日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は、100%電気自動車(以下、 EV)の「日産リーフ」が、この12月で販売開始5周年を迎え、累計販売台数が2016年1月に20万台を達成する見込みと発表した。
2010年の発売以来、世界のEV市場で、その性能や実用性を進化させ、またEVに対する消費マインドを牽引してきた同社は、今後もEV市場の拡大と発展に貢献していくとしている。
リーフは5年間で月を2600回往復できるほどの距離を走る
「日産リーフ」の累計販売台数は、2010年12月の販売開始から約5年で20万台に達する。過去5年間の「日産リーフ」の走行距離は累計20億キロメートル(約12億マイル)を超えており、これは、地球と月を2600回往復できるほどの距離に相当するという。
この5年間の実績から削減されたと推測されるCO2の排出量は、約328,482トン以上。車両単体としては排出ガスを出さずに、走行距離を重ねてきた自動車メーカーは他に類がない。
この累計20万台の販売内訳は、北米、日本、欧州の3市場の合計で全体の90%を占めており、このうち北米が9万台超と最も多く、次に日本(約5万台)、欧州(約4万台)が続く。
日産自動車製EVの原点は68年前の「たま電気自動車」
なお「日産リーフ」はこれまで、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」、「ヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤー」、そして「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を含む、合計92の様々な賞アワードを受賞している。
これまでの長い自動車誕生の歴史を紐解くと、その黎明期には電気自動車躍進の可能性もあったのだが、液体燃料を使用する車両の発展が続いた。
その後に歴史の1ページを開いた日産の足跡を遡ると、EV開発における歴史は比較的古く、68年前の「たま電気自動車」に行き当たる。
日産は、以降21世紀目前迎える頃、自社でのEVバッテリーの研究開発に取り組み、鉛からニッケル水素、そしてリチウムイオンへと進化させてきた。
21世紀に入ってからは、充電インフラ設備の拡充に貢献
そして、 1996年に世界ではじめてリチウムイオンバッテリーを搭載した「プレーリージョイ EV」を発売。歴史に裏付けられた経験やノウハウにより、日産は同業他社よりも早く2010年に世界初の量産型電気自動車 「日産リーフ」を、日本と北米で発売した。
日産は、インフラ整備やバッテリー開発などを含むEV事業全体に約5000億円(約40億ユーロ)の投資計画を発表し、今後もクリーンで効率的、かつ経済的な自動車へのニーズが高まれば、更なる計画の拡大も視野に入れている。
日産のゼロ・エミッションへの取り組みは、この「リーフ」に留まらず、インフラ整備にも力を入れており、30分で80%まで充電が可能な急速充電器(CHAdeMO Quick Chargers)の数は全世界で1万基に到達する勢いで拡大を続けている。このうち約6000台が日本に在り、世界最大の急速充電ネットワークを築いている。
日産は、EV技術のイノベーションに積極的に取り組んでいく
2015年11月に北米で販売を開始した最新の「日産リーフ」は、一回の充電で可能な航続距離を従来から20%以上伸ばした30kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したモデルが加わった。日本では今月24日から、欧州では2016年1月からの発売を予定している。
EV開発について日産の社長兼CEOのカルロス ゴーン氏は、「EV技術は、引き続き、日産の商品開発の中心です。
EV技術を、日産の他の様々なインテリジェンスやイノベーションと統合し、当社はゼロ・エミッション(走行中のCO2を含む排気ガスゼロ)の時代に向かって前進していきます。
当社が開発する数々の技術により、より安全で、クリーンで、つながっていて、ワクワクするモビリティの時代が近づきつつあります。これこそがイノベーションの力です。今後の日産にご期待ください。
日産は今後もEVのさらなる開発や普及促進に加え、EVや関連技術を活かしたイノベーションに積極的に取り組むことで、ゼロ・エミッション社会の実現に貢献してまいります」と結んでいる。