JVCケンウッド、CES2016でMcLaren 675LTにデジタルコクピットシステム搭載


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株式会社JVCケンウッド(本社:神奈川県横浜市神奈川区守屋町、代表取締役社長:辻孝夫、以下、JVCケンウッド)は、世界最大級のエレクトロニクス・ショー「2016 International CES」にて、同社が開発を進めているヘッドアップ・ディスプレイや車載用カメラ、電子ミラーなどのデジタルコックピットシステムを英国マクラーレン・オートモーティブ社の「McLaren 675LT」に搭載したショーカーを展示した。

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1.マクラーレン社との関係
JVCケンウッドは、1991年にマクラーレン社とのオフィシャルサプライヤー契約を締結して以来、24年間で400レース以上にわたって、マクラーレンF1チームへ無線システムを供給するなど、日本企業としては最も長い期間にわたりパートナーシップ関係を継続しており、同社と親密な関係を築いてきた。

2.All in One Head Up Display(HUD)を実証するコンセプトカー
デザインコンセプト
このたびショーカーで使用した英国マクラーレン・オートモーティブ社の高級スポーツカー「McLaren 675LT」のプロトタイプは、当社とマクラーレン・オートモーティブ社が共同で製作に取り組んだ。

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その原型となる「McLaren 675LT」は、同社のスーパーシリーズの中でも最もドライバーに焦点を当てた、最軽量かつ空気力学的に最適化されたモデルで、イングランドのウォキングにある最先端の生産設備で近頃生産が開始され、完全限定生産分の500台は数か月で完売となっている。

「McLaren 675LT」に、JVCケンウッドのデジタルコックピットシステムを組み込むため、デザイナーのピーター・ウィルキンス率いるマクラーレン・デザイン・チームは、当社との密接な連携のもと、内装のデザインを手掛けた。

マクラーレン・オートモーティブ社の車の内装は、目的が明確になった必要最小限のものとなっているが、軽量化が重視された「McLaren 675LT」はそれを徹底したものとなっており、このたびのショーカーにとって理想的な出発点となった。

マクラーレン・オートモーティブ社がこれまで使用してきた材料と革新的な新素材を組み合わせることで、当社のデジタルコックピットシステムを組み込むための最適な内装が完成。それはマクラーレン・オートモーティブ社ならではの先進的なものとなっている。

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エクステリアも、わずかながら変更が行われた。ドアに装着されたリアビューカメラと後部ナンバープレートの上部に装着されたもう一つのリアビューカメラが、主な機能上の変更点となっている。

また、ボンネットのマクラーレン・バッジから車の屋根をつたってエアブレーキに至るラインは、JVCケンウッドをイメージしたシルバーレーシングストライプ。

レーシングストライプは、両サイドのエアダクトに吸い込まれるように描かれており、そのシルバーはコンセプトカーのブラックの塗装とコントラストとなり、ダイアモンドカットされたアルミニウム合金ホイールと部分的にグレイで統一された内装とマッチさせている。

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デジタルコックピットシステムの概要
1)従来のクラスターメーターをフロントガラスに映し出す「All in One Head Up Display」
従来のクラスターパネルに替わり、フロントガラスのヘッドアップ・ディスプレイにより、ドライバーは車内の計器類から外の景色に再度焦点を合わせる必要がなく、最小限の視線移動で必要な情報を確認することができるため、負担の軽減や進路への集中が可能となり、ドライバーに安心と安全を提供できる。

2)サイドミラーに替わるエアロダイナミック・デジタルカメラ
独自にデザインされたエアロダイナミック・デジタルカメラを搭載した電子ミラーは、車両の軽量化、空気抵抗低減による燃費改善、また高速走行時にはダウンフォースを生み出す。

3)バックミラーに替わるデジタル・バックミラー(DRVM)
車両の両側および後方に設置された3台のカメラの画像を一つの画像に合成することで、より広範囲なリアビューを確保する。この高解像度デジタル・バックミラーにより死角が減り、快適な運転環境が確保される。

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3.当社の自動車産業向けソリューション
JVCケンウッドは、カメラやセンサーなどのセンシングデバイス(カーオプトロニクス)から車両検知などのADAS(先進運転支援システム)、それらをドライバーに伝えるディスプレイ・インターフェースという、情報の入り口から出口までの各種コア技術をグループ内で保有する数少ない専業メーカー。

また併せてカーオーディオ、カーナビゲーション、インフォテインメントシステムを通して、安全性、すぐれた快適性で走る楽しさを提供している。
同社はこの強みを生かしてデジタルコックピットシステムの開発に取り組んでおり、この革新的な運転者支援技術の普及を通して、安全で安心な車社会への貢献を目指すという。vc-kenwood-a-digital-cockpit-system-installed-in-the-mclaren-675lt-at-ces2016-0111-1

【i-ADASについて】
JVCケンウッドは、2013年7月にi-ADAS(革新的先進運転支援システム)事業化タスクフォースを立ち上げ、当社の最大事業領域となるカーエレクトロニクス(カーナビゲーション、カーオーディオ等)とオプトエレクトロニクス(ビデオカメラ、プロジェクター等)の強みを融合したカーオプトロニクス※分野を創出。

ヘッドアップ・ディスプレイや車載用フルHDカメラ、電子メーター、電子ミラーといったデジタルコックピットシステムの開発に注力しており、安全で安心な車社会への貢献に向けた取り組みを推進してきた。※:車載機器にオプトエレクトロニクス技術を用いた当社独自の名称