボディを採用。

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– 低重心化とボディ剛性向上により、安全・安心にドライバーの意図したとおりの走りを実現。

– 重心高を下げることで走行時の車両の優れた安定性と、同乗者にも優しい横揺れの少ない乗り心地を実現。

– ボディは、TNGAの思想に基づき環状構造の骨格を採用し、ボディのねじり剛性は従来型から約60%向上。

また、スポット溶接に比べて溶接打点の間隔を狭くすることを可能にしたレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用ボディ接着剤の採用により、板金部分の接合剛性を上げ、安定した走りやしっとりとした上質な乗り心地を実現。

– 高い強度と軽量化を両立するホットスタンプ材を利用するなど、980Mpa以上の超高張力鋼鈑の採用率を、従来型3%から19%に拡大。

快適な乗り心地、静粛性を実現

– 前席乗員着座位置を59mm下げるとともにステアリングやペダル類の配置を最適化し、疲れにくく運転操作しやすいドライビングポジションを実現。

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– リヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用し、高い走行安定性を確保しながら段差乗越え時のインパクトショックを大幅に低減するなど、気持ちの良いコーナリング性能やショックの少ない優れた乗り心地を実現。

– 振動、騒音を抑える高剛性ボディに加え、接合部の隙間を徹底的に排除し、ドアや窓・フロアカーペットから天井に至るまで吸遮音材を効果的に配置することで実内の高い静粛性を実現。

走りを楽しくする加速感を追求

– 電池・モーターの活用などハイブリッド制御を改良し、発進加速フィールを向上。少ないアクセル操作でダイレクトな加速フィールを実現。

– パワーモードでは、ワインディングなどを軽やかに走行できるよう、車両前後左右の加速度からドライバーの走行マインド(意志)推定を行い、減速度やアクセルレスポンスを自動可変させる制御を新開発。

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– ブレーキには回生協調式のアクティブ・ハイドロブースター*7を新開発し、コントロール性を大幅に向上。自然なブレーキフィールを実現

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– 「先駆け」の名を持つプリウスにふさわしい充実の先進装備
ミリ波レーダーと単眼カメラを用い、総合的な制御により、クルマだけではなく歩行者も認識する歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールをはじめ4つの先進安全機能をセットにした衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を採用。

– アクセル・ブレーキペダル操作の有無に関係なく、低速での取り回し時での接触回避、または被害の軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」を採用。

さらに側面の超音波センサーを使って右左折時の巻き込みを警報する機能を搭載し、さらなる安全性向上に貢献。

– 超音波センサーを使って周囲の障害物を検出し、駐車スペースを認識。駐車したいスペースの前で停車し、スイッチを押すだけで、適切な後退開始位置への誘導と後退駐車のためのステアリング操作をアシストする「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」を採用。障害物の検出精度を向上したことで、画像認識なしでも高い駐車制度を実現。

– 隣の車線を走る車両をレーダーで検知。車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターを点灯させドライバーに知らせる「ブラインドスポットモニター」を採用。

– 多機能の上にも使いやすい・見やすい4.2インチカラーTFTのツインメーターを採用。

右側を速度や燃料計などの基本情報を表示。左側をステアリングスイッチで切り替えられる「マルチディスプレイ」とし、機能性と先進性を表現。

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– 車速や警告類をフロントウィンドウに表示し、視線移動を最小限に抑えた「カラーヘッドアップディスプレイ」を採用。
ステアリングホイールの握り部分に昇温と降温を抑制する機能を持たせた合成皮革素材を採用し、快適性が向上。

– 助手席・後席の乗車有無や室内温度などを検知し、人が乗っていない席の空調を自動で抑制することにより、乗員の快適性と低燃費を賢く実現させるS-FLOW(一席集中モード)を採用。

– ITS専用周波数(760MHz電波)を活用し、クルマのセンサーでは捉えきれない見通し外の情報や信号情報を、道路とクルマ、あるいはクルマ同士が直接通信して、ドライバーに知らせることで安全運転を支援するITS Connectを設定。

– 雪道での安定した走りを歴代プリウスで初めて実現するE-Four(電気式4輪駆動方式)を新開発。

– 雪道での一般的な走行における発進をアシストすることにより、安定した走りを実現するE-Four(電気式4輪駆動方式)を新開発。システムの小型・軽量化により、優れた燃費性能に貢献。

2WDのパッケージをベースに、車両後方にシステムをコンパクトに配置することで、足元スペースやラゲージスペースを確保。ラゲージ容量は2WD車(スペアタイヤ装着車)と同等の457L。

*5 ICONIC一目でプリウスとわかるシンボリックなデザイン、Human-tech人の記憶や直感でわかる先進機能
*6 2015年10月現在のガソリン車での比較。トヨタ調べ
*7 ブレーキの倍力装置