スーパーGT開幕。新たなスター胎動の予感、トヨタの悲願達成なるか?注目の2016年


super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-13

岡山国際サーキットで、いよいよ「OKAYAMA GT 300km RACE」開幕

水温む季節を迎え、国内モータースポーツも本格稼働した。スーパーGTでも、2016年AUTOBACS SUPER GTシリーズの開幕戦が迫ってきた。

その日は、4月9日(土)~10日(日)の両日。舞台は岡山県美作市(岡山県美作市)の岡山国際サーキット。いよいよSUPER GTの開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が開催される。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-7

2010年シーズンから開幕戦のホストサーキットを務めてきた岡山国際サーキット。過去にはF1が開催されたこともある。

1周は3.703kmとSUPER GTのシリーズ戦が行われるサーキットでは最も短いが、高速コーナーからバックストレートにかけての前半部分と、テクニカルな中低速コーナーが続く後半部分という性格の違うレイアウトを併せ持つ、非常にテクニカルなコースだ。

岡山は、迫力ある走行&バトルシーンでモータースポーツファンの人気を集めるコース

観戦エリアからコースまでの距離が短いことでもよく知られている。それだけにレース当日は多くのファンがフェンス越しとは言え、迫力ある走行&バトルシーンに釘付けとなる程、モータースポーツファンに人気が高い。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-11

そうしたなかGT500クラスは、規則が大きく変更された2014年に現行車両になって3年目。より熟成が進んだマシンで昨年以上のバトルが繰り広げられる。LEXUS勢も2014年より、LEXUS RC Fをベースに2リッター直列4気筒ターボの「RI4AG」エンジンを搭載した車両で参戦しており、今季で3年目となる。

トヨタ勢は、過去2シーズン共に複数の勝利を挙げるなど速さを見せ、最終戦までタイトルを争うも、惜しくもチャンピオン獲得は果たせなかった。

3年目の今年は熟成が進んだ車両&エンジンと、僅かな入れ替わりがあったものの、実力派ドライバーの揃った参戦体制で、タイトル獲得を目指す。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-2
岡山国際サーキット コースレイアウト

恒例となったテクニカルサーキットでの開幕戦、序盤はトヨタ有利の可能性が見える

ちなみに昨2015年の開幕戦岡山ラウンドは、雨が降ったり止んだりと天候に翻弄されるレースとなったが、KeePer TOM’S RC F 37号車が終盤独走し勝利。37号車にとっては2014年に続き、2年連続の開幕戦勝利となった。

昨年の開幕戦で、SUPER GT初勝利を挙げた平川亮は、今年も引き続き37号車をドライブするが、相棒はジェームス・ロシターへとチェンジ。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-4
WAKO’S 4CR RC F 6号車

昨年37号車をドライブしていたアンドレア・カルダレッリは大嶋和也とコンビを組み、新たなスポンサー&カラーリングとなったWAKO’S 4CR RC F 6号車を駆る。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-3
36号車 au TOM’S RC F

同じくスポンサーとカラーリングが変わったau TOM’S RC F 36号車は、37号車へ移籍したロシターに代わり、昨年の全日本F3チャンピオンであるニック・キャシディがベテラン伊藤大輔と組む。

james-announced-the-2016-motor-sports-system20160403-5
39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F

WedsSport ADVAN RC F 19号車は、関口 雄飛に6号車から移籍の国本 雄資が加わり、フレッシュなコンビに。ZENT CERUMO RC F 38号車(立川 祐路/石浦 宏明)と、DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車(ヘイキ・コバライネン/平手 晃平)は昨年と変わらぬ布陣でタイトルに挑む。

先の岡山の公式テストを見た限りでは、幾何かの課題が残るNISSAN勢

年が明け、2016年3月半ばに行われた岡山での2日間の公式テストでは、両日共に非公式ながらNo.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)と、No.37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)のLEXUS RC Fがコースレコードを更新する速さを見せトップタイム。LEXUS勢が上位を占め、前季からシリーズ総合優勝を逃し続けて来たトヨタ勢にとって、開幕戦への期待を高める。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-23
No.38 ZENT CERUMO RC F

37号車は、現行規定になって岡山を連勝中であり、昨年優勝した37号車コンビのカルダレッリと平川亮がそれぞれに乗っているだけに、この2車が岡山の戦いの中心となりそうだ。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-1
KeePer TOM’S RC F 37号車

岡山テストでは他のRC F勢全般のタイムが良く、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)は、翌週の富士公式テストではトップタイムを記録している。それだけに、RC Fの岡山3連覇は充分にあり得る。

対して、彼らRC F勢を脅かす1番手となりそうなのは、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)だ。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-27
No.12 カルソニックIMPUL GT-R

