日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)のフォーミュラEチームは、第8・9戦が開催された東京と、第10・11戦の上海に続き、ジャカルタで開催される第12戦への参戦準備を整えている。
この間、オリバー ローランド選手はドライバーズランキングをリードし続けており、チームメイトのノーマン ナトー選手も上海での6位入賞を弾みとして更なる飛躍を目指している。
チームにとってジャカルタ戦はチームランキングでの首位奪還、また26ポイント差で首位に立っているマニュファクチャラーズランキングの順位を維持するための重要なレースとなる。
ジャワ島での開催は、フォーミュラEにとってシーズン8と9に続く3回目の開催となる。日産フォーミュラEチームにとってジャカルタは、かつて2023年に開催されたレースで、4位と5位というダブルポイントフィニッシュを記録した「ツキがある」場所でもある。
今回のコースは、北ジャカルタに位置し、アンコールビーチから徒歩圏内の2.4キロメートルのサーキットで18のコーナーを有し、コーナー1と16が追い越しの絶好のチャンスとなっているコースだ。
急激なブレーキングが求められるゾーンと、コーナーの連続する高速セクターが組み合わさることで、ドライバーと車両のどちらにとっても難易度自体は高い。
またそもそもインドネシアの首都は高温多湿で、レース当日は気温が30度を超える予報があり、且つ、レースの数日間には雷雨の予報が出ているため雨の可能性がある。
こうした条件下ではタイヤの消耗や部品の過熱が発生する可能性があり、車両の性能を最大限に維持するために細心の注意を払わなければならない。
金曜日の現地時間16:00(UTC+7)からフリープラクティス、予選は土曜日の10:20開始、レースは15:05にスタートする。
日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター、およびチームプリンシパルであるトマソ ヴォルペ氏は、「インドネシアでの開催を嬉しく思います。ジャカルタでの過去のレース同様、高温と多湿がレース全体の主な課題となります。
これはチームやドライバーだけでなく、車両にも影響を及ぼします。そのため、全員の健康管理と車両部品の温度上昇を防ぐために特別な配慮が必要です。
シーズン11の最後のシングルヘッダーとなるジャカルタ戦は、追い越しが難しいサーキットなので、予選で良い結果を出すことと堅実なレース戦略が重要です。シーズン最後まで全てのランキングで戦い続けるために、両車でポイントを獲得し続ける必要があります」と述べた。
またオリバー ローランド選手は、「ジャカルタは私が本当に楽しみにしているトラックです。経験は多くありませんが、シングルヘッダーの場合、準備が少なく、1種類のレースに集中することができる反面、予選へのプレッシャーが増します。
シーズン全体の結果を考慮すると、今回のジャカルタ戦は非常に重要です。温度管理はイベントの重要な要素であり、車両とタイヤの温度を常に管理することが求められます。
私の目標はいつも通り、集中してデュエルに入り、しっかりとポイントを獲得することです。全てのランキングで戦うために攻めの姿勢でレースに挑みます」と話している。
更にノーマン ナトー選手は、「このサーキットは低速コーナーと高速コーナーの組み合わせが良く、非常に楽しいレイアウトですが、一方でタイヤの温度上昇抑制と消耗との戦いとなります。
レースは週末に一度だけなので準備は少なく、シミュレーターではレースシナリオを一つ計画するだけです。今週末、チームランキングとマニュファクチャラーズランキングのためにできるだけ多くのポイントを獲得できるように準備を整えます」と語った。
最後に日産フォーミュラEチームでリザーブ兼シミュレータードライバーを務めるセルジオ セッテ・カマラ選手は、「ジャカルタの主な課題は温度管理です。
ドライバーにとっては体への負担が大きく、車両もバッテリーやパワートレイン、その他のコンポーネントにストレスがかかります。今年の他のレースと比較して、このサーキットはよりオーソドックスなストリートコースで、壁が狭いため、各コーナーでの危険性が増しています。
またメインラインを外れると、埃が多くなり、走行が難しくなるため、ドライバーは正確な運転技術が必要とされます。追い越しを狙いやすいのは、メインストレートからコーナー1に入るタイミングか、スペースに余裕がある最終セクターを通過するタイミングです」とのコメントを残している。