日産TEATRO for DAYZ、“繋がり”と“シェア”を自由に楽しむムービングツール


日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は10月5日、日本の軽自動車カテゴリーに、これまで誰も想像したことのない機能を凝縮。モバイル世代のライフスタイルに溶け込むクルマ「TEATRO for DAYZ」(テアトロ for デイズ)を発表した。

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「TEATRO for DAYZ」発表にあたり、日本の次世代カスタマーがワクワクするようなクルマを生み出す。そのために必要だったのは、今日までのクルマの概念にとらわれず、新たな価値を構築していくことだと日産では述べている。

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運転すること = それは仲間と繋がれない時間であること

かつて、多くの若者にとってクルマは憧れの存在だった。クルマを運転できることは大人の証であり、好きなときに行きたい場所へ自らの意志で移動することは、自由の象徴でもあった。

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ところが、生まれた時からそばにインターネットがあり、モバイル端末の進化とともに育った世代にとっては、その価値観が変わり始めている。

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そこで日産自動車の商品企画部・部長の佐々木 英王氏は次世代カスタマーを次のようにイメージした。「これから運転免許を取得する世代にとって、幼い頃からのコミュニケーションツールは通信機能を備えたゲームであり、EメールやSNSです。デジタルネイティブである彼らは、イベントがあるとその場で写真や動画を撮り、すぐにSNSでシェアします。

それを見た仲間は“いいね!”と意思表示をし、別の仲間にシェアする。大切なのは実体験かバーチャルかではなく、そこで得た経験を共有できるかどうかです。

スマートフォンの登場で、彼らはいつどんな時でも仲間と繋がり、情報や体験をシェアする自由を手に入れたのです。」と佐々木氏は語る。

いつどんな時でも仲間と繋がり、情報や体験をシェアする自由を手に入れたい

そんな佐々木氏は、彼らを便宜的に“Share Natives”と名づけた。Share Nativesは“モノ”に対しても、所有すること自体に喜びを感じるのではなく、所有したことで大勢の仲間と繋がるという“Fun Together”を大切にしていると考えたのである。

そうして考えてみると、Share Nativesにとってクルマはある意味もっとも遠い存在となる。

なぜなら運転中は、SNSなどで仲間と繋がることが出来ない。クルマで起こったハプニング(嬉しいことや驚いたこと)をすぐに共有できる相手は、同乗している限られた仲間だけ。

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クルマの運転をしている間はコミュニケーションが取れなくなってしまう。「Share Nativesがクルマに求めるもの。それは運転の楽しさやプレミアムな空間ではなく、自由に仲間と繋がり経験をシェアできる機能なのです」と佐々木氏はたたみ掛ける。

A Car For Share Natives –クルマに“繋がり”を求めるShare Natives
次世代カスタマーのサンプリングを繰り返す中で、佐々木氏のプロジェクトチームでは、象徴的なShare Nativesの姿が浮かび上がってきた。

洋服やアクセサリーを自分好みにカスタマイズして、仲間同士でお揃いのコスチュームを楽しんでいる事をシェアする姿。

移動中もバーチャルな世界で無数の友人と繋がってゲームを楽しむ姿。

スマートフォンやラップトップPCの壁紙を自由にアレンジし、ムードチェンジを楽しむ姿。SNSなどで知り合った仲間とオンラインでお互いの顔を見ながらパーティーをする姿。

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佐々木氏は云う、「Share Nativesが求めるクルマには、いくつかの共通する特徴があります。まず彼らはクルマ本来の目的である“移動”以外の部分に楽しみを求めています。

軽自動車のコンパクトなボディが、まるでポケットに入れて持ち運べるモバイル機器のように映る

そしてクルマはスマートフォンのように自在にアレンジできる存在であってほしいと考えていること。これは自分好みにカスタマイズするのとは異なります。

その日の気分に合わせてクルマをワンタッチでモディファイ&アレンジさせるイメージです。時にShare Nativesは、我々では考えもしない使い方を創造する可能性があります。

