トヨタのウーブンシティに新インベスターが参加、開業は9月25日

トヨタ自動車とウーブン・バイ・トヨタ(WbyT)は、今年9月にPhase1オフィシャルローンチを迎えるモビリティのテストコース「Toyota Woven City(Woven City)」のInventors(インベンターズ)として、新たに12社が参画することを発表した。

なおウーブン・バイ・トヨタ(トヨタグループ)は、TRI-ADを前身に2021年に設立。「Mobility to Love, Safety to Live」をビジョンに研究や先行開発領域でトヨタグループ内の連携を強化し、開発の加速化担っている。

現時点でトヨタグループのソフトウェア開発は、トヨタ自動車(デジタルソフト開発センター)、ウーブン・バイ・トヨタ、デンソーの3社で展開。

その役割分担は以下の通り

  • トヨタ自動車 – 自動車のユーザーインタラクションの企画や全体設計
  • ウーブン・バイ・トヨタ – 社会システム企画やソフトウェアの開発基盤、アプリケーション開発
  • デンソー – ソフトウェアプラットフォームやアプリケーションの実装

トヨタ自動車とWbyTでは、Woven Cityの事業展開について「モビリティの未来を切り拓く仲間が新たに加わり、Inventorsは未来の当たり前となるようなイノベーションを生み出していきます。

Woven Cityは2020年のCESでその構想を公表して以降、2024年10月にはPhase1の竣工を迎え、現在はオフィシャルローンチに向けて着実に実証の準備と仲間づくりを進めています。

Woven CityのInventorsは、トヨタやWbyTを含むトヨタグループ企業だけでなく、社外の企業やスタートアップ、起業家など同じ志をもつ企業や個人も含まれます。

トヨタが長年培ってきたものづくりの知見や、WbyTがもつソフトウェアのスキルなどの強みを生かしたツールやサービスを活用し、Weavers(ウィーバーズ)と呼ばれる住民・ビジターからリアルなフィードバックを受けながら、様々なInventorsとのコラボレーションを通じて、新たなプロダクトやサービスの実証を行い、開発を加速していきます」と話している。

なお今回新たにWoven CityのInventorsとして参画する企業は以下の12社となる。

企業名:インターステラテクノロジズ株式会社
主な事業内容:ロケットの開発・製造・打上げサービス、人工衛星の開発・製造・運用サービス
テーマ:ロケットの製造体制強化*

企業名:共立製薬株式会社
主な事業内容:犬・猫用および畜水産動物用医薬品の開発・製造・販売・輸出入
テーマ:ペットと人の「より良い共生社会のあり方」を探る
*Woven City内での実証ではなく、トヨタ・WbyTのモノづくりに関するノウハウ・人的リソースをインターステラテクノロジズ株式会社に提供し開発支援

これに加えてトヨタグループ各社も順次InventorsとしてWoven Cityで実証すべく準備を進めており、本日時点で10社の参画が決定している。

具体的には(1)豊田自動織機、(2)ジェイテクト、(3)トヨタ車体、(4)豊田通商、(5)アイシン、(6)デンソー、(7)トヨタ紡織、(8)トヨタ自動車東日本、(9)豊田合成、(10)トヨタ自動車九州の10社。

このWoven CityのInventorsは上記に加え、今年1月に公表した(11)ダイキン工業<花粉レス空間やパーソナライズされた機能的空間に係る実証実験>、(12)ダイドードリンコ<自動販売機を通じた新たな価値創造>、(13)日清食品<新たな食文化創造に向けた食環境の構築とその環境が及ぼす影響の検証>、(14)UCCジャパン<未来型カフェの運営を通じたコーヒーの潜在価値の実証>、(15)増進会ホールディングス<データ活用による先進的な教育スタイル及び新しい学びの場の実現>、これに(16)トヨタと(17)WbyTに(18)インターステラテクノロジズと(19)共立製薬を合わせた計19社の参画が決定済みとなった。

今後は、トヨタ自動車とWbyTは、更なる仲間づくりを拡げていく予定であり、スタートアップや起業家、大学・研究機関にも参加して貰えるようアクセラレータープログラムを行う。

その詳細は、8月25日にWoven CityのWebsite内で公開予定としている。

なお、1月時点で今秋以降予定と公表していたWoven Cityのオフィシャルローンチは今年の9月25日に決定した。この日にInventorsと共にモビリティの拡張に向けた実証実験の第一歩を踏み出すという。

両社では、「単なる移動手段としてのモビリティだけではなく、ヒト、モノ、情報、そしてエネルギーを動かし、人の心をも動かすモビリティを通じて、ヒトや社会のためにできることを増やすことにチャレンジしていきます」と結んでいる。

Woven City Phase1 基本情報は以下の通り
所在地: 静岡県裾野市御宿1117(TMEJ東富士工場跡地)
敷地面積: 約47,000m2
主なタイムライン

  • 2020年1月7日 CES 2020にてコンセプト発表
  • 2021年2月23日 Phase1地鎮祭。同年3月より造成工事を開始
  • 2022年10月10日 Phase1安全祈願祭。同年11月より建築工事を開始
  • 2024年10月31日 Phase1竣工
  • 2025年9月25日 Phase1オフィシャルローンチ予定

Weavers(住民・ビジター)

  • 住民 : 2025年9月以降、トヨタやトヨタ関係者を中心に住み始め、Phase1では最終的に約360名が居住予定
  • ビジター : 2026年度以降に受入れ開始予定