岡山、富士のテストでも常に上位のタイムを出し、好調なのは明らかだ。昨年は未勝利で悔しいランキング2位で終わっただけに、今季早々に1勝目を狙っている。

一方、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、両テストでのタイムは中盤にとどまっている。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-9
No.1 MOTUL AUTECH GT-R

持ち込んだタイヤが気温、状況にあっていないだけというコメントも聞かれるものの、いずれにしても本番では強い1号車の本領を見たいところだ。ただ岡山のテストで、GT-R勢にマシントラブルが多発したのが唯一の不安材料だ。

追撃するホンダ勢は、パワーユニット形式の大幅な刷新が今季の鍵を握る

これらを追撃するのは、NSXを配するホンダ勢だ。ただCONCEPT-GTは、テストでのタイム的には目立つものが無く、昨年までの2年間使ってきたハイブリッドシステムを、今季は搭載しないことを決定している。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-26
No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT

そのこと自体には、プラス面もありマイナス面もあると思われる。しかし気になるのは、マシンバランスの見直しや新たなセッティングの見極めに時間が必要であることだ。

さらに岡山のテストでは、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が、富士テストではNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)が上位タイムを記録している。

なかでも特に100号車は岡山を得意としているだけに、大方の予想を覆す可能性もある。

もうひとつ、GT500クラスでのダークホースは、ルーキーの参戦だ。今季のGT500では2人のルーキーが参戦する。

マシンカラーが一新されたNo.36 au TOM’S RC Fではベテラン伊藤大輔のパートナーに、昨年のGT300クラスにスポットで参戦しているだけの新人が抜擢された。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-12

それはGTの実績は浅いものの、昨年の全日本F3でチャンピオンを獲得した新鋭のニック・キャシディである。

歴戦の実績に伴う熟練した作成構築能力を持つLEXUS TEAM TOM’Sと、伊藤のリード次第では勝利の可能性も充分にあり得る。

さらにもう1人のGT500ルーキーは、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代勝正だ。こちらも大先輩の本山哲がパートナー。

その千代は昨年のGT300チャンピオンを完璧にサポートし2勝を挙げ、加えて海外耐久レースではGT-Rを駆って、チャンピオンを獲得。

オフシーズンのテストではGT500のGT-Rも走らせており、即戦力、即結果の期待が高い。この2人の活躍は、開幕戦の注目点だ。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-24

FIA-GT3車両の参戦で、世界のスポーツカーレーサーが集う見本市の様相

GT300クラスでは、FIA-GT3車両の海外GTを中心に新型が多数登場し、大きく勢力図が変わる可能性がある。そもそも2016年のGT300クラスは、シーズン開幕を前に目まぐるしい新車ラッシュが続いている。

まずJAF-GT300車両では、昨年の岡山勝者No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)のプリウスに注目が集まる。

james-announced-the-2016-motor-sports-system20160403-4

岡山のテストでもクラストップのタイムを叩き出し、岡山連勝の声も高い。だが、テストではトラブルで十分走り込めなかった様子が、気になる。

次に昨年2勝を挙げるも、ランキング3位となった嵯峨 宏紀/中山 雄一組のTOYOTA PRIUS apr GT 31号車に加え、永井 宏明/佐々木 孝太組のTOYOTA PRIUS apr GT 30号車が参戦。2台態勢で好成績を狙っている。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-6

また、飯田 章/吉本 大樹組 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車も昨年に引き続き参戦する。 31号車は、昨年の岡山を制しており、先の公式テストでも1日目にトップタイムをマークした。

GT300レースの勝敗の行方を握るかもしれないダークホースの存在

FIA GT3車両の新型で注目なのはランボルギーニ・ウラカンGT3だ。岡山テストの2日目トップタイムをNo.88 マネパランボルギーニGT3(織戸学/平峰一貴)が記録。従来のガヤルドとは「まったく違う。ちょっと前のGT500並み」と織戸も手応えを感じている。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-22

富士テストで好調だったBMW M6 GT3のNo.7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)と、No.55 ARTA BMWM6 GT3(高木真一/小林崇志)もおもしろい存在。

そして、岡山と言えばアウディも速いだけに、No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢)もダークホースだ。

james-announced-the-2016-motor-sports-system20160403-7

新車以外でも2年目のマザーシャシー車両(MC)も好調だ。元来テクニカルなコースレイアウトを持つ岡山は、レーシングコースに最適化されたMCにとって絶好の見せ場である。

昨年MC初勝利を挙げたNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)に、ポール2回のNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)の行方に期待が掛かる。

super-gt-premonition-of-a-new-star-fetal-movement-or-toyota-long-cherished-wish-made-the-achievement-of-2016-of-the-attention20160407-19