彼らの自由な発想でクルマを移動手段以外としても使える、楽しめるクルマを作りたかった。また、彼らは積極的に軽自動車を選ぶこともわかりました。

経済的なメリットだけでなく、軽自動車のコンパクトなボディが、まるでポケットに入れて持ち運べるモバイル機器のように映っているのです。

そして、私たち日産が得意とする電気自動車(EV)との組み合わせを検討する中において、Share Nativesにとって“充電する”という行為は日常的なものと気づきました。

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むしろ、ガソリンスタンドに行って“ガソリンを入れる”よりも、自宅で“充電する”方が彼らのスタイルに合っているのです。街乗りに十分な航続距離を有した「TEATRO for DAYZ」は、時に究極のモバイルバッテリーとなり、彼らが駆使するデジタルガジェットの電源にもなります。

それらの事から、軽自動車とEVが彼らのニーズに合致すると考えました。」

そんな佐々木氏たちプロジェクトチームが分析を具現化し、次世代カスタマーであるShare Nativesに提案するクルマを生み出す。それが「TEATRO for DAYZ」である。

そんなShare Nativesの欲求を満たすツール「TEATRO for DAYZ」

「TEATRO for DAYZ」のエクステリアやインテリアは極めてシンプルだ。コンセプトは『真っ白なキャンバス』。走行中は真っ白なインストルメントパネルに計器類や地図などが映し出される。

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また「TEATRO for DAYZ」がその威力を発揮するのは、運転を終えてから。

車名となったイタリア語の“TEATRO”は英語で“Theater”を意味します。その名の通り「TEATRO for DAYZ」は、まるで劇場や映画館にいるかのように、インストルメントパネルをはじめとしたインテリア全体にリアルな映像を映し出すことができる。

何を映して遊ぶかは、カスタマーであるShare Nativesの自由。「TEATRO for DAYZ」を駆使し、アウトドアに即席フェスティバル会場を生み出したり、視界いっぱいにゲーム画面を映して大音量でゲームを楽しむこともできる。

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また、季節の変化やその日の気分でインテリアのデザインをアレンジしたり、離れた友人と旅先で出会った幻想的な風景を仲間とオンラインでシェアしながらパーティーを楽しむことだって出来る。

エクステリアには、自己表現を楽しむためのLEDスクリーンを搭載。車内だけでなく外でもアイデア次第でさまざまな楽しみ方を実現できる。

「TEATRO for DAYZ」で遊ぶ様子は、スマートフォンはもちろん、車載カメラからもすぐにシェア。そしてEVである「TEATRO for DAYZ」はスマートフォンをはじめとするガジェット類の電池切れの不安から解放されることを意味する。

レイアウトの制約から解放されたHuman Machine Interface
「TEATRO for DAYZ」のHuman Machine Interface (HMI)は、既存の概念とは大きく異なる。

インテリア全体をスクリーンとして活用するという新発想

ドライバーの目の前にあるのはステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダルだけ。他のHMIは、真っ白なインストルメントパネルに現れる。

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運転中はドライブモードとなり、計器や各種インフォメーションをすべてインストルメントパネルのスクリーンに映し出す。メーターやカーナビゲーションなどは、好きな場所に、好きな大きさで自由に配置。不要なものは消してスペースを有効に使えるのが特徴である。

長くクルマに親しんできた世代とはまったく異なる楽しみをクルマに見出すShare Nativesならではの想像力を刺激する「TEATRO for DAYZ」には、無限の可能性が詰まっている。

インテリア全体をスクリーンとして活用するという機能は、今後テクノロジーの進化により実用化できるようになるだろう。

真っ白な姿で佇み、起動後は車内や車外に様々な世界を映し出す。躍動感ある「TEATRO for DAYZ」の姿は、東京モーターショー2015の会場やコンセプトムービーで眺めることが出来る。

その時、皆様の中に眠った無限の創造性が目を覚まし、多くのアイデアが湧き立つのを感じられるはず。“クリエイティブ心の刺激”。これこそが「TEATRO for DAYZ」最大の機能。まったく新しいこのガジェットをどう使うかは、手にしたShare Nativesたちの手に委ねられている。