最小回転半径の改善で、日常の取り回しの良さをさらに向上
日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は6月9日、新型「日産リーフ」のインサイトビデオシリーズの第2弾として、第3世代となる新型「日産リーフ」のサスペンションや取り回し性能、改善した熱をマネージメントする機能、そしてより静かで洗練されたキャビンについての詳細を公開した。
日産グローバル商品企画部門で責任者を務めるリチャード・カンドラー氏は、新型リーフのパワートレインとサスペンション構造について、「優れた応答性と、スムーズさを洗練させ、より自信に満ちた走りを提供します。同車は、こうした性能を最大限に引き出せるように開発されました。
新型リーフは、新型の電動パワートレイン〝3-in-1〟を初めて採用しました。
従来3つに分割されていた主要なコンポーネントをパッケージ化することで、現行モデルより10%小型化し、最大出力は160kW(214hp)で最大トルクは355Nm(261lb-ft)となっています。
ハンドリングと乗り心地を向上させたマルチリンク式リアサス
併せて新型リーフでは、改められたパワートレインやサスペンションの改良、遮音性能の改善により、より静かで洗練されたキャビンを実現しました。
日常の走行を想定した速度(時速50km/h程度)では、現行モデルよりも静粛性を最大2デシベル向上しています。
更にパワートレインの小型化に伴い、空調ユニット(HVAC)を室内ではなくモータールーム内に配置することで室内空間を向上させ、空間効率をつきつめた圧倒的な開放感をもたらすキャビンを実現しました。
またリアにマルチリンクサスペンションを採用しました。これにより車体の横剛性が66%向上し、CMF-EVプラットフォームと高剛性ボディ構造と相まって、俊敏性と乗り心地が大幅に改善されています。
なおホイールサイズは19インチですが、最小回転半径を0.1メートル(3.94インチ)改善し、5.3メートルを実現しました。これは、ラックアシストタイプの電動パワーステアリングシステムの改良によるもので、都市部での車両の取り回しの良さを確かなものにしています」と、各部の改良ポイントについて説明した。
エネルギー制御の改善を施し、航続距離の延長を可能にした
加えて日産テクニカルセンターで開発を主導したチーフ・ビークル・エンジニアの磯部 博樹氏は、「開発チームの最優先事項は、熱をマネージすることによる効率化とエネルギーの無駄をなくすことでした。
例えば、車載充電器(OBC)が充電中に発した熱を、捨てるのではなくバッテリーを温めるために利用するなどしています。これを実現するために、新しい水冷式のバッテリー温調システムを採用しました。
これは、車載充電器が発生する熱を回収して、バッテリーを温めるように使うなどし、特に寒冷地での充電性能・回生性能を向上させます。
この熱マネージメントシステムにより、バッテリー性能の効率化を突き詰め、エネルギーを節約することで航続距離の延長を可能にします。
このように、新型リーフは、新型のパワートレイン、高度な熱マネージメントシステム、進化したプラットフォーム、改良されたリアサスペンションが一体となり、より洗練された自信に満ちた走りを実現しています」と結んだ。