アトランタでLyftと、アーリントンでUberとの協業準備へ
自動運転車(AV)テクノロジーのリーディングカンパニーMay Mobility(メイ・モビリティ)は7月10日(ミシガン州アナーバー発)、ライドシェア統合APIのリリースを発表した。
上記の統合APIの開発並びにリリースにより、同社のAutonomy-as-a-Service(AaaS)サービスが拡充され、世界各国都市のライドシェアプラットフォームへの広域事業展開が可能になったという。
そんなメイ・モビリティは、自律走行車(AV)テクノロジー企業として、移動サービスの未来を再定義し続けてきた存在でもある。
今回、実用段階に到達した特許取得済みのマルチポリシー意思決定(MPDM)システムは、刻々と変化する運行状況をリアルタイムに補足し、予測できない状況下でも安全性と効率性を確保できるとしている。
またトヨタ自動車やNTTなどの産業界のリーダーとの戦略的パートナーシップに支えられ、米国と日本でオンデマンド車両を運用している同社は、地方都市、密集した都市部、様々な気象条件下に於いても、安全で効率的な輸送手段を提供できるとし、世界19か所の運行環境下で約50万回の顧客乗車を実行し続けている。
今回、同社が発表したライドシェア統合APIは、メイ・モビリティの自動運転車両と世界各国のライドシェアプラットフォームとのシームレスな接続を可能にさるために設計されたもの。
この独自のAPIは、ライドシェア利用者の乗降プロセスを標準化し、メイ・モビリティが提供する高品質な移動サービスを安全かつ便利に利用できるようになっているという。
そんな新たな統合APIの最も重要な点は、同プラットフォームが、各国のライドシェア・プロバイダーとの間で、技術的にスムーズかつ効率的に運用ができるところにあり、複数のライドシェアプラットフォーム間を跨がる大規模な基盤になれるとしている。
世界の配車サービス企業の中で、主導的な立ち位置を確立
なお今回の最新ライドシェア統合APIには、左ハンドルと右ハンドル両方の地域で動作させるための環境プログラムも組み込まれており、米国、日本だけでなく、将来的には多様な海外地域でライドシェアプラットフォームの広域展開が容易になった。またそのシステム環境下では、以下のような乗客体験が実現できるとしている。
- 狭い市街地の道路を高度に精密に処理
- 二重駐車した車などのエージェントの周りをより人間らしく操作する
- よりスムーズな加速とブレーキで快適な乗り心地を実現
メイ・モビリティによると、これらの乗車体験の実現は、今夏アトランタのミッドタウン周辺でのLyft(リフト)との提携を介したサービス展開を皮切りに、今年後半のテキサス州アーリントンに於けるUberとの協業事業に於いても、重要な価値提供の第一歩だという。
これは先の通り、自社が2025年に2つの主要配車プラットフォームに参入する計画を発表した米国唯一の事業社であること。米国の公道で商用の無人運転サービスを提供しているわずか3社のうちの1社でもあること。これらの実績を踏まえて同社の配車サービスは、まずはスタンバイオペレーターの体制から運用を指導させ、その後、無人運転に移行する予定とした。
またメイ・モビリティの提供車両には、先の通り特許取得済みのマルチポリシー意思決定(MPDM)が搭載され、MPDMは、事前定義されたシナリオに完全に補足し、現実世界の走行状況と完全に一致しない場合に苦労する他のライドシェア技術企業と完全に差別化できていると説明した。
実際、このMPDMテクノロジーは、LIDAR、レーダー、カメラを統合し、人間のようなリアルタイム推論を用いて、道路上での予期せぬ事態にも、AIを活用した予測判断を背景に高い精度で対応していけると語っている。
さてそうした今リリースの発表に関して、メイ・モビリティで自律エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるジェイコブ・クロスマン氏は、「本日の最新鋭ソフトウェア環境の発表により、我々のライドシェアサービスをご利用頂くお客様は、乗車時・降車時の快適化への配慮を含めてスムーズな乗車体験をお楽しみ頂けます。
自動運転車市場が初期運用段階から、ようやく普及段階へと移行していく中で、この度、個々地域で数千台規模の自動運転車を管理できるプラットフォームを開発できたことによって、世界有数の高品質なライドシェアサービスをご提供し、安全かつ自由な移動体験をご提供できるようになったことについて我々も大変喜ばしく思っています」と結んでいる。