オンセミ、GlobalFoundriesと次世代GaNパワーデバイスの開発で協業

AIデータセンター・自動車・航空宇宙など市場向け分野でポートフォリオ拡充

オンセミ(onsemi/本社:米国アリゾナ州スコッツデール、CEO:ハッサーン・エルコーリー)は12月19日、GlobalFoundries(Nasdaq: GFS)(GF)と協業契約を締結し、GFの最先端200mm eMode GaN-on-siliconプロセスを使用して、高度な窒化ガリウム(GaN)パワー製品を650V製品から開発・製造することを発表した。

この協業は、オンセミの高性能GaNデバイスおよび統合型パワーステージのロードマップを加速させ、AIデータセンター、電気自動車、再生可能エネルギー、産業システム、航空宇宙、防衛、セキュリティ分野で増大する電力需要に対応する高電圧製品を追加して、ポートフォリオを拡充する。

同協業についてオンセミ コーポレート戦略担当バイスプレジデントのディネッシュ・ラマナーダン氏(Dinesh Ramanathan)は、「この協業は、オンセミのシステムおよび製品に関する専門知識とGlobalFoundriesの先進的なGaNプロセスを融合し、成長著しい市場向けに新しい650Vパワーデバイスを提供するものです。

これらのGaN製品を当社のシリコンドライバやコントローラと組み合わせることにより、お客様はAIデータセンター、EV、宇宙用途などに向けてイノベーションを推進し、より小型で高効率なパワーシステムを構築できるようになります。当社は2026年前半にお客様へのサンプル提供を開始し、迅速に量産体制に移行する予定です」と説明している。

またGlobalFoundriesで CBO(最高事業責任者)を務めるマイク・ホーガン氏(Mike Hogan)は、「当社の200mm GaN-on-Siプラットフォームと米国拠点の製造能力を、オンセミの深いシステムおよび製品の専門知識と組み合わせることで、高効率ソリューションを加速させ、データセンター、自動車、産業向け、航空宇宙、防衛などの重要市場向けに強靭なサプライチェーンを構築しています。

オンセミを主要なパートナーとして、AI、電動化、持続可能エネルギーの新たな要求に応えるGaN半導体の開発を継続してまいります」と述べた。

これによりオンセミは、業界をリードするシリコンドライバ、コントローラ、熱特性が強化されたパッケージをGFの650V GaN技術プラットフォームと組み合わせ、より高い電力密度と効率を備え最適化されたGaNデバイスを提供する。

なおこれには、AIデータセンター向けの電源やDC-DCコンバータ、電気自動車向けのオンボードチャージャやDC-DCコンバータ、ソーラーマイクロインバータやエネルギー貯蔵システム、産業および航空宇宙、防衛、セキュリティ用途向けのモータードライブやDC-DCコンバータが含まれる。

この結果、オンセミのパワー半導体ポートフォリオが拡充され、低、中、高電圧の横型GaNから超高電圧の縦型GaN(vGaN)まで、GaN技術のあらゆる領域をカバーできるようになり、システム設計者はより小さなスペースでより大きな電力を供給する次世代パワーアーキテクチャーを構築できるようになる。なお、これらのGaNの利点は以下の通り。

高周波動作
GaNはより高いスイッチング周波数で動作するため、効率と熱特性を改善しながら、部品点数、システムサイズ、コストを削減できる。

双方向機能
GaNの双方向機能は、従来の単方向トランジスターを最大4個置き換えることができるまったく新しいトポロジーを可能にし、コスト削減とシンプルな設計を実現する。

統合された機能
GaN FETとドライバー、コントローラ、アイソレーション、保護機能を単一パッケージに統合することにより、設計サイクルの短縮および電磁干渉の低減が可能になる。また熱特性が強化されたパッケージと最適化されたゲートドライバーにより、高速スイッチング時でも性能と信頼性を向上させること可能となる。

スケジュールと提供時期
オンセミは2026年前半にサンプル提供を開始する予定としている。