ケーヒン、FCV用の「高圧水素供給バルブ」で世界初の国際基準を獲得


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燃料電池電気自動車用高圧水素供給バルブの「GTR No.13」に世界初適合

株式会社ケーヒン(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:田内常夫)は、FCVの水素タンクに元弁として取り付ける「高圧水素供給バルブ」を新開発。同製品で、国際圧縮水素自動車燃料装置用附属品技術基準「UN Global Technical Regulation(GTR) No.13」に世界で初適合させた。

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未来の次世代車両として、内外から期待を集めるFCVこと燃料電池自動車。その動力源となる水素は、最大87.5MPa(メガパスカル)の高圧でタンクに充填し、今回開発した高圧水素供給バルブによって水素を封止・供給する仕組みとなっている。

ちなみに「Pa」ことバスカルは圧力の単位だが、MPaのMの意味するところは10の6乗である。つまり1MPaでは、1平方メートルに10^6Nの圧力が掛かることになる。従って、高圧水素供給バルブは、水素を安全かつ確実に制御するために最も重要な製品である。

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同社は、-40℃~+80℃という厳しい温度環境下で、最大105MPaの気密性が求めらる「GTR No.13」基準に合格する高圧水素供給バルブを、これまで培ってきた天然ガス車用の高圧ガス制御技術を活用して開発に漕ぎ着けた。

なおこの「高圧水素供給バルブ」の製造にあたっては、宮城県丸森町の宮城第一製作所に、新たな生産設備を導入して製造を行う。

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さらに、15年11月より量産しているハイブリッド車のパワーコントロールユニットを応用した「新パワーコントロールユニット」を筆頭に、小型長寿命化を実現した「高圧水素供給デバイス」、「水素循環系デバイス」、「エア供給制御系デバイス」、「電子制御ユニット」、さらに燃料電池電気自動車用の熱交換器を搭載した「空調製品」などの計22点も、先の燃料電池電気自動車用として併せて開発。こちらも生産を開始している。

なお同社は、今回の燃料電池電気自動車向けの製品開発に伴って、高圧水素供給バルブ関連で6件、燃料電池電気自動車向け製品全体で、計60件の特許を申請している。