最後にこのGT300クラスにも先のGT500と同じくダークホースが存在する。No.3 B-MAX NDDP GT-Rのヤン・マーデンボローである。

これまで欧州のGTレースをGT-Rで走り、国内でもテストでGT車両やフォーミュラを体験。日産の育成システムNDDPで急成長の若手だ。

これまでも若手を鍛えてきた往年の名選手、長谷見昌弘監督と、現場の師匠であるパートナーの星野一樹に鍛えられ、初年度優勝どころか、タイトル獲得などGTパドックに激震を与える可能性すら期待されている。

【第1戦 岡山国際サーキット・パブリックビューイング情報】

○MEGA WEB トヨタ シティショウケース
イベント詳細 http://www.megaweb.gr.jp/article/supergt/
会場: MEGA WEB トヨタ シティショウケース 2F
東京都江東区青海一丁目3番12号
MEGA WEB ホームページ
http://www.megaweb.gr.jp/index.html

○Hondaウエルカムプラザ青山
イベント詳細 http://www.honda.co.jp/welcome-plaza/event/2016/20160410/
会場: Hondaウエルカムプラザ青山
東京都港区南青山2-1-1Honda青山ビル1階
Hondaウエルカムプラザ青山 ホームページ
http://www.honda.co.jp/welcome-plaza/

○日産グローバル本社ギャラリー
「NISSAN MotorSports LIVE with Pit-FM」
イベント詳細 http://www.nissan.co.jp/GALLERY/HQ/INFORMATION/INFO-EVENT/?id=485
会場: 日産グローバル本社ギャラリー 日産ホール
神奈川県横浜市西区高島一丁目1番1号
日産 グローバル本社ギャラリー ホームページ
http://www.nissan.co.jp/GALLERY/HQ/

○NISMO本社ショールーム
会場: NISMO本社ショールーム
神奈川県横浜市鶴見区大黒町6-1
NISMO ショールーム ホームページ
http://www.nismo.co.jp/showroom/

○スバル恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUAR」
会場: スバル恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUAR」
東京都渋谷区恵比寿1-20-8 エビススバルビル
スバル恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUAR」 ホームページ
http://www.subaru.jp/showroom/

【ニコニコ生放送で公式予選を全戦生中継】
– 4月09日(土) 14:00〜  第1戦 岡山国際サーキット・予選
*無料 生中継
– 04月09日(土) 20:00〜  第1戦 岡山国際サーキット・予選
*無料
– 04月10日(日) 14:00〜  第1戦 岡山国際サーキット・決勝
生中継

【BS放送J SPORTS・SUPER GTライブ中継&再放送】
– 04月07日(木): 06:30 – 10:00
2015 第7戦オートポリス・決勝【オンボードカメラ+】 J SPORTS 1

– 04月07日(木):12:00 – 15:30
脇阪寿一引退記念 十一番勝負! 2007年 第6戦 鈴鹿(前篇) 初回放送  J SPORTS 4

– 04月07日(木):24:45 – 25:00
2016 SUPER GT ナビ 無料放送 J SPORTS 3

– 04月08日(金):06:30 – 10:00 2015
第8戦もてぎ・決勝【オンボードカメラ+】 J SPORTS 1

– 04月08日(金):06:45 – 07:00
2016 SUPER GT ナビ 無料放送 J SPORTS 2

– 04月08日(金):12:00 – 15:30
脇阪寿一引退記念 十一番勝負! 2007年 第6戦 鈴鹿(後篇) 初回放送  J SPORTS 4

– 04月09日(土):04:45 – 06:45
モータースポーツ2016 シーズン開幕直前スペシャル! J SPORTS 3
– 04月09日(土):08:00 – 08:15
2016 SUPER GT ナビ 無料放送  J SPORTS 4

– 04月09日(土):14:15 – 14:30
2016 SUPER GT ナビ 無料放送  J SPORTS 3

– 04月09日(土):14:30 – 16:30
2016 第1戦 岡山国際サーキット・予選 生放送 J SPORTS 3

– 04月09日(土):27:00 – 05:00
モータースポーツ2016 シーズン開幕直前スペシャル! J SPORTS 2
– 04月10日(日):10:00 – 12:00
モータースポーツ2016 シーズン開幕直前スペシャル! J SPORTS 4

– 04月10日(日):12:00 – 14:00
2016 第1戦 岡山国際サーキット・予選 同日録画 J SPORTS 4

– 04月10日(日):14:00 – 17:30
2016 第1戦 岡山国際サーキット・決勝 生放送 J SPORTS 4

– 04月10日(日):19:00 – 19:23
2016 SUPER GT ナビ 無料放送 J SPORTS 2

– 04月10日(日):25:15 – 25:30
2016 SUPER GT ナビ 無料放送 J SPORTS 3

– 04月11日(月):21:30 – 24:30
2016 第1戦 岡山国際サーキット・決勝 J SPORTS 4

– 04月12日(火):11:00 – 14:00
脇阪寿一引退記念 十一番勝負! 2009年 第9戦 もてぎ 初回放送  J SPORTS